【談話】労働者の平和の願いを踏みにじる「殺傷武器輸出の全面解禁」に断固抗議し、その撤回を強く求める
2026年5月21日
全国労働組合総連合
事務局長 黒澤幸一
高市政権は「防衛装備移転三原則」と「運用指針」の改定を国会に諮ることなく閣議決定し、戦闘機や艦船、ミサイルなどの殺傷能力を持つ武器の輸出を全面的に解禁した。
日本国憲法前文は「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」と謳っている。日本が殺傷能力のある武器を製造し他国に輸出することは、他国の戦争を支援し殺戮行為に関与することに他ならない。武器輸出の全面解禁は憲法前文の精神を踏みにじるものであり、憲法で「戦争の放棄」を定めた「平和国家」としての立場を捨て去るものである。全労連はこれを断固糾弾し、閣議決定の撤回を強く求める。
高市政権は軍需産業を重要な経済成長戦略と位置づけ、武器輸出の全面解禁をその突破口にしようとしている。このことにより、今後武器製造に従事させられる労働者が増加する可能性がある。現に、軍需最大手の三菱重工業はオーストラリアへの「もがみ」型護衛艦の輸出など大型案件を受注しており、受注残高は4兆円を超えている。急激な受注増に生産能力が追いつかず、約7000人(2023年度時点)の作業人員を2026年度末までに3割程度増やす計画である。
戦後の日本の労働運動は、「大日本帝国憲法」のもとで労働組合と労働者が侵略戦争に協力させられてきたことへの反省と、「二度と戦争への協力はしない」との固い決意から出発した。全労連は、この精神を受け継いで平和と労働者を守る運動を進めている。
しかし、武器は人を殺すための道具である。武器を造らされる労働者や輸送に従事する労働者は、戦争に間接的に協力させられることになる。人を殺す道具を造り運ぶこと、それで生計を営むことに労働者の働き甲斐と誇りを見出すことはできない。全労連は、労働者が武器の製造と輸送に従事させられることに断固反対し、満身の怒りを込めて抗議する。
労働者の労働と、そこから産み出される物は平和な社会に資するべきであり、労働者の日々の暮らしと労働は、平和な社会でこそ成り立つものである。全労連は、アメリカいいなりに「戦争国家」づくりにまい進する高市政権を終わらせ、平和を守る政治の実現にむけて全力を挙げ、奮闘する決意である。
以 上
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