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【談話】「ストライキ権はILO第87号条約を構成する労働基本権」国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見を歓迎する

2026/05/25
国際連帯
事務局長談話

2026年5月25日
全国労働組合総連合
事務局長 黒澤幸一

オランダのハーグに本部を置く国際司法裁判所(ICJ)は、5月21日にストライキ権がILO87号条約(結社の自由と団結権保護に関する条約、1948年)に含まれる権利であるとする勧告的意見を出した。これまでもILOの基準監視機構で繰り返し確認されてきた原則が、国際法の名の下にあらためて確認された。全労連は団結権および団体交渉権と不可分のストライキ権が基本的人権であるとした今回の勧告的意見を歓迎する。

これまで、ILOの条約勧告適用専門家委員会、総会基準委員会、結社の自由委員会など基準監視機構は、ストライキ権は87号条約に含まれるとする解釈をしてきた。しかし2012年に使用者グループが「第87号条約にはストライキ権が明記されていないから、国際労働基準に含まれない」という強引な主張を展開し、労働側がこの主張に合意しなければ政労使三者の委員で構成される総会基準委員会に参加しないと主張して、実際に欠席したため審査が行われなかった。その後も独自の主張が続き、2023年11月にILO理事会は「労働者と労働者組織によるストライキ権は第87号条約によって保護されるか」について、ILO憲章に基づき初めて国際司法裁判所に判断を要請した。

国際司法裁判所の勧告的意見によれば、条約解釈の一般的原則を規定した「条約解釈に関するウィーン条約」第31条にもとづき、第87号条約第2条、第3条第1項、第10条を総合すると、労働者団体による「労働者の利益を増進し擁護するための活動」にはストライキが含まれ、それは結社の自由という条約の対象と目的に合致するとしている。加えて、ストライキ権を明示的に保障している「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」(社会権規約)第8条や「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(自由権規約)第22条などの国際人権規範、各地域の人権規範や判例が同じ結論を裏付けていると確認した。さらに、ILO条約勧告適用専門家委員会や結社の自由委員会が数十年にわたり一貫してストライキ権を条約上の権利として認めてきた解釈を尊重するとしている。

ICJの審査の過程で日本政府は2024年9月に文書でその立場をコメントとして提出している。同コメントの結論は「ILO第87号条約には労働者とその組織によるストライキ権は含まれないというのが日本政府の立場」としている。ストライキ権を含む公務員労働者の労働基本権について、繰り返しILOの監視機構から指摘され、勧告を受けている日本政府は、今回の勧告的意見を受け止めるべきである。ILO条約に加え各種の国際人権規約にてらしても公務員労働者の団結権をはじめとする労働基本権を過剰に狭く解釈し、制約を加えている現状を直ちに解消するため、全ての労働組合と具体的で意味ある対話に踏み出すことを強く求める。

全労連はICJの勧告的意見にあるように、ストライキ権はILO条約やその他国際法に位置付けられた人権であり、労働者の権利として尊重されるべきであると考える。ストライキ権に異議を唱えることは、労働者を沈黙させ、自らの利益を守り、要求実現をめざす能力を制限することを目的としたもので、民主主義および労働組合の自由に対する攻撃である。全労連は、日本国憲法第28条に規定された労働三権を行使し、労働者が集団で声を上げ、たたかう手段としてのストライキ権をより多くの労働者が行使するため労働組合に加入し、ともにたたかうことを全ての労働者に呼びかける。

以上

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