学習会「ロサンゼルス教員組合のストライキに学ぶ2」 アーカイブ動画公開
全労連国際委員会は5月22日、元ロサンゼルス教員組合のアーリーン・イノウエさんを招いて学習会「ロサンゼルス教員組合のストライキに学ぶ2」を開催しました。アーリーン・イノウエさんは一昨年、昨年に続き3年連続で全労連で講演を行っています。
完成したばかりドキュメンタリー映画『We Build Power(パワーを築く)』を鑑賞し、当時の様子やストライキに向け、どのように力を結集していったのか、お話しをお聞きしました。
ロサンゼルス教員組合(UTLA)は2019年に3万人の 組合員と約50万人の保護者・生徒が参加するストライキに取り組みました。アーリーン・イノウエさんはUTLAの交渉委員会共同代表(当時)でした。
UTLAのストライキは、単なる労働条件の改善に留まらず、保護者や生徒、他職種の労働者と広範な連帯を築ことで、労働組合が社会正義のために闘う存在へと変革し、民主的な教育現場の再建に繋がっています。アーリーンさんは、講演のなかで1対1の対話を通した、組織化の重要性を強調しました。
今回の来日にあわせ、愛知、京都、群馬でもアーリーンさんを招いて学習会が開かれました。

アーリーン・イノウエさんのお話

「あなたが組合員であり、あなたが労働組合だ」
学校は社会を変えていくパワーを実感する実験場であり、教育はパワーの源泉です。
UTLAでは組合員に対して、自分たちの置かれた環境を改善するために、自分に何ができるかを主体的に考えることを重視しています。「あなたが組合員であり、あなたが労働組合だ」と伝えています。組合員一人ひとりが「自分が組合そのものである」と自覚し、集団で物事に取り組む姿勢がパワーの源泉となります。
組織化のプロセスにおいて最も基本的かつ決定的に重要なのは、「1対1の対話」から始めることです。
まずは相手のところへ行き、話を聞くことから始めます。対話を通じて信頼関係を築き、相手の抱える要求や優先事項を引き出します。これは時間がかかりますが、変化を起こすためには避けて通れないプロセスです。
日米の教育現場を比較すると、日本の方が状況は厳しいと感じています。多くの教員にとって、長時間労働が文化となっていますし、団結権が制限されているためにストライキ権がないことも困難な状況に拍車を掛けていると思います。
集団で取り組むことが、組合を強くする
重要なのは集団で取り組むことです。
労働者間の分断を乗り越え、生徒のため、教育を良くするためなど共通の目的を持つパートナーとしてお互いを見ることが不可欠です。教員だけでなく、バスの運転手やカフェテリアの職員などの他職種の労働者(SEIU:国際サービス従業員労働組合)は、それまで予算を取り合う敵とみなされていましたが、子どもたちの教育のために連帯してたたかうことに成功し、新しい力関係をつくることができました。また、保護者や地域社会に対しても、これまでの「利用する」ような態度を改めて真摯に向き合い、信頼を積み重ねて共に運動を作る関係を築きました。
集団で問題に取り組むことは本当に価値のある事です。私自身もやってみて驚いたほどです。
指導部は確信を持ち、組織化目線を維持することも重要です
困難な局面でも、リーダー自身が「みんなで決めたことをやり切る」という絶対的な確信を持って自信を持って言い切ることが、揺れる組合員を支えるポイントになります。会議の方法も変えました。情報の共有を行う際も、「単に情報を伝える」のではなく、「どうやって組織化して組合員に自発的に立ち上がってもらうか」という組織化目線を貫くことが重要です
これらのプロセスを丁寧に進めることで、かつては「自分にはできない」と言っていた人々がリーダーとして立ち上がり、予想を超えた集団の力が発揮されるようになりました。
組合員同士が本音を出し合い、お互いを助け合う文化を作ることが組合を強くします。例えばストライキ中に、子どもがいる組合員のために、互いに子どもの面倒を見合うといった「助け合いの経験」が、絆と喜びを生み、集団でたたかう力になりました。
組織化=組合員が立ち上がるために、何をしたらいいかという問いに対する答えは、パワーの源泉は組合員にあるという認識から始めるしかないということです。
学習会のアーカイブをYouTubeでご覧いただけます
※一部映像が乱れることをご了承ください。映画は著作権の関係で割愛しています。映画にご関心のある方は、全労連国際委員会にお問合せください。
ロサンゼルス教員組合のストライキのドキュメンタリー映画『We Build Power(パワーを築く)』『When We Fight(私たちがたたかうとき)』についてのお問合せは、全労連国際委員会まで。
また、ロサンゼルス教員組合で実践された組織化のトレーニングを基にしたワークショップ「対話と学びあいスクール」については、全労連学習教育委員会にお問合せください。
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