非正規労働者の不合理な待遇差別の解消を求め厚労省要請-非正規センター
全労連非正規センターは8月26日、非正規労働者の不合理な待遇差別の解消を求め、厚生労働省要請を行いました。
「非正規労働者の待遇守るのは当たり前」の社会作る法整備を
冒頭、黒澤幸一事務局長は赤穂市の会計年度任用職員130人雇止めのニュースを紹介しながら、「まさに最悪の事態だ。このようなことが起こらないように、『パートの待遇を守るのは当たり前』の社会にするため最低規制としての法整備を進めていただきたい」と述べました。「今回のガイドライン改正で手当てについて前進したことは一定評価するが、賃金が是正されないことが最大の問題だ」と指摘しました。
参加者から「パート・有期法では配転・昇格の可能性の有無で格差を設けていいことになっているし、差別的取り扱いの禁止についても本俸や一時金については現行通り差別を続けてもよいことになっている」「今回の法改正に向けた審議会の議論では、『裁判例が重なっていないから法改正は時期尚早』とされていたが、非正規の待遇改善は待ったなしだ。どうなったら法律改正されるのか」など要請しました。
一刻も早い格差是正をー職場の実態訴え
待遇格差についての職場実態の訴えが続きました。「賞与について正規はポイント制で非正規は一律1万円とか7000円。支給されていればガイドライン違反にならないのか」「夏季・冬季休暇の同一付与の職場は増えているが、非正規は無給であり月収が減る」(生協労連)、「世界が先に進もうとしているときに今回のガイドラインは全く不十分だしこれでは不合理な格差は是正されない。正規と非正規の格差是正はいつ実現するのか。女性部の実態調査では単身の非正規労働者の80%が年収300万円以下だ。一刻も早い格差是正を」(女性部)、「フルタイムで働いても一時金の格差が大きい。賞与を時間給に組み入れて募集時給を上げている」(岡山県労会議)、「一時金について交渉してもここ数年、『制度にないから』と付与しない」「公務は正規が減らされ期間業務職員、会計年度職員が増えている。毎年雇用不安を抱えながら働き、正規も過重負担になっている」「60歳を超えたとたんに賃金を減らされている」(佐賀県労連)、「会計年度任用職員は1年たてば雇い止めをしてもかまわないという手法を取られている。法の谷間」「他の省庁への働きかけを強めてほしい」(自治労連)、「会計年度は勤務時間の把握がされず、15.5時間以上勤務しないと残業代が出ない」「非常勤講師は多くの自治体が授業時間分のみ賃金を支払い授業準備や成績処理の時間も労働時間に入れていない」「定年延長で61歳になると7割に減らされる」「主任のような仕事をしているのに国庫負担が3分の一のままのため『予算がない』と1級のままにされている」(全教)、「非正規は時給が上がっても労働時間が削られて年収が変わらないというようなことが増えている」「全労連の組合はこれまで一度も聴取されていない。いつまで組合差別を続けるのか」(福祉保育労)
すべての非正規労働者に同一労働同一賃金を
最後に柳恵美子代表は、「最低賃金と比べパート・有期法は法規制が弱い。『労働組合に加入していようがいまいがこれだけは保障される』という法律でなければ、多くの非正規労働者は救われない」と法規制を強く求めました。また、「均等室に駆け込める非正規労働者がどれだけいるか」と述べて、現行法制の下でもすべての非正規労働者に同一労働同一賃金が届く手立てをとることを求めました。

要請項目は以下の通り(要請書全文はこちらから)
1.憲法14条第1項の精神に立ち、すべての労働者を対象に合理的な理由のないすべての差別を禁止し、同一労働同一賃金、均等待遇を実現するため、労働基準法、労働契約法、男女雇用機会均等法、パート・有期法、労働者派遣法、最低賃金法の法改正を行うこと。ILOパートタイム労働条約(175号条約)を批准すること
2.正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間に賃金・一時金・退職金などで差別が大きく残っている。パート・有期法を改正し、賃金での格差をなくすこと。
賃金・賞与・退職金を含めた「同一価値労働同一賃金」「均等・均衡待遇原則」の法制化を実現すること。そのため、雇用形態の違いによる「差別の禁止」、「正社員(有為)人材確保論による待遇格差の禁止」、均衡考慮の要素のうち「職務の内容・配置の変更の範囲」を削除し「その他の事情」の考慮要素の限定化をはかること。
3.無期転換した非正規雇用労働者と正規雇用労働者の間の「不合理な格差」が解消されるように法改正を行うこと。
4.合理的な理由のある場合や臨時的・一時的な業務以外は、期間の定めのない雇用を原則とする法改正を行うこと。
5.急増している「スキマバイト」に対し、労働者保護の政策を行うこと。
6.法改正にあたって、全労連、全労連非正規センター、全労連加盟単産から非正規雇用労働者の実態や待遇格差の状況を聴取すること。
7.派遣労働者の直雇用を推進すること。派遣労働者保護を強化する法改正を行うこと。
8.労働行政に責任を持つ省庁として「雇用によらない働き方」「ジョブ型雇用」など、不安定な働き方を普及させる政策には反対すること。
9.最低賃金を全国一律の制度にし、今すぐ1700円以上を実現すること。最低賃金額の審議では、使用者の支払い能力ではなく労働者の生活実態を重視し賃金額を諸外国並みに引き上げること。
10.公務で働く非正規労働者(期間業務職員、会計年度任用職員など)にも、不合理な格差の禁止や無期転換権が保障されるように関係省庁に働きかけること。厚生労働省内で働く期間業務職員の雇用の安定と賃金をはじめとする処遇を正職員との均等にすること。
11.無期転換ルールや同一労働同一賃金ガイドラインなど非正規雇用労働者の格差解消、均衡・均等待遇実現にむけて周知徹底・監督指導ができるように、労働行政予算の拡充と人員確保を行うこと。
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