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【指針】26最賃審議 中央は地域の声に耳を傾けよ(全労連新聞600号・2026年7月15日)

2026/07/15
全労連新聞
賃金・最低賃金

地域の主体的な判断揺るがす「整理」

先月末、中央最低賃金審議会が「論点と考え方の整理」をまとめた。昨年の最賃改訂で39道府県が目安額を上回る答申を行ったことを「近隣県との競争意識」や「最下位回避」と結びつけ、「地域の実態とかけ離れた引き上げ」は適切でないとした。こうした整理は地方最低賃金審議会が重ねてきた議論を正当に評価したものとはいえない。
昨年、各地の審議会が行った中央の目安額を超える答申は、物価高騰のもとで苦しむ労働者の切実な声と、地域から働き手が流出することへの危機感などを受け止めた結果である。
現行法のもとでそれぞれの地域の実態を踏まえ、地方審議会が自主的・主体的に判断したのだ。その役割を萎縮させるような方向性の提示は、最低賃金制度の趣旨にも反する。むしろ、中央審議会の目安が十分に労働者の生活実態と地方の実情を踏まえたものとなることが強く求められる。

生計費に基づく全国一律最賃への転換を

実質賃金は4年連続で低下し、最低賃金近傍で働く労働者の暮らしは深刻さを増している。最低賃金法が最も重視する生計費の実態から出発すれば、大幅引き上げは待ったなしである。
全労連の最低生計費試算調査は、健康で文化的な生活には時給1800~1900円台が必要であり、都市部と地方で生計費に大きな差がないことを明らかにしてきた。一方で、最低賃金には依然として大きな地域間格差が残り、地方ほど生計費との乖離は深刻だ。
発効日の先送りや地域間競争、最下位回避といった問題も、地域別最低賃金制度が抱える構造的な矛盾の表れである。地方審議会に引き上げ抑制を求めるだけでは問題は解決しない。
いま求められているのは、生計費原則に立脚した最低賃金の大幅引き上げと、地域間格差をなくす全国一律最低賃金制度への転換だ。中賃は、その実現に向け、政府に最低賃金法の改正を求める役割を果たすべきである。

(全労連新聞600号 7月15日発行)

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