SRHR すべての人が持つ自己決定の権利

全労連は、7月に開かれる第33回大会でSRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)の学習を深めると方針に掲げる。SRHRは日本語で、「性と生殖に関する健康と権利」と訳される国際的な基本的人権だ。これまで女性部が中心に取り組んできた母性保護が女性特有の生理的・身体的機能を保護することを目的とするのに対し、SRHRはすべての人を対象とする。労働組合がその実現に取り組む意義を探る。
SRHRは性と健康に関する4つの権利の組み合わせだ(表)。

1994年にエジプト・カイロで開かれた人口開発会議の行動計画でその概念が提唱され、翌年の北京女性会議でもSRHRを女性の人権とジェンダー平等の中核に位置付けられた。背景には、途上国での人口爆発抑制のための強制的な避妊手術や中絶の禁止などが行われていたことがある。
現在では、ジェンダーの差なく、すべての個人は、自分のからだや性に関する自己決定権を持ち、生殖可能な時期だけでなく、思春期や更年期、老齢期を含む一生を通して「性」と「生き方」に関わる健康と権利を保障する考え方として広まっている。
働く人にとってのSRHRとは
6月に「ジェンダー視点から考える働く女性の健康」と題して講演(全労連女性部主催)を行った聖マリアンナ医科大学の助産師・土井希実さんは、SRHR実現は労働者に次のような効果をもたらすと語った。
まず健康な心身で働くことができる、また適切な性教育の実施によって職場でのハラスメントの予防にもなる。そして妊娠・出産・育児・介護など自己決定権を持つことでライフイベントと仕事の両立など、自分の人生における重要な選択を主体的に行える。

ジェンダー平等実現のためにも
しかし、残念ながら日本社会では、SRHRが十分に理解および保障がされていないのが実情だ。
全労連が昨年、女性労働者を対象に行った妊娠・出産・育児に関する実態調査(1660人回答)では、23.9%が流産を経験したと回答した。そのような職場では、男性も性的マイノリティも体調不良を申し出ることは難しいのではないか。非正規労働者、移住労働者などの立場の弱い労働者が健康に働く権利の実現はさらに遠い。
ジェンダー平等実現のためにもSRHRの実現は不可欠だ。「健康に、尊厳を持って働きたい」という当然の権利が誰にも保障される社会を実現したい。
まずは一人ひとりがSRHRの考え方を知ることが、自分らしく生き、パートナーも職場の同僚の生き方を大切にするための第一歩になる。
(全労連新聞599号 6月15日発行)
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