憲法共同センターニュース第557号
憲法共同センター主催:学習交流集会
市民運動が政治を変える
~日本を戦前に戻さないために~
全労連も参加する憲法共同センターは6月10日夜、「9条署名・学習交流集会」を開催し、会場とオンラインを合わせて約100人が参加しました。改憲の動きが強まる中、市民運動の力で平和と憲法を守り抜くための熱い訴えと各地の取り組みが交流されました。「国民大運動実行委員会」と「大軍拡・大増税NO!連絡会」が共催しました。

■自民党の安保提言は「無責任」
開会あいさつで「全国革新懇」の小田川義和さんは、総選挙以降に強まる自民党などの改憲への動きに「危険なスピード」と強い警戒感を示す一方、全国で広がる市民の反対運動に期待を寄せ、「9条署名」のさらなる前進を呼びかけました。また、自民党の安保提言が軍事費をGDP比3.5%へと倍増させる内容であることに対し、財源を明記しない姿勢を「極めて無責任で、軍事優先の政治へ一気に変えるもの」と批判しました。さらに、対話ではなく対立を選ぶ姿勢を「思考停止」と非難した上で、「改憲を阻止し、憲法を守り生かす社会、政治を求める取り組みは国際社会とも響き合っている課題」とし、9条署名の取り組み大きく前進させようと呼びかけました。
講演
市民運動が政治を変える~日本を戦前に戻さないために~
ジャーナリスト 伊藤千尋さん

学習講演でジャーナリストの伊藤千尋さんは、急速に進む日本の軍事化に警鐘を鳴らしつつ、「絶望している暇はない。市民運動をやり、原点に帰ればいい」とし、市民一人ひとりの行動が社会を変える大きな可能性を秘めていると力強く訴え、国内外の事例を交えて希望の在り方を提示しました。
●軍事化の加速と「国民を守らない軍隊」の現実
沖縄・石垣島など南西諸島でのミサイル基地化を挙げ、「具体的に戦争の準備が始まっている」と指摘しました。さらに、自衛隊法の規定に基づき「軍隊は国という体制を守るが、国民一人ひとりを守るのではない」とし、自治体や市民自らが平和を構築する重要性を強調しました。
●世界が称賛する「憲法9条」の精神
一方で、日本の憲法9条は世界で高く評価されています。スペインのカナリア諸島、テルデ市には、市長と市民が「全国家が日本国憲法9条のように軍隊をなくせば世界は平和になる」という願いを込めて建立した記念碑を紹介。また、世界初の非核地帯となった南極条約も、日本代表が憲法9条の精神を英訳し、各国代表に伝えたことが、条約締結の大きな力になったと紹介し、「憲法9条が世界の非核運動の原点である」と強調しました。
●社会を変える「15%の法則」と日本の底力
アイスランドの1975年「女性の休日」、フィリピンの1986年独裁政治を倒した「ピープルパワー」、ドイツの1989年ベルリンの壁崩壊、韓国の2016年大統領弾劾、2024年の戒厳令に対する市民運動で大統領を罷免に追い込んだこと、台湾では2013年からの運動で2025年にアジア初の脱原発国になったことなどの経験から、「15%の人が目立つ行動を取れば、社会の雰囲気を逆転できる」という「15%の法則」を提唱しました。「『日本には市民運動が定着しない』と言われますが、そんなことはありません」とし、日本の市民運動には間違いなく底力があること強調し、「私たちの世代だけでなく、子や孫の時代に、まともに生活できる日本を残していくために、今こそ草の根の市民運動で国を動かしていきましょう」と訴えました。
各地の運動交流 平和な社会を職場・地域からつくろう
■労働組合の使命は「平和な社会」を守り抜くこと
全労連副議長 石川敏明さん
全労連の石川敏明さんから、次期定期大会に向けた運動方針の議論が報告されました。「高市政権が改憲の目処を立てようとする緊迫した状況の中、労働組合が憲法を守る闘いに立ち上がることが今ほど求められているときはない」とし、「私たちは働く職場を守ると同時に、憲法9条を絶対に変えさせない闘いを最重要課題に掲げて進みます」と強調。憲法闘争本部会議を開催することを紹介し、「『市民運動と労働運動の結合』を具体的にどう進めるか、全労連としての役割を深く議論していく」と決意が語られました。
■若い世代や女性たちが主役となる草の根のアクション
新婦人中央常任委員 大平由美子さん
新日本婦人の会の大平由美子さんは、過去最高200人が集まった「次世代国会行動」について紹介し、国会議員に対して生活の苦しさと改憲への反対を率直に訴えたと報告しました。
高校生が描いた原爆の絵の展示を通じて1200筆以上の9条署名を集めた北海道の取り組みや、大分県での市営住宅への個別訪問行動、島根県での「憲法カフェ」などが紹介されました。「それぞれができる方法で、相手に伝わる言葉での対話を大切にしながら、9条署名を真ん中に据え、草の根から改憲ストップの圧倒的な世論を広げていきます」と決意を語りました。
■医療・福祉の現場から「憲法学習運動」を全事業所へ
山梨民医連事務局 大沼和久さん
山梨民医連の大沼和久さんは、北関東甲信越地方における憲法学習推進プロジェクトの取り組みを紹介しました。「国民投票になったら終わりだ」という強い危機感のもと、憲法を事業所の隅々まで染み渡らせることを目的に、7月から9月にかけて全3回の憲法連続講座を企画しています。
また、5月3日に開催の「憲法1000人集会」に向け、現場の看護師たちが手作りのオリジナルニュースを何度も発行して職員を巻き込み、例年の3倍となる800人が結集したことが報告されました。「日本国憲法が国民に求める『不断の努力』を一人ひとりが実践し、憲法を武器に皆で闘っていきましょう」と呼びかけました。
■戦争への道を阻むため、12万筆の署名達成を目標に
生協労連書記次長 櫻井美子さん
生協労連の桜井美子さんからは、「新たな戦前にさせないための緊急アクション」の方針を提起し、取り組みが進められていることが報告されました。プロジェクトを成功させるため、組合員一人ひとりが周囲に広げていく具体的な活動がスタートしていることを報告。「組合員1人が2筆以上の署名を集めることで、組織全体で12万筆の署名を必ず達成します」との力強く決意表明しました。
■緊急事態条項の本質を批判し、可視化でつながる
東京憲法共同センター 田中章史さん
東京憲法共同センターの田中章史さんからは、都内の組織で憲法審査会の傍聴行動を組織し、毎回2桁以上のメンバーが参加して、国会の動きを監視し続けていること、東京土建では闘争本部が設置され、「傍聴へ行って署名運動にもつなげていこう」と呼びかけられていることが報告されました。憲法審査会で議論されている「緊急事態条項」や議員任期の延長について、「災害対策などを口実にしているが、その本質は戦争事態を想定した国家体制づくりに他ならない」と指摘。これまで都内90か所以上で街頭宣伝を展開し、今後はさらに運動を可視化していく必要があると訴えました。「9条署名の重要性をもう一度学習し、9月から11月に向けて運動をさらに大きく広げていきます」と決意表明がされました。
■歴史の教訓に学び、今こそ署名を成功させよう
憲法会議の高橋信一さんは閉会あいさつで、1941年に国会議員の任期が延長され、その直後に真珠湾攻撃、そして緊急政令の乱発によって国民が戦争に動員されていった歴史の教訓を忘れてはならないとし、現在の軍事費倍増の動きはその時代と強く重なる一方で、自民党と維新の会でも改憲の思惑にはズレがあることを指摘。「たたかえば改憲を阻止できる。皆さんと一緒に何としても9条署名を成功させ、平和な未来を切り拓きましょう」と呼びかけました。
※憲法共同センターホームページで過去のニュースもご覧いただけます。
https://www.kyodo-center.jp/?cat=5
学習講演「市民運動が政治を変える~日本を戦前に戻さないために」
- 集会・学習会 (97)
- 憲法・平和 (133)
- くらし (109)
- 国民大運動 (22)
- 女性部 (15)
- ぜんろうれんラジオ (22)
- 国際連帯 (39)
- 全労連新聞 (55)
- 月刊全労連 (68)
- 事務局長談話 (23)
- 対話と学びあいスクール (3)
- わくわく講座 (1)
- ゆにきゃん (11)
- 調査・報告 (17)
- 宣伝物 (48)
- 春闘 (115)
- 秋年末闘争 (24)
- メディア掲載 (17)
- ストライキ (16)
- 被災地支援 (10)
- 署名 (12)
- 動画 (19)
- 大会記録 (1)
- 賃金・最低賃金 (93)
- 労働法制 (76)
- 社会保障 (82)
- 選挙 (34)
- 学習・教育 (8)
- 非正規労働者 (68)
- 青年 (44)
- 女性 (50)
- 原発・気候危機 (8)
- ジェンダー平等 (116)
- 非正規センター (11)
- レバカレ (63)
- 対話と学びあい (66)