【読み合わせ資料】改憲議論具体的段階に(598号・全労連新聞2026年5月号)
全労連新聞連載:国会で何が起きているの?
加速する改憲、止めるのは市民のちから
日本国憲法が戦後最大の危機だ。自民党・日本維新の会が昨年10月に交わした連立政権合意書にスパイ防止法、対外情報庁創設、武器輸出「5類型」撤廃、防衛力の抜本的強化、憲法改正、日本国国章損壊罪、皇室典範改正、旧姓使用法制化、外国人政策の厳格化が明記され、11月には「非核三原則の見直し」と矢継ぎ早に、米軍とともに「戦争する国づくり」が破竹の勢いで進められている。
高市首相は、来年の憲法改正国会発議への見通しを示した。自民党は改憲4項目として、①9条への自衛隊明記②緊急事態条項③合区解消④教育の充実を掲げる。連立を組む維新の会は、自衛隊の「国防軍」への位置づけや戦力不保持をうたった9条2項の削除を主張している。与党内でも意見がまとまりきらない。
また、緊急事態条項については衆議院の憲法審査会で今月「具体的なイメージ」が示される予定だ。改憲が具体的段階に入った。
改憲発議には、憲法第96条に基づき衆参両院で総議員数の3分の2以上の賛成が必要だ。先の総選挙で自民党は単独で必要議席を獲得している。一方、参議院では3分の2議席に届かないが、国民民主党や参政党なども含めた改憲勢力は多数派だ。そのため自民党は合区解消を改憲発議の突破口としたい考えだ。
問われる立憲主義
しかし、憲法は国家権力を制約し、国民の権利を守る最高法規である。首相自らが「改憲ありき」で急ぐ姿勢は、立憲主義の原則相反する。特に緊急事態条項については、実態は内閣に権限を集中させる「憲法停止条項」との批判もあり、国会の権能や基本的人権が制限される危険性を強くはらんでいる。
朝日新聞の世論調査(5月3日付)では、国会での改憲議論を「急ぐ必要はない」が62%で、「急ぐ必要がある」の33%を上回った。拙速な議論を止める運動を広げよう。
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(全労連新聞598号 2026年5月15日)
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