【指針】労働時間の短縮と賃上げの実現を(全労連新聞598号・2026年5月15日)
2026/05/21
全労連新聞
憲法・平和
政府と財界の悲願の労働時間規制緩和許すな
高市首相が放った「働いて働いて……」が流行語大賞となる前から、政府・財界は「安上がりで使い勝手のいい労働者づくり」のための労働法制改悪を進めてきた。高市首相が4月、労働時間制の見直しの加速を厚生労働大臣に指示、労働時間規制の大幅緩和を狙う動きが急速に強まっている。
「強い経済の実現」を掲げて、日本成長戦略会議での議論がスタートした。その下に設置された労働市場改革分科会(以下、分科会)は、ILOが推奨する3者構成原則でないことからも、「労働者の生活や権利を守る」目的ではなく、経済政策の一環としての「労働者の働き方」を議論する場となっている。
議論の中心は、「どれだけ働かせるか」
分科会は「(時間外労働の)一律の指導により企業活動が萎縮している」と労働基準監督の指導を批判した。
さらに、自民党の日本成長戦略本部も労働基準監督署に対し、「36協定や特別条項の締結に向けた指導・助言」すべきと提言を行った。すなわち法律の抜け穴を「指南」する機関になるよう求めた。
一方、労働政策審議会の労働条件分科会では、使用者側委員がなりふり構わぬ理屈を持ち出している。厚生労働省が労働者を対象に行った調査では「労働時間を増やしたい」と回答したのは全体の1割程度にもかかわらず、その中にスキルアップを望む「意欲ある労働者」が一定数いることを根拠に、労働時間規制の緩和に執念を燃やしている。
求められるのは人間らしい生活
表向きは「心身の健康維持」を前提とするが、年々深刻化する過労死から目を背け、財界や大企業の要望に沿った政策を強行することは許されない。いま本当に必要なのは、人間らしい生活を送るための「労働時間の短縮」と「賃上げ」の実現だ。
(全労連新聞598号 2026年5月15日)
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