【月刊全労連連載】It’s Union Time「労働組合は『労働力を安売りしない』団結体」(2026年4月号)
もうこれ以上の「労働力の安売りは止める」と決め労働組合をつくり、賃上げ要求し、ストライキでたたかう仲間たちがいます。
新潟県労連ユニオンささえ愛支部を紹介します。介護・障害福祉サービス事業などを運営するささえあいコミュニティ生活協同組合新潟の「不透明な経営」を正して職場を守りたいとの強い思いから一昨年(2024年2 月)、70人余りの仲間で労働組合を結成しました。新潟県労連への労働相談から生まれた労働組合です。
26国民春闘さなかの2 月12日に半日ストライキを決行しました。昨年の年末一時金要求(正規労働者1.5カ月、非正規労働者1 カ月)に対して団体交渉をしていました。しかしその回答は「支給ゼロ」で、さらに経営者は一方的に「支給しない」と職場に周知し、労働組合との交渉を無視する不誠実な姿勢を取りました。
結成からまだ2 年ほどの労働組合ですが、「支給ゼロ」は、あまりに不誠実かつ、経営者の雇用責任を放棄する姿勢だと一大決心してストライキに立ち上がったのは当然のリアクションです。「労働力の安売りはしない」との決意と団結と言えます。労働力の再生産費を経営者に雇用責任として確保させることで事業を守り、ひいては地域の利用者のいのちを守ることになります。
全労連から次の激励メッセージを送りました(誌面の都合一部省略)。
メッセージ「働く者の生活あっての事業」皆さんは間違っていない
全国労働組合総連合(全労連)を代表して、事務局長の黒澤から激励のメッセージを送ります。
全国の全労連の仲間85万人は、みなさんが「労働者の生活を守ることが、事業をまもり、利用者を守ることになる」と的確につかみ、憲法28条の団体行動権の行使である最も強いストライキに立ち上がられたことを歓迎し、応援します。
経営者がその責任を果たさず招いた経営困難のツケを労働者にしわ寄せすることほど浅はかなことはありません。職員の離職を止められないのは当然であるように、資本主義社会において、労働者なくして企業(事業)は成り立ちません。民主経営であろうがなかろうが関係のないことです。
みなさんとみなさんの家族の生活が不安なく過ごせ、健康に働き続けられることなしに、良い仕事も、良い介護も、良いケアも、事業の継続もないことに確信をもってたたかい抜いてください。みなさんは、間違っていません。賃上げで事業を守る経営計画をつくらせてください。
確かに、政府の不作為によっていま医療や介護、障害福祉サービスなどケア労働者の賃金は引き上げられていません。特に非正規労働者の生活は困窮しています。全労連は、ケア労働者を主に組織する7つの産業別労働組合などと「ケア労働者の大幅賃上げアクション」をすすめています。
その結果、政府は、昨年12月の臨時国会で賃上げのためにと「医療・介護等支援パッケージ1兆3649億円」の補正予算を計上しました。また、同時に12年ぶりのプラス改定となる診療報酬3.09%の改定、介護報酬2.03%と障害福祉サービス等報酬1.84%の改定を1 年前倒して改定することを決めています。今年6 月1 日改定です。財源がないなどという経営者の言い訳は成り立ちません。
ささえ愛支部のみなさん。経営者の考えを改めさせる最も強いインパクトは、このストライキの行動にあります。そして、「ゼロでなく1.5カ月は支給させるんだ」との強い要求に賛同する新たな労働組合の仲間が増えることです。新たな仲間が連鎖的に増えていくことほど、経営者にとって脅威はありません。すべての職場の仲間に「組合に入っていっしょに声を上げよう」といま声をかけましょう。
このたたかいでつくられる変化は、26国民春闘の確信となり、全国の仲間を励ますことになります。利用者はもとより地域住民の皆さんを味方につけてたたかいましょう。
全労連は、新潟県労連のみなさんとともに、このたたかいの勝利に向けてともにたたかう決意を表明します。がんばりましょう。
大幅賃上げつくる方程式
「労働力を安売りしない団結体が労働組合」です。労働者は、自分たちで自分たちの「労働力を安売りしない」と集団として規制しないと、個人では職を得るために経営者の労働力の買い叩きに応じざるを得なくなるからです。
ささえ愛支部の仲間の皆さんは、「労働力を一時金1.5カ月未満では経営者に売らない」と団結し合っているのです。でも、もし職場に「支給ゼロで働いても構わない」という労働者が出てくると、規制が効かなくなります。ですから、労働組合がすべきことは、職場の同僚らに「労働組合で、一緒に労働力の安売りは止めよう」と対話と学びあいを通じて、できるだけ多くの仲間と団結することができるようにすることです。
ここに、労働組合主導で大幅な賃上げをつくる方程式がある様に思います。
全労連事務局長 黒澤幸一
(月刊全労連2026年4月号掲載)
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