全労連定期大会 議長あいさつ
第33回定期大会の開催にあたり、幹事会を代表して議長の秋山よりごあいさつを申し上げます。
はじめに、お集まりいただいた代議員をはじめとする大会参加者に心から感謝を申し上げます。また、たいへんお忙しい中、激励に駆けつけていただきました来賓のみなさんに厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。
さて、前回の大会以降、2回の総選挙と参議院議員選挙という3回の国政選挙が行われてきました。みなさん前回の大会の頃はどうであったか覚えておられるでしょうか。
一昨年の7月といえば、渋沢栄一氏を肖像として描いた新1万円札の発行が始まった月です。つい先日、大リーグ通算300号を放った大谷翔平選手が、一昨年の7月に通算200号ホームランを打っています。
東京都知事選挙もありました。わたしたちも支援した蓮舫さんが敗れ、小池百合子氏が当選しましたが、石丸旋風なるものが吹き荒れた選挙でした。なお、2年前の今日、7月25日は、最低賃金の目安が示された日です。目安として50円引き上げが答申されました。
また山形・秋田で大雨による被害が出た日でもあります。
当時の首相は、岸田文雄氏でしたが、25日の朝日新聞に自民党の総裁選挙で石破茂氏が立候補の意思を固めていることが報道されていました。
大会後の10月に石破総裁に交代して総選挙が行われ、昨年7月には参議院議員選挙があり、10月には高市首相が誕生し、今年の1月に解散、2月に総選挙が行われ、自民党が単独で3分の2以上の議席を占め、今日に至っています。
全労連は、このめまぐるしく変化する情勢の中、懸命に、そして果敢にたたかい続けてきました。
たたかいを通じて、大きな前進を勝ちとってきたのは、賃金引上げです。全労連は、最低賃金を全国一律に、そして生計費調査をふまえた大幅引き上げを訴えてきました。中央の目安を大幅に上回る引上げを地方労連のみなさんの奮闘で勝ちとってきました。
この流れが、春闘での賃上げにもつながり、3年連続で大幅な引上げを実現したのではないでしょうか。
賃上げは、わたしたちの闘いがあったからこそです。そのことに確信をもち、労働組合があればこそ、要求が前進したのだということを職場で旺盛に訴えようではありませんか。
今年の最低賃金引上げのたたかいは、いよいよ佳境に入っています。政府目標の達成時期が2030年代前半へと先送りされましたが、消えたわけではありません。むしろ、物価上昇の懸念が高まっており、大幅な賃上げの必要性は高まっています。
同時に、昨年のような施行時期の先送りを許してはなりません。最後の最後まで、大幅引き上げに向け、奮闘しようではありませんか。
会期が延長された特別国会ですが、自民党と維新の会の与党による強引な国会運営が続けられました。それだけでなく、高市首相をはじめとする閣僚の答弁があまりにもひどかったのではないでしょうか。高市首相は、地元事務所秘書の陳述書を答弁に変えると述べていましたが、その陳述書がようやく出されました。しかしその内容は、疑惑を払拭するものではありません。そもそも答弁を秘書の陳述書に変えるということなど、あり得ないことだと思います。また、参議院の委員会質疑で、日本共産党の山添議員が行った質問に対し、小泉防衛大臣は「共産党さんミサイルが大好き」などと揶揄する答弁を行いました。これ以外にも、論点ずらしやはぐらかしの数々にあきれるばかりです。そして、数の力で野党の意見を封殺するような国会運営は異常というほかありません。
また、法の体をなしておらず、違憲の疑いの濃い、国旗損壊罪法や皇室典範改定を行い、副首都法案の審議強行で国会を延長させました。
与党は、秋の臨時国会で、衆議院比例定数削減法案の成立を狙っています。そもそも選挙制度や定数は、全政党が参加するもとで議論されるべきものであり、与党が数の力で変えることは、与党有利が明らかです。
先日から大きく報道されている福岡県議会の問題は、議会が本来持つチェック機能を失っているように思います。それは、まともな野党がないからだと思います。
まともな野党の議席をなくすことにつながる衆議院の比例定数削減法案は、なんとしても阻しなければなりません。
アメリカとイスラエルがイランを攻撃してからおよそ5ヶ月となりました。停戦合意と言われてからも、攻撃の応酬が続き、戦闘状態が続いています。なんといっても停戦を実現させなければなりません。日本政府には、停戦に向けた外交努力を行うよう強く求めるものです。
一方で、7月16日、海上自衛隊が機雷掃海の訓練を行い、派遣に備えていることが報道されていました。早くも戦闘終結後に備えた動きが始まっています。
ホルムズ海峡は、日本にとって原油輸入の重要なルートです。経済産業省の資源・エネルギー統計によると、今年5月の中東からの原油輸入量は、前年のおよそ半分となっています。全体でも、原油の輸入量は昨年の6割程度となっています。
アメリカとイランの戦争が続いていることから、中東の原油輸入が増える見通しはありません。東京商工リサーチの統計によると、円安に加え、ナフサなどの供給不足で価格が上昇し、物価高が広がったことから、2026年上半期の倒産は「物価高」倒産が最多を占めました。今後も物価高倒産が増えると見込まれています。
いま政治がやるべきことは、国民のくらしを守る経済対策です。
物価高の進行に加え、資材不足が進めば、経営の悪化となり、賃上げなどに悪影響をもたらしかねません。
この秋から、来春闘に向けたたかいが始まります。
すべての組合員から、アンケートで要求を集約し、その実現に向け、準備を進めようではありませんか。
全労連はこの間、組織拡大を最重点にとりくみを進めてきました。
職場から労働組合がなくなれば、その職場に新たな労働組合をつくることは大変な困難を伴います。何よりも職場から労働組合をなくさないよう、次世代につないでいかなければなりません。
そのためにも、職場に労働組合が存在していることを明確に示し、一緒にとりくむ仲間を増やさなければなりません。これからの2年間、組織拡大は正念場です。
職場から組合をなくさないためにも、最大限の奮闘をしようではありませんか。
最後に、展望を述べておかなければなりません。
「点棒は握ったら離さない」というのは、麻雀の鉄則ですが、労働組合運動では、組合員にとりくみの「展望」を語らなければなりません。
全労連は、1989年に発足し、政府や財界から徹底的に無視されてきました。
しかし、粘り強くたたかいを続ける中で、ILO総会へのオブ参加、中央労働委員会の労働者委員の座を勝ちとってきました。これらを通じ、社会的認知度も高まり、全労連の名前がマスコミでも普通に取り上げられるようになりました。また、公務員の労働基本権に関して、政府と定期協議の場も設けられるようになりました。
労働者のために奮闘しているからこそ、その地位は向上し続けていると思います。
したがって、みなさんの力で組織拡大は実現され、全労連の要求も前進することは間違いありません。
ご参加のみなさん。誰もが安心して働き続けることができる社会をめざし、いっそう奮闘しようではありませんか。そのことを呼びかけ、冒頭のごあいさつといたします。
ともにがんばりましょう。
以上
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