【あいさつ】 厚生労働省 政策統括官要請
厚生労働省 政策統括官要請
日時:2026年3月9日 11:00~
場所:厚生労働省

全労連議長の秋山です。本日は、お忙しい中、この場を設定していただき、ありがとうございます。
また、労働者・国民の権利擁護など、厚生労働行政の推進にご奮闘いただいている厚生労働省職員のみなさんに、心より敬意を表します。
2月に総選挙が行われ、国会も2月18日に招集され、ようやく次年度予算案の審議が始まったばかりです。そのため、厚生労働大臣の厚生労働委員会での所信も表明されていません。
こうした中ですが、いままさに大幅賃上げに向けた春闘がたたかわれています。全労連は、生活改善できる賃上げを求め、実質賃金がプラスとなるよう月額で33,000円(10%)以上、時間給で250円以上の引き上げを求めています。
この数年、人手不足から初任給をはじめとする若年層の賃金改善が進みましたが、中高年層の賃金改善は進んでいません。1月に公表された賃金構造統計調査でも、44歳までの対前年増減率が3%を超えているにもかかわらず、45~59歳までは1~2%程度の増減率となっています。物価上昇を考えれば、中高年層の賃金引上げは切実です。住宅ローンの金利引き上げも家計に大きな負担となっています。
厚生労働省として、中高年層の不安定就労者に対する支援として、特定求職者雇用開発助成金に中高年層安定雇用支援コースが新たに設けられていますが、積極的な活用が図られるよう求めたいと思います。
さらに一歩進め、有期雇用から無期転換された労働者の労働条件が、従前の無期雇用労働者と同一にされるよう支援をしていただくよう求めます。
なお、税と社会保険料の問題が政治課題となっていますが、応能負担原則の徹底を図ることが基本だと考えます。その上で、「ゆりかごから墓場まで」を担当する厚生労働省として、十分な予算を確保するよう求めます。
さて、要請の趣旨説明については、このあと事務局長から申し上げ、重点事項について意見交換をさせていただきますが、私より要請事項に関わって簡潔に3点申し上げたいと思います。
第1に、労働組合の地位向上に向けた政策の拡充を求めます。
中央省庁再編により、労働省の中心部局であった労政局が廃止され、地方自治体でも労働に関する行政体制が縮小されてきました。
そのこともあり、労働組合の社会的地位が低下してきたと考えています。しかし、われわれも手をこまねいているわけではありません。全国各地で組織率の向上に向けて努力をしています。しかし、企業別労働組合が中心のため、従業員代表制度との違いが際立たず、労働協約の適用も企業内にとどまっています。
欧州と違って協約の拡張適用などが進まず、労働者の権利保護も社会に浸透しないのが現実です。
こうした現状を打破し、労働者の権利擁護を前進させるためには、行政の役割発揮が必要と考えます。労働組合が職場で果たしている役割や労働法の重要性などについて、労働行政から教育行政に対し、教育の一環として積極的に取り入れるよう働きかけていただくことを求めます。また、労働行政としても社会に発信をしていただくよう求めます。
第2に、審議会の労働者委員の選定についてです。
昨年も申し上げましたが、審議会の委員については、できる限り多様な立場の代表を選定することが必要です。特定の団体だけで委員を選定すべきではありません。こうした偏向任命は、「公平・公正・迅速」がモットーの厚生労働行政にふさわしくないと考えます。
今年1月、政府・内閣人事局と全労連で公務における自律的労使関係に関する協議を行いました。その場で、今後も継続することを確認しています。毎年申し上げてきたことですが、厚生労働行政として、少なくとも、労働政策審議会本体と中央最低賃金審議会の委員について全労連から選定するよう強く求めます。
また、少なくともILOへの参加資格と同じく、国際課が行うILO懇談会にオブザーバーとして参加できるように求めます。
第3に、ILO条約の批准についてです。
中核10条約のうち111号条約だけ批准できていません。速やかに批准できるよう国内法の整備を求めます。
また、今年の総会で議論が予定されている「プラットフォームにおける労働条約(Decent work in the platform economy)」について、日本政府として採択に向け、積極的な立場でのぞむとともに、採択されれば速やかに批准するよう求めます。
最後に、引き続き「公平・公正・迅速」な厚生労働行政を運営していただくようお願いを申し上げます。また、この数年、地方労働局も増員がされるようになっていますが、まだまだ十分ではありません。引き続き、労働行政体制の拡充に向け、努力されるよう求めます。
なお、今後ともこうした場を設けていただくこととあわせ、個別課題については、担当間での情報交換などを随時行わせていただくことを確認させていただき、冒頭のごあいさつとさせていただきます。
本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

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