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【月刊全労連連載】いっちょかみが行く「全国を駆けた寒冷地手当改悪反対闘争」(2026年3月号)

2026/02/14
月刊全労連

今回は、労働条件の改善にむけた闘争ではなく、改悪を止めるたたかいについて、わたしの記憶に強く残っている大闘争の経験について触れます。その闘争とは、寒冷地手当改悪反対闘争です。

寒冷地手当の見直し提案

わたしが関わった寒冷地手当改悪闘争について、当時の国公労新聞は次のように報道しています。2002年6 月、政府が決定した「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」(いわゆる骨太方針)は、「(公務員給与について)地域毎の実態をふまえて給与制度の仕組みを早急に見直す」必要性を強調しました。これは、地域の賃金水準に、そこの公務員賃金を準拠させろ、というものです。
この決定をうけ、同年7 月には、内閣官房長官が人事院に「(給与制度の)改革案策定」を「要望」しました。9 月になって人事院は、「地域における公務員の給与に関する研究会」を設置し、同研究会は2003年7 月、「基本報告」をとりまとめています。
そして、人事院は昨年(2003年) 8 月の勧告で、( 1 )地域の公務員給与は地域の民間給与の実情を十分に反映していないこと、( 2 )公務員給与の制度、運用が年功的になっていること、の「二つの問題意識」から、( 1 )給与決定における年功要素の縮小(昇給、昇格制度の「見直し」など)、( 2 )職務、職責の的確な反映(俸給表構造「見直し」など)、( 3 )勤務実績・業績を重視した給与制度(勤勉手当「見直し」など)、( 4 )民間給与の地域差に対応した地域手当「見直し」の4 点が、「改革の基本的なメニュー」であることを明らかにしました。こうして「改革」の第1 弾として、寒冷地手当「見直し」改悪が提案されたのです。

反対のたたかいを構築

国公労連は、職場と地域に依拠して労働条件改悪に反対し改善を求めるたたかいを進めてきました。例えば、96年の寒冷地手当「見直し」では、改悪反対の「意見書採択」等を827地方議会で獲得し、当初支給額の半減をねらった人事院の思惑を「2 割削減」まで押し返しました。調整手当(現地域手当)支給地域「見直し」反対のたたかいでは、県国公が音頭をとった連名の「上申書」闘争などが、要求前進の手がかりとなりました。中央、地方での包囲行動やねばり強い交渉で、かたくなな人事院の姿勢を変えさせたこともあります。
これらもあり、寒冷地手当改悪反対のとりくみでは、2004年2 月25日に北海道・札幌で開催される「決起集会」を皮切りに、各地域で意思統一を行い、署名や地方議会要請行動、各省当局交渉、人事院追及などを一気に展開することとなりました。寒冷地手当支給地域はもとより、給与制度「改革」反対の緒戦のたたかいと位置づけた全国的な運動を春闘期から勧告期にかけて展開したのです。

全国との共闘に奔走

当時のわたしは、国公近畿ブロックの専従事務局長だったので、寒冷地手当反対の決起集会を準備しました。当時は、近畿の中にも寒冷地手当の支給地域があったのです。同時に、幹事会での了解を取り付け、各地で行われる決起集会にエールを送るため、近畿ブロックを代表して現地の集会に参加することとしました。
集会は、次のとおり予定されていました。2004年2 月25日北海道集会(札幌)、2 月26日東北集会(仙台)、3 月3 日北陸・上信越集会(新潟)、3 月6 日近畿集会(京都)、3 月11日北陸・東海集会(金沢)です。わたしは、このすべての集会に参加しました。大阪から札幌、札幌から仙台、仙台から大阪と飛行機を利用しました。新潟へは、飛行機で行って、帰りは夜行の急行電車。京都の集会はJRの快速電車。金沢は大阪から特急電車でした。
旅好きのわたしとしては、移動も楽しみの一つでしたが、仙台の集会では、幟旗を立てる「楽々ポール」が強風で折れるなど、たいへんな目にも遭いました。しかし、全国の仲間と団結し、楽しく交流することができたのは、楽しい思い出です。それぞれの地で、美味しいものもいただき、がんばることができました。こうしたとりくみで、全国にたたかいの輪を大きく広げることができたと思います。このように全国各地のたたかいに「いっちょかんで」きたことは、物好きのわたしならではです。

たたかいは続く

さて人事院は、民間における寒冷地手当の支給事業所割合について、北海道は約81%だが、その他の府県では過半数以下となっているとして、北海道以外はすべて支給対象外とすると2004年春に提案してきました。これに対して、各地の寒冷地手当改悪反対の集会や地方議会における請願採択などのたたかいを展開し、人事院に再考を迫りました。
その結果、( 1 )平均気温0 度(氷点)以下かつ最深積雪15センチ以上の市町村、( 2 )平均最深積雪80センチ以上の市町村を支給対象地域と再提案を行ったのです。
こうして「譲歩」は引き出しましたが「民間準拠」を基本に市町村の4 割強、職員の約半数を対象から除外し、支給額について約4 割引き下げる改悪は2004年度から強行されたのです。
また支給方法については、10月31日の一括支給から11月から翌年3 月までの月額制に変更とし、豪雪に係る寒冷地手当は廃止されました。
これ以降も寒冷地手当の改悪が続いています。まだまだたたかいは続きます。寒冷地における生活費増ぞう嵩こうに対し、寒冷地手当の拡充を求め、職場と地域が一体となったたたかいが求められています。

全労連議長 秋山正臣

(月刊全労連2026年3月号掲載)

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