全国労働組合総連合(全労連)

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NPT・ニューヨーク行動激励会に26人が参加

2026/04/20

米国・ニューヨークで開催されるNPT(核不拡散条約)再検討会議に参加する全労連青年部のメンバーと学び、決意を語る激励会が4月18日開催され、会場で11人、オンラインで15人が参加しました。

NPT再検討会議と現在の焦点

日本原水協の嶋田侑飛さんを講師に核兵器をめぐる世界情勢を学習しました。

市民社会がリードしてきた核軍縮

NPT(核不拡散)条約は、国連加盟国193カ国中、191ヵ国(パレスチナ、バチカンのオブザーバー国家を含む)が加盟しており、非加盟はインド、パキスタン、イスラエル、南スーダン、北朝鮮(脱退)の5カ国です。最大で7万発あった核兵器は、現在1万5000発まで減少しています。
2000年には、核兵器国(核兵器を保有する5カ国:米国、 ロシア、英国、フランス、中国)が「自国核軍備の完全廃絶」に合意しました。しかし、イラク戦争や北朝鮮の核保有などからこの流れが弱まりますが、2005年には核兵器を持たない国が持つ国に対し、人道的アプローチの対等「核兵器の非人道性に焦点」という流れ生まれました。2017年の核兵器禁止条約制定の原点となる動きです。そしてこの動きには、市民社会が度重なる署名提出活動の中で、核軍縮に貢献してきました。

NPT条約を構成する3本柱――核不拡散、核軍縮、原子力の平和利用

NPT条約は、核軍拡競争が広がる1970年に発効されました。
核不拡散、核軍縮、原子力の平和利用の3本柱で構成されている。再検討会議は5年に一回、①条約の義務や過去の合意の実施状況の確認、②今後の取り組みについて合意をつくることを目的にして開催され、条約国の全会一致を前提とします。しかし、直近の2回連続合意文章が採択できていません。3回連続不採択となれば、NPT体制が崩壊しかねない危機的な事態です。
合意文書は、核保有国などに譲歩して中身が薄まることなく、これまでの合意を確認できるものでなくてはいけません。そのために市民社会として声を上げに行くのが今回のNPT再検討会議代表団の訪米目的です。。

代表団には全労連の組合員も含め94人が参加します。全世界で最大の参加規模となり、被爆国の市民運動が果たす役割は重要です。NPT再検討会議は、4月27日から約1カ月開催されます。今年は、秋に国連総会の軍縮審議が行われ、11月には核兵器禁止禁条約締約国会議も開かれます。代表団はこの機会をとらえて、核兵器の廃絶と平和のための国際連帯を広げます。さらに国内的には高市政権の暴走を止め、東アジアの非核化を目指します。

核保有国が戦争をする中での再検討会議

今回のNPT再検討条約をめぐる状況を以下のようにまとめました。

1.NPT締約国同士が戦争状態
2月28日に始まった米国とイスラエルによるイラン攻撃や2023年から続くロシアによるウクライナ攻撃など、NPTの締約国同士が戦争状態にあります。核保有国が非核保有国に攻撃するのは、NPT条約の精神に反するものです。
2.NPT条約第6条の義務やこれまでの合意を無視した、核兵器国の核兵器の近代化・使用体制の強化
第6条は「核軍備競争の早期停止、核軍縮、および厳重な国際管理下での全面軍縮に関する『誠実な交渉義務』」を定めていますが、米国は現在、日本韓国などの同盟国に対し核抑止の強化を進めています。

3.非核兵器国の拡大抑止や各共有政策による不拡散の問題
非核兵器国も抑止力を提供されることで核兵器を拡散している。日本国内で進められている非核三原則の見直しも条約に反する行為です。

4.NPT第4条に明記された原子力の平和利用に関する問題
ウクライナ、イランで原発が攻撃対象になっていることは、平和利用が保障されていないことを証明しているといえます。

5.核兵器禁止条約の参加国は99カ国
世界の圧倒的多数の国が核兵器の禁止を求めているなかで、核兵器国が力による横暴を繰り返しています。

米軍横須賀基地所属のイージス艦がイランに派兵され、トマホークミサイルを発射。女子学校が攻撃対象となり、児童170人が殺害された。このことからも日本を守るための米軍基地でないこと明らかに。
その後イランはカタール、バーレーン、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)など湾岸地域に駐留する米軍基地にミサイルを発射したと明らかにした。米軍基地が反撃行為対象になることが鮮明になった。

さらに国内的には、以下のような問題があると指摘しました。

1.日本政府はNPT重視、法の支配重要と言いながら、今回の米国とイスラエルによるイラン攻撃を一言も批判していない。
2.日本政府の非核三原則見直し、拡大核抑止の強化などの核抑止力の強化・固執はNPT体制を弱体化させるもの 
3.唯一の戦争被爆国である日本が核兵器禁止条約に参加していないどころか反対している

日本が核兵器禁止条約にさんかしないことに、条約参加国から疑問の声が上がっています。
条約に参加していくことが核軍縮に勢いある流れをもたらすことにつながるのであり、不参加を続けることは誤ったメッセージを送り続けることになってしまいます。

嶋田さんは、米国・トランプ大統領の「力による支配」に迎合する高市首相の態度は、国際社会の信頼を失うことだと訴え、労働者や市民の力で核兵器廃絶を実現しようと訴えました。

参加者決意表明

国公労連・全国青年部書記次長 太田健太さん

故郷長崎へのおもいや労働組合が平和を守る意義を語る太田健太さん

長崎市出身、勤務地は広島市だったことから、NPT再検討会議に参加することに不思議な巡り合わせを感じる。
被爆3世。小学校教員だった祖父は、被爆体験の語り部として話していた。長崎では、幼い頃から被爆体験を聞く機会が多くあったが、最近は減ってきている。語り続けること大事だと感じる。

組合員からは、労働組合が平和活動に取り組む必要あるのかという意見がある。しかし、国家公務員は有事になれば戦争に加担させられるリスクがある。出身である総務省(全通信)が管轄する通信ほど、戦争に利用されるところはない。事実、戦時中は事実とかけ離れた大本営発表を担わされた。そういう過去を経験した先輩たちが戦争反対の旗を振ってきた。
国公労連のスローガンである「戦争の奉仕者にならない」をこれからも掲げ続けたい。

建交労全国青年部・長崎県本部執行委員 内田知也さん

「原子爆弾によって被ばくしたにも関わらず、日本政府によって被爆者と認定されなかった」と語る内田知也さん

長崎市生まれ長崎市在住、自身も被爆3世。
長崎市在住父方の祖母が、爆心地10キロ以内で原子爆弾によって被ばく。広島では、10キロ圏内で被ばくした人は皆「被爆者手帳※」を支給された。しかし長崎の場合、日本政府が線引きした「被爆地域」の外にいた人は、被爆者とは認定されなかった。伊王島出身の祖母も「被爆体験者」だ。

祖母は甲状腺機能の低下など、さまざまな病気があった「被爆者」にも関わらず、被爆者手帳が交付されなかったという矛盾をNPT再検討会議の国際交流の中でも訴えたい。

被爆者の平均年齢は86歳となり、被爆体験を聞くことも減っている。高校生平和大使などの取り組みもあるが、長崎県内の20~30代が平和や被ばくの実相を発信することは少ない。
長崎県内の大学の卒業生の7割以上が県外に就職していることからも、最低賃金の低さなど生活の困難さがあると思う。県内に残ることを選んだ若者たちは生活の安定を優先した結果、平和への関心が薄れて言っているのではないかと思う。被爆体験を語り継ぎ、平和を守るのが当たり前と思っていた自分は少数派だとも感じている。

友人には「一人では変わらない」と言われるが、一つ一つの行動が変化につながると信じて、NPT代表団として頑張りたい。

※原爆の被害を受けたことを証明し、厚生労働省被爆者援護法に基づき健康診断や医療費の助成を受けるための手帳

建交労広島県本部 武田善成さん

NPT再検討会議参加への決意を語る武田さん

2020年のNPT再検討会議に参加予定だったが、コロナで延期、今回こそと参加することを決めた。その間、核兵器はいぜつ署名や日本政府に核兵器禁止条約への署名・批准を求める署名に取り組んできた。そういう思いもNPTで届けたい。

世界の情勢は危険な中にあり、日本においても軍事費の増額や社会保障の切り捨てなど市民生活置き去りにされている。変化を起こしているアメリカの市民社会から学びたい。

核兵器のない平和な世界に向けた行動提起

同じくNPT再検討会議に参加する全労連青年部の稲葉美奈子書記長が6つの行動提起を行った。

最後に全労連青年部長の橋本千萌さんが激励の言葉を送りました。

日本国憲法9条成立の背景に核使用の脅威があったと語り、恒久平和を掲げる憲法9条を拡げてほしいと語りました。また憲法28条で団結権を保障された私たち労働組合が、憲法を守る主体になろうと呼び掛けました。

NPT代表団は、5月1日にニューヨーク市で開催されルメーデーにも参加する予定です。アメリカの労働組合や市民団体などの協同団体とも連帯を広げます。米国の市民社会と共に、この秋の中間選挙でトランプ大統領の退陣を求めることが日本の政治にも大きな影響与えると、代表団に期待と激励のエールを送りました。

そのご参加者はJR御茶ノ水駅前で、日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名を集めました。詳細はこちらから

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