6月18日国民春闘共闘単産地方代表者会議 25国民春闘 賃上げの流れ維持
国民春闘共闘委員会は、6月18日、第2回単産・地域代表者会議を開催し、25国民春闘の中間総括を行った。11単産・17地方共闘から90人が参加した。JMITU・CSPユニオン支部、全教、回転寿司ユニオンから特別報告を受けてのディスカッションを行った。その後、25国民春闘の到達を確認し、最低賃金引き上げ、人勧闘争など夏季闘争に全力を上げることを確認した。

要求を「よく聞き」ともに行動で前進
主催者を代表して、代表幹事の秋山正臣全労連議長が「3年以上の間、物価が上昇しているなか、消費税減税と大企業の内部留保、富裕層への課税強化、中小企業への支援が必要だ。参院選で政治を転換し、医療や介護、教育、運輸など社会の維持に不可欠な第三次産業の賃上げで人手不足を解消させよう」とあいさつ。
黒澤幸一事務局長(全労連事務局長)が25国民春闘の中間総括案を提案した。25国民春闘は、255組合が5桁の賃上げ回答を引き出すなど、昨年に引き続き高い回答水準を勝ち取った。その一方で、医療・介護、障害・福祉などのケア労働者の低額回答が続いている。
ストライキ実施組合も昨年を大きく上回り、政府・財界都合ではなく、労働者・当事者の強い要求と行動、対資本の力関係を変えることの大切さを再確認する春闘になった。
また、私たちの運動が政府に「2020年代に最低賃金を加重平均1500円に引き上げる」ことを決心させた。春闘後半戦としてたたかわれる夏季闘争では、公務賃金、最低賃金の大幅引き上げをめざして引き続き奮闘が求められる。
討論では11組織がたたかいと教訓を報告した。JMITUの仲間は春闘をたたかうなかで未加入の労働者を仲間に迎え、去年を上回る賃上げを実現した経験。日本医労連からは厳しい回答が続くなか、ストライキを構え、地域に結集して粘り強くたたかうことで賃上げを勝ち取った経験が生まれたと報告。生協労連は「ストライキをやったことに意味がある。強い意志を示せた」という京都生協労組の若手の言葉を紹介し、たたかいのなかで信頼が広がったことが報告された。福祉保育労からは春闘で経営状況の分析をしながら使用者を追求したところ、大きな賃上げを実現できたと報告された。全農協労連は春闘の期間中に3つの労働組合を結成した経験を報告。労働者の不満や願いを聞いたことによって組合への信頼が増していると発言があった。
特別報告とディスカッション
ストライキできる組合へ仲間の不満聞くことから
パネルディスカッション形式で学びを深めた学習会は、JMITU・CSPユニオン支部の堀一洋委員長、全教の金井裕子書記長、首都圏青年ユニオン・回転寿司ユニオンの吉田帆駆斗書記長から「25春闘をどのようにたたかい、何を得たのか」をテーマに特別報告を行った。
堀委員長は25春闘でのストライキの経験について報告。警備会社CSPの賃金・処遇は業界3位にも関わらず最低水準。25春闘では、賃上げと夏季一時金の交渉でゼロ回答を受け、3月と5月にストライキを決行した。実は、2016年の組合結成時から、たたかえる組合にしたいと考えていた。仲間の不満をとにかく聞くことから始めた。SNSでライブ配信したストライキの動画には、「組合を支持している」「労働組合ってやっぱり必要だよね」と好意的なコメントが多く寄せられた。やっぱりたたかっている姿を見せてこその労働組合だと感じたと語った。
行動に参加したいからと組合加入の声
金井書記長は、公務員のスト権が不当に剥奪されているなかで取り組んだ「全国一斉定時アクション」の経験を報告。全教は教員の長時間過密労働を実態調査で明らかにしてきた。しかし、中央教育審議会が長時間労働には目をそらし、教員の処遇改善に問題をわい小化しようとしていることに怒りを感じて、一斉定時アクションを提起した。一人分会からは、アクションに対してさまざまな議論があった。実現に向けた知恵出しや地方組織同士の交流を促進しながら取り組んできた。一斉定時アクションを通じて、「私も行動に参加したいから組合に入る」「やってみたら楽しかった」と非組合員からも反応が聞こえるたたかいになったと語った。
労働者との対話に3時間 相手の話を聞き出して
吉田書記長は、他の回転寿司チェーンに比べても低賃金のスシローで春闘のストライキをたたかった経過を報告。宮崎の店舗では、去年12月に組合を作りたいという相談から組合を結成。その時から、春闘でのストライキの決行やその規模、実現に向けた準備について組合員や労働者と対話を重ねた。対話を成功させるポイントは、こちらが言いたいことを伝えるのでなく、相手の話をよく「聞き」思いを引き出すことが重要だと強調した。先日もある店舗で対話をしたが、閉店後の深夜12時から、気づいたら朝3時近くになっていたという。「現場にはそれだけ話したいことが溜まっていると感じた」と語った。
たたかいの報告をした三氏とも、ストライキも行動もやってみると楽しい、ワクワクできるものになった。そのなかで労働者は自ら声をあげると強調した。
(全労連新聞588号 2025年7月15日発行)
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