全国労働組合総連合(全労連)

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全労連新聞

地震・豪雨 全国各地で災害相次ぐ

2026/10/03
全労連新聞
被災地支援
原発・気候危機

過去の教訓が生かされているか

10年前の熊本地震では、地震による直接死を災害関連死が大きく上回った。その教訓は、いま生かされているのか。熊本震災から約1カ月。被災者の劣悪な避難生活が明らかになっている。全国各地で豪雨被害も相次ぎ、石川県羽咋市では、能登半島地震からの復興途上で再び被災した。被災者生活再建支援制度の抜本的拡充など、いのちと暮らし、住まいの再建を支える国の役割が問われている。

被災者の苦しみはどの災害でも同じ

【熊本】被災者が政府要請 -被害関連死を防げ-

“徐々に”ではなく、早急に、一気に改善を

本の震災発生から約1カ月が経過した9月1日、「被災地熊本のいのちとくらし・平和を守る熊本ネットワーク」(楳本光男代表・県労連議長)は、内閣府防災担当大臣と関係省庁に復旧・復興を求め政府交渉を行った。全労連から全国災対連の香月直之事務局長らが同席した。

発災直後から菓子パンやカップ麺、おにぎりなどが中心で、野菜や温かく栄養のある食事を取ることができずに健康への不安が続いている。「災害関連死を生まないためには、“徐々に”ではなく、早急に、一気に改善してほしい」と強く迫った。

自治体職員自身も被災するなか、支援を担う人的体制が十分に確保できず、段ボールベッドやパーテーションの支給などに遅れが生じているとして、10年前の熊本地震の教訓が十分に生かされていないことも指摘。「TKB48」の迅速な実現には、政府による直接支援が必要だと訴えた。

300万円では全壊住宅再建できない

要請に参加した熊本県建築労働組合の石山誠書記次長は、住宅再建支援金について「300万円では家は建たない」と、再建できる額への引き上げの必要性を訴えた。建築資材の高騰と不足で、屋根や瓦など必要な修繕さえ進まない。井戸水を使う地域では断水も続いているという。

要請団は「被災者の苦しみは、どの災害でも一人ひとり同じ」と訴え、災害の規模などで支援に格差を生じさせず、過去の教訓を生かし、国が責任を持っていのちと暮らし、生活再建を支える恒久的な制度を求めた。

熊本南病院の再建求めて全医労が奮闘

震災で甚大な被害を受けた国立病院機構熊本南病院では、病棟部分が倒壊のおそれがあるため、入院患者を他病院に搬送し、多くの職員も他の医療機関などに派遣されている。こうしたなか、国立病院機構本部は職員説明会で、12月1日での診療休止手続きを行うと説明。さらに、転勤か退職かの二択での意向調査を行い、わずか4週間で対応を決めろと迫っている。

復興にむけた地元の住民の努力や職員の生活再建にも目を背けた機構本部の対応に対して、全医労熊本南支部と熊本地区協、九州地方協、全医労本部が協力して組合員説明会を急遽開催。熊本南病院の再開を追及しながら、組合員の現状に寄り添った解決をめざしてたたかいが始まっている。

震災で大きな被害を受けた熊本南病院。存続を求め住民署名が始まった。(8月9日、宇城市内)※写真は安全区域から撮ったもの

【千葉】全国初のレベル5特別警報 災害から住民を守る政治を

7市で13人が犠牲に

千葉県では8月13日の夕方から線状降水帯が発生し、14日にかけて24時間の降水量が360ミリを超え観測史上1位を更新する豪雨が襲った。「いのちの危険があり、直ちに安全確保が必要」とされるレベル5土砂災害特別警報が、県内54ある市町村のうち6市に対して発令。5月に気象庁が新たに運用を開始して以降、全国で初めて出された。また、レベル5大雨特別警報は、東京都に近い県北西部を中心に22市町へ発令。道路の冠水やアンダーパスの浸水により車内に閉じ込められるなど、7市で13人の死者を出す災害となった。

迅速な災害対策できたが職員には大きな負担も

自治労連千葉県本部の片山敦史執行委員長は、当日の様子について「県では帰宅困難者に対して県庁のホールなどをいち早く開放し、災害担当や帰宅できない職員らが対応にあたった」「県では2018年の台風災害以降、災害対応マニュアルを改定しており、市町村のからの報告を待たずに現地にいる県職員から直接被害状況を確認し、迅速に職員を被災現場に派遣することができた」と語った。一方で、「市町村によっては、職員の人員不足により災害ゴミの受け入れなどで大きな負担が生じている」とも話した。

JR千葉駅では翌朝も多くの帰宅困難者であふれた(8月14日・千葉市内)

【石川】復興途上に再び豪雨 羽咋で598棟浸水 問われる「公共の再生」

各地で豪雨災害が相次いでいる。能登半島地震からの復旧・復興途上にある石川県羽咋市を、記録的な豪雨が襲った。8月27日、市内を流れる河川が決壊し、住宅地に泥水が流れ込んだ。床上下浸水598棟、負傷者7名、冠水によって収穫直前の農作物に大きな被害を受けた。現地に入った石川県労連の長曽輝夫副議長によると「能登半島地震ではボランティア体制の弱さが復旧の遅れにつながりましたが、今回は翌日からボランティアセンターが稼働し、各地でボランティアが活躍している姿がありました。しかし、2年前の能登半島地震、直後の豪雨被害に続く災害で復興をめざす県民に大きな衝撃を与えている」と語った。

公務員削減、公共サービスの市場化、自治体の広域合併などの政策が、災害時の対応の遅れ、復興の困難、住民のいのちの軽視につながっている。住民の安全・安心を支える「公共」を再生させることが急がれる。

(全労連新聞602号 2026年9月15日号)

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