韓国民主労総女性活動家大会に全労連女性部が参加
韓国民主労総女性委員会が主催する「女性活動家大会」が韓国・天安(チョンアン)市で2日間にわたって開催され、165人が参加しました。この大会に全労連女性部が招待され、髙木りつ部長、寺園通江事務局長、小澤晴美副部長、全労連の大久保なつみ常任幹事が参加し、温かい歓迎を受けました。
女性活動家大会は2017年からコロナ禍のオンライン開催を経て毎年開催されています。女性組合員間のネットワークおよび連帯の場の形成、民主労総内におけるジェンダー平等議題の共有とトレーニングを通じた女性活動家の領域・能力強化、労働組合内におけるフェミニスト女性活動家の養成を目的としています。
全労連女性部は、2021年に全労連女性部結成30周年韓国ツアー(コロナ禍のためオンラインで開催)や、昨年の第70回はたらく女性の中央集会in愛知に韓国民主労総女性委員会から6人が参加するなど、交流を続けてきました。


歓迎のあいさつを述べたヤン・ギョンス民主労総委員長は、「男性が多く参加する活動が多いが、この集会は女性の貴重な場。気候危機も、AIの台頭も女性や弱者を苦しめる。弱者への配慮、差別をなくすことが重要。政府は、同一労働同一賃を政策に掲げているが、いかに速やかに反映されるかは、私たちの努力次第だ。非正規や性別による差別を頭に入れて活動することが大切だ」と述べました。
現地、天安を代表して歓迎の言葉を述べた保健医療労組のチョン・ミギョン支部長は「病院では多くの女性が働いているが、その声は反映されていない。ハラスメントは医者と看護師、患者との関係でも存在する。一つ変えるたびに、まだ変えることがあると感じる」と語りました。
また、「天安出身の3.1独立運動のリーダーであるユ・ガンスン(柳寛順)のように闘争できるよう、女性たちの団結を固め、仲良くなれる時間にしよう」とあいさつしました。
現場で起きている多様な女性たちの闘争日記(7分スピーチ)
さまざまな職場でたたかう女性たちの活動が話されました。
①キム・ジギョン(言論労働組合 ジェンダー平等委員長)※韓国の主要な新聞社やテレビ局などで組織
記者としてハラスメントにどう対抗するのかも重要で、ジェンダー平等ガイドラインを作成防衛方法を共有している。キムさん自身、ジェンダー平等委員長になってから「取材対象が被害者になってしまうのではないか」と心配する記者からの相談を受ける機会も増えた。
ハラスメントへの対応として、「私がそう感じるのは敏感だからではない」嫌な気持ちになる理由を話す会を行い、嫌な気持ちの正体を明らかにしている(女性が離婚すると既婚男性からの態度が変わるなど)。それら事例をマンガにしてインスタグラムで公開している。
②キム・ジヨン(全教組副委員長)
2022年に改訂された教育課程が、ヘイトや差別主義者の声が反映され、教育の現場に影響が出ていることに対抗している。今年の統一地方選では、保守政党の「マイノリティOUT」宣伝に、横断幕を掲げて対抗。外国にルーツがある子どもたちの権利を守る活動にも取り組む。
全教組は、「ジェンダー平等特別委員会」や「女性委員会」に加えて、26年2月に全国代議員大会、韓国の労働組合初となる性的マイノリティ委員会を設置した唯一の産別。性的マイノリティ学習セット(パンフレット)を作成し、教師や親などに対し、マイノリティ教育がなぜ必要なのかを説明している。
③キム・ウンジュ(金属労組 現代自動車支部女性文化室長)
職場である現代自動車労組は、女性の組合役員への登用は21人のうち6人。女性の声を反映するのは難しいため、「割り当て制」を適用しているが、割り当ては男性への逆差別だともいわれた。現在は各支部から女性を1人配置しようと改定案を出している。
女性は能力不足なのではなく、役員登用に対する門戸が開かなかった。これからは男性中心ではなく女性もともに活動できる組織をつくる。過去20年近く、女性役員はいたが、「女性割り当て制」で女性の発言権は強まっただろうか?制度をつくるだけでなく、権限と責任を両立できるようにするべきだ。変化は、組織全体にとって役に立つものだ。
④全労連女性部
男女賃金格差解消に向けた全労連のとりくみを発表しました。
グループ活動 ジェンダー視点で自分の労働を分析する
1)学習 「同一労働同一賃金のための成人的評価委員会」
ILO第100号条約(「同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約」/ CEDAW勧告一般勧告第13号:1989年の第8回会期で採択された「同一価値労働に対する同一報酬」に関する勧告を学習しました。
労働の価値を正確に評価することが大切だと語り、労働の価値が男性中心につくられているため、女性が多く働く職場では低評価になっていることに気づくことが必要だと強調されました。
2)ワーク(1グループ8~10人に分かれて作業)
①女性でいて好きなところ ②いやなところ ③男性だったら何がしたいか 自己紹介を兼ねてそれぞれ発表
②労働を振り返る作業(付箋に自分の1日の労働の流れと職務内容を付箋に書き出し、模造紙に貼り、それぞれ発表し、翌日9月17日(木)午前に前日出した2②を更に深める作業を行う。
3)前日に出した1日の仕事の中から1つを選び(選ぶ基準は女性がより多く働いていること)、各職務内容を「技術(専門知識)」「努力」「責任」「作業条件」の4つに分類し、さらにそれぞれの職務にかかる比重を書き出しましたた。これは目に見えない努力も可視化するための作業で、自己研鑽や看護師であれば感染予防等も含まれます。
自身の労働を評価した参加者からは、「自分の仕事なのに、水道メーターの検針作業が専門性が必要なのだと初めて知った」「女性は男性より努力が足りないという目線を向けられることがあるが、私の仕事には様々なことがある」「だれでもできる仕事と見られると心が痛い。その価値と専門性を認めて欲しい」などの感想が語られました。
韓国民主労総の仲間たちと女性の労働を見直す機会になり、全労連でもぜひ取り組みたいワークでした。

ジェンダー平等〇✖クイズ
休憩時間には、「ジェンダー平等〇✖クイズ」が出題され、参加者は〇とⅩを移動しながら、全問正解をめざしました。 日本のILO190号条約や選択的夫婦別姓をめぐる課題も出題され、互いにヒントを出し合って交流しました。



作家チョンボラさんのお話
民主労総の組合員でもあり、7月に『とにかく、デモ!』の日本語翻訳が出版された作家のチョン・ボラさんが講演しました。
チョンボラさんのお話
作家は歴史を紐解いてみても儲けの少ない職業で、文章を書くことが許されたのは、特権階級にある男性であり、描かれる対象も王や武士など記録に残される存在であったことが特徴的。一方で「口伝」は、お金の掛からない行為であり、民話や寓話は作者不明の大部分のものは女性がつくったのではないか。
韓国のSF作家は、女性が多い。それは日本の少女漫画からの影響が大きかったと考えられる。漫画という親しみやすいツールからSFを受けれやすかった。作家たちは、創作活動を通して現代批判を行っているが、韓国文芸界は家父長制を批判するものを認めない傾向がある。作品創作を通して、家父長制、ジェンダー、異性愛規範、資本主義を批判し、乗り越えていく試みが続けられている。

とにかく、デモ!
――韓国路上アクション・ダイアリー
チョン・ボラ /吉良佳奈江 訳
2026年7月17日発売 判型四六判 並製200ページ
定価2000円+税
夕食交流会「連帯と交流の夜」
支部名クイズを行い、「クジラがそうだった支部」「タトゥーユニオン支部」「韓国臓器組織提供院支部」など支部名を紹介し、どの産別かを当てるクイズ大会が行われた。その後、組織協会が行われ、全労連女性部もあいさつした。


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