全国労働組合総連合(全労連)

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厚労省に発効日の先送り・分散化の是正を要請 ――意見書、団体署名1148団体分を提出

2026/06/08

国民春闘共闘・全労連は5月22日、第3次最賃デーとして、厚労省要請をおこない、発効日の先送り・分散化の是正などと求める意見書(添付)と団体署名808団体分を提出。25年11月提出分と合わせて1148団体に達しました。
要請の前には国会近くの会場で、「法改正で最低賃金全国一律の実現を!5.22学習集会&国会議員要請行動」を行いました。

目安制度の在り方に関する全員協議会への意見書

2026年5月22日

中央最低賃金審議会委員 各位

中央最低賃金審議会委員の皆さまにおかれましては、法定最低賃金制度の適切な運営およびその機能の発揮に向け、日頃よりご尽力いただいておりますことに敬意を表します。
長期にわたる物価高騰のもと、食料品、エネルギー、住宅費をはじめとする生活必需品の価格上昇が続いており、労働者の生活は厳しさを増しています。実質賃金の低下が続くなか、最低賃金は多くの労働者にとって生活維持の最後の支えとなっており、その役割と重要性はこれまで以上に高まっています。
現在開催されている中央最低賃金審議会「目安制度の在り方に関する全員協議会」においては、

①近隣県との過度な競争意識や順位比較を背景とした議論

②最低賃金改定後の発効日の取扱い

③ランク制度の在り方

④EU最低賃金指令を含む国際的動向等が論点として整理されているものと承知しています。

本意見書は、これらの論点のうち、①「近隣県との過度な競争意識や順位比較を背景とした議論」および②「最低賃金改定後の発効日の取扱い」に関する事項について意見を申し述べるものです。なお、③「ランク制度の在り方」および④「EU最低賃金指令を含む国際的動向等」については、別途あらためて意見書を提出する予定です。
以上を踏まえ、取りまとめにあたり下記のとおり意見を申し述べます。

1 改定額の審議においては、生計費を基軸とした検討を行うこと

最低賃金制度は、労働者の生活保障を目的とする制度であり、日本国憲法第25条に基づく生存権保障と密接に関連するものです。最低賃金法に定めるいわゆる「法定三要素」は総合的に勘案されるべきである一方、その検討にあたっては、生計費を基軸とする視点が制度目的上、特に重要であると考えます。
現在の物価水準のもとでは、多くの地域で最低賃金のみでは安定した生活を維持することが困難となっており、生活改善を実感できる水準への大幅な引上げが不可欠です。
全労連加盟地方労働組合が実施している最低生計費調査では、若年単身労働者が健康で文化的な生活を営むためには時給1,700円~2,000円程度が必要との結果が一定の共通性をもって示されています。これは最低限度の生活に必要な費用が地域によって大きく変わらない実態を示唆するものと考えられます。こうした実証的データを踏まえれば、最低賃金の審議においては、生計費を基軸とした検討を一層重視することが、制度の目的との整合性を高めるものと考えます。
また地域別最低賃金制度である限り、近隣県比較や順位意識が生じることは一定程度避けられません。しかしながら、地域間比較や競争意識への懸念を理由として、改定額の必要な引上げが抑制されることのないよう、制度本来の目的である生活保障に即した審議が行われることを求めます。

2 最低賃金改定後の発効日について、先送りや分散化が生じないよう必要な検討を図ること

2025年の最低賃金改定においては、一部地域で発効日が大幅に遅れる事例が生じ、同一制度のもとで働く労働者の間に不合理な新たな地域格差が生じました。
とりわけ地方においては、「隣県ではすでに引き上げられているのに自県では適用されない」「物価高騰は全国共通なのに賃上げだけが遅れる」といった切実な声が広がっています。最低賃金に依拠して生活する労働者ほど影響を強く受けており、発効日の遅れは生活そのものに直結する問題となっています。
また、最低賃金制度は、すべての企業に賃金下限額をいっせいに規制することで、いっせいの労務費等の価格転嫁を可能とし、見合った価格相場の形成を可能にする制度です。25年改定のように発効日が分散化されれば、その特定地域の企業は価格相場をつくる機会を逃し、大きな損失を生んでいることに気がつくべきです。
発効時期の先送り・分散は、制度の公平性および信頼性を損なう重大な問題です。また、発効時期のばらつきは、中央最低賃金審議会が示す目安が軽視され実効性を失うものに他なりません。最低賃金制度が全国的な最低基準として機能するためにも、地方最低賃金審議会および都道府県労働局に対し、発効日の先送りや地域間のばらつきが生じないよう、必要な運用上の対応が図られることを求めます。
また、この問題の背景には、地域別制度が地域間格差を不可避的に伴う構造的課題を有している点についても、検証が必要であると考えます。 以上、最低賃金制度が労働者の生活を支える制度として確立されるよう、労働者の実態に根差した実効性ある審議が行われることを強く要請いたします。

以上

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