【調査報告】裁量労働制実態調査報告書
高市首相は2月の施政方針演説で裁量労働制の「見直し」に言及しました。高市政権が新たに創設した日本成長戦略会議では経済成長を目的にした労働市場改革分科会が今年3月から開催され、裁量労働制の拡大が議論されています。その背景には財界の裁量労働制の対象業務の拡大の要求があります。一方、「働き方改革」5年の見直しとして議論されている労働政策審議会労働条件分科会の中で、使用者委員は裁量労働制の対象業務の拡大を執拗に主張しています。2026年の経団連・経労委報告では拡充が喫緊の最重要課題だと強調されています。そのような財界のストレートな要求に高市政権は応えようとしているのです。
財界がこれほどまでに裁量労働制の拡大を求める理由は、企業にとって好都合だからです。裁量労働制は、あらかじめ決めた「みなし労働時間」分を働いたとみなして賃金を支払う制度です。業務の遂行方法や労働時間配分に裁量があり、決められた業種であるなど様々な規定をクリアすれば適用されます。業務量や納期・締め切りなどは企業が決めることが多く、企業が労働時間を管理する義務はありません。これでは長時間労働を余儀なくされる可能性が高く、現に、実労働時間が「みなし労働時間」より多くなっている政府のデータもあり、裁量労働制で働いていた労働者が過労死するなど大きな問題が起こっています。
しかし、政府・財界は現政権の労働時間規制緩和政策の中で適用業務の拡大を狙っています。労政審労働条件分科会では新たな調査を求める声が上がる中、裁量労働制の廃止を求める労働法制中央連絡会・全労連として職場のリアルな実態を集め、この制度の問題点と危険性を指摘することを目的として実態調査を行いました。
実態調査は、2026年3月下旬から4月末まで、労働法制中央連絡会、全労連に入っている労働組合・組合員を中心に、一般の労働者からも回答をいただきました。
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