「ケア労働者のための全国いっせい5.31労働相談ホットライン」実施の記者会見を開催
2026/04/30
2026年4月30日、全労連は「ケア労働者のための全国いっせい5.31労働相談ホットライン」の実施をお知らせするための記者会見を行いました。

1. なぜいま「労働相談ホットライン」が必要なのか?
医療、介護、福祉、保育などの現場で働く人たちを「ケア労働者」と呼びます。現在、このケア労働の現場は「人手不足」と「低賃金」という2つの大きな問題に直面しており、限界に近い状態です。
- 人手不足の悪循環: 人が足りないため、一人ひとりの業務負担が増え、疲弊して辞めてしまう。その結果、さらに人が足りなくなるという悪循環が起きています。
- サービスの質の低下: 働く人が追い詰められることは、患者さんや利用者さん、子どもたちへのサービスの質に直結します。
- ハラスメントの増加: 余裕のない職場では、職員同士や、利用者・家族からのハラスメントが起きやすくなっています。
こうした悩みを一人で抱え込まず、労働組合という「解決の窓口」につなげるために、全国一斉の電話相談を計画しました。
2. 数字で見るケア労働の過酷な現実
賃金の格差
今年の春闘(賃上げ交渉)では、製造業などで大幅な賃上げ(12,000円〜13,000円程度)が見られました。しかし、ケア労働の現場ではその半分程度にとどまっています。
- 全産業平均: 大幅なプラス回答
- 医療・介護: 5,000円〜6,000円程度の引き上げに留まる(他業種との格差が拡大)
健康と命に関わる「夜勤」の実態
看護師の働き方では、長時間夜勤が常態化しています。
- 8時間以上の長時間夜勤: 2020年の42.7%から、2025年には54.8%へ増加。
- 16時間以上の超長時間夜勤: 約5割の看護師が経験。
深刻な「流産経験」の高さ
ケア労働者の女性は、全職種平均と比べて流産の経験率が非常に高いというデータが出ており、全体で23.9%となっています。
- 看護師: 27.9%
- 保育士: 25.2%
- 介護・福祉: 25.7%
(※これらは過度な負担や夜勤、人手不足による休暇の取りづらさが背景にあると考えられます)
3. 労働者の「権利」が守られていない現状
法律や制度では、働く人を守るルールがありますが、現場ではたとえば母健連絡カードなどが「知らされていない」「使わせてもらえない」状況があります。
- 母健連絡カード: 妊娠中の負担軽減を主治医から職場へ指示するカードですが、認知度が低く、利用したくても「人手不足で言い出せない」人が多くいます。
- 国際基準とのズレ: 世界には「夜勤労働者の健康を守る」ための国際条約(ILO条約)がありますが、日本はまだこれを認めて(批准して)おらず、守る仕組みが不十分です。
4. 解決のために:労働組合からのメッセージ
私たち全労連は、この状況を変えるために2つの柱を掲げています。
- 大幅な賃上げと増員: 国の予算(診療報酬や介護報酬)を、現場の働く人の給料に直接行き渡る仕組みにすること。
- 労働組合への相談: 「自分の職場はおかしいのではないか?」と感じたら、迷わず相談してほしい。組合が交渉することで、賃金や労働環境は変えられます。
「責任感だけで働き続けるのには限界があります。皆さんの健康と生活を守ることは、日本の福祉を守ることと同じです。」
【相談窓口のご案内】
ケア労働者のための全国一斉労働相談ホットライン
- 日時: 2026年5月31日(日)10時~19時
- 電話番号: 0120-378-060(フリーダイヤル・全国共通)
- 相談無料・秘密厳守: 専門の相談員が対応します。
- メールフォームからの相談:https://www.zenroren.gr.jp/jp/soudan/rodosodan_form_2/
参加団体:全労連、日本医労連、福祉保育労、生協労連、全労連・全国一般、建交労、全農協労連、自治労連
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