日本労働弁護団主催 裁量労働制拡大を許さない集会で全労連があいさつ
日本労働弁護団主催のSTOP‼定額働かせ放題-裁量労働制の拡大を許さない集会が連合会館で4月16日に開催されました。法曹、労働組合、研究者、裁量労働制により家族を亡くしたご遺族、マスコミの方で会場が満席になるほどの170人が参加しました。
主催者あいさつで、小島周一会長は、2018年成立の法改正により労働時間に上限規制が設けられ、長時間労働抑制の動きが始まった。しかし、まだ10年も経たないうちに、昨年の労政審労働条件分科会では、使用者側の一部から裁量労働制拡大の意見が出されたと指摘しました。また、昨年、高市早苗首相が就任後、厚生労働大臣に労働時間規制の緩和を指示したことにも言及し、日本労働弁護団としてこうした動きに反対する意見を表明してきたと述べました。
しかしこうした動きに「日本労働弁護団だけの取り組みでは防ぐことはできない」と述べ、労働団体、研究者、裁量労働制で働いていた家族を亡くしたご遺族が一堂に会して本日の集会を開催することの意義を強調しました。「高市首相あるいは一部の使用者側団体の企みを阻止する大きな力になる」と述べ、「ともに頑張りましょう」と奮闘を呼びかけました。
労働組合3団体がそろって発言 裁量労働制拡大の動きに懸念
~全労連は緊急アンケートを報告
つづいて、連合、全労連、全労協の各労働団体がそれぞれ挨拶。
全労連を代表してあいさつした九後健治副議長は、労政審で労働基準法解体とも言える議論が進められていることを受け、全労連労働法制中央連絡会は街頭宣伝で労働時間短縮を訴えてきた。引き続き、労働時間短縮の世論を広げていきたいと述べました。また、労政審の議論の中で「もっと働きたい」と言う人がいるという主張が行われてきたため、労働時間に関する緊急アンケートを実施し、1267人から回答を得ました。労働時間を増やしたい11%にとどまり、その理由の多くは収入増にかかわるもので、政府や使用者が主張するようなスキルアップや顧客ニーズへの対応などは1.5%ほどにすぎません。「もっと働きたい人がいる」という口実は破綻していることは明確であると強調しました。
現在、日本成長戦略会議労働市場分科会や労政審で裁量労働制拡大の議論が行われていることを受け、全労連労働法制中央連絡会は、裁量労働制で働く労働者の実態を把握するために聞き取り調査、実態調査をおこなっており、「労働者の裁量が極めて少ない」、「収入の低下が生じている」などの声が寄せられています。
労働者の権利と生活、いのちと健康を脅かしかねない裁量労働制や労働基準監督官による労働時間監督の見直しが、三者構成原則に寄らない会議体で経済政策の観点で議論されていることは問題であると指摘。全労連は三者構成の厳守を求める団体署名を厚生労働省に提出ました。いまも続々と署名が届いている。長時間労働をなくし、誰もがワークライフバランスを実感できる社会の実現に向けて奮闘すると述べました。
裁量労働制による過労死の実態と遺族が訴え
日本労働弁護団が実施した長時間労働トラブルホットラインについて取り組みの報告がされた後、裁量労働制で働いていた家族を亡くしたご遺族が発言されました。
発言された渡辺しのぶさんは、裁量労働制で働いていた夫を過労死で失いました。本当に長時間労働で、毎日終電、土曜日も出社、日曜日も自宅で仕事をするなど、サービス残業が常態化していました。1カ月の労働時間は120時間を超えていたといいます。しかし、裁量労働制であることを理由に、会社側は過労死を認めませんでした。倒れたその日は、国内出張から直帰し、めずらしく子どもが起きている時間に帰宅。絵本の読み聞かせをしている最中に意識を失い、救急搬送され、そのまま意識が戻ることなく亡くなりました。
「そこから私たちの過労死の闘いが始まりました」と語ります。「あれだけ仕事をしていたのだから過労死ではないか」と会社に尋ねると、「裁量労働制なので過労死にはならない」とされ、「自己責任だ」とも言われたそうです。裁量労働制にはそうした危険性があることが十分に知られないまま働いている人も多いのではないか、良い面ばかりが強調されているのではないかと指摘しました。
また、「’勝手に働いて死んだ’と言われたらほんとにつらいですよ」と悲痛な声で語り、子どもたちから「どうして」と尋ねられた際、「お父さんは働きすぎで亡くなった」と伝えるしかなかった現実を明かしました。「働いて人が死ぬということは本当に怖いことです」と訴えました。
現在は、過労死で親を亡くした遺児の支援にも関わっており、父親や母親が命を落とした労働の現場に、いずれ子どもたちも出ていかなければならない現実について、「父親が勝てなかったそれほど怖いところに自分も行ってたたかわなければならない。過労死で両親を失った子どもにとっては、戦場に送られるのと同じで、大きな負担になっている」と語りました。
そのうえで、「過労死は減っていない。全然減っていないのに、なぜいま裁量労働制なのか。労働者のことを考えずに、経営者側の話だけで進められているのではないか」と問題提起し、「皆さんの力をお借りしたい」と呼びかけました。
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研究者の立場から、過労死防止学会元代表の黒田兼一・明治大学名誉教授が、政府統計が明らかにした裁量労働制の労働環境への影響について報告しました。
続いて、「日本労働弁護団の取り組みと情勢」について、日本労働弁護団の佐々木亮幹事長が報告。最後に、司会の山内志織さんが集会アピールを読み上げ、大きな拍手で確認されました。
集会の様子や資料などは、日本労働弁護団のHPからご覧になれます。
〈4/16開催〉裁量労働制の拡大を許さない集会アピールほか資料 – 日本労働弁護団


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