1.女性労働者の労働実態及びジェンダー平等・健康実態調査
全労連女性部 5年ごとの調査(9602人回答)から見える女性労働者の過酷な労働実態1
全労連女性部は2015年4月から7月にかけて2つの実態調査を行い、9602人から回答を得ました。集約状況と特徴をそれぞれの調査について掲載します。
2つの調査の集約状況と特徴
1.「女性労働者の労働実態及びジェンダー平等・健康実態調査」46都道府県から7,942人
2.「妊娠・出産・育児に関する実態調査」 45都道府県から1,660人
●女性たちは、仕事と家庭の両立を図るため、自身への負荷もいとわず、無理をしながら働いている。●最低生計費以下の賃金で働いている女性労働者が、正規雇用でも増えている。●差別・ハラスメントが減っておらず、ハラスメントの被害があっても解決したのは3人に1人である。●最も切実な二大要求は、賃金引上げと人員増である。●妊娠・出産・育児を理由として仕事をやめた経験のある女性労働者が、非正規雇用で約4割。●流産の経験は前回より増えている。特に看護師で突出。●「柔軟な働き方を実現するための措置」については、「短時間勤務制度」利用希望がトップ。●諸法制の整備はされつつあるが不十分であること、制度周知・活用が不十分であることなど、今後の対応が必要である。
1.「女性労働者の労働実態およびジェンダー平等・健康実態調査」より~無理をしながら働く女性~
回答者について
調査には、17単産、46都道府県から7,942人が、協力しました。回答者のうち組合員は93.9%でした。対話のきっかけとして調査を活用し、未加入者への対話も広がりました。回答者の雇用形態は、「正社員・正規職員」が5,782人(72.8%)【前回78.0%】、「非正規・非常勤(無期)」が837人(10.5%)、「非正規・非常勤(有期)」が1,025人(12.9%)、「派遣」が72人(0.9%)、「フリーランス・個人請負」が16人(0.2%)でした。無期・有期を合わせると、「非正規」は23.4%で【前回19.6%】、前回調査時より3.8%増えています。所属組合は、日本医労連40.8%(3,237人)、国公労連13.5%(1,070人)、生協労連8.8%(698人)、自治労連8.4%(662人)の4単産で、全体の71.6%を占めています。回答者の年齢は、40~50代が約5割(52.7%)で、各年代バランスよく、偏りはありませんでした。「60~64歳」が7.6%【前回4.6%】、「65歳以上」が4.1%【前回1.1%】となり、高齢者雇用の推進もあるものの、定年延長と、働かざるを得ない高齢者の経済的実態もあると考えられます。
「正社員・正規職員」以外の雇用形態で働いている女性労働者が、正規以外の雇用形態を選んだ特に強い理由としては、主に「正規のような働き方ができないと思った」629人(29.9%)、「子育て・介護などのため」531人(25.2%)、「正規社員になりたかったがなれなかった」295人(14.0%)という理由で、正規雇用以外の雇用形態で働いていることも明らかになりました。
最低生計費以下の女性労働者が増えている
前回調査時同様、「非正規」のおよそ10人に1人がダブルワーク以上の働き方をしています。また、「非正規」の3人に1人が、非正規雇用のみで生計を担っていることも、明らかになりました(単身2,333人(29.4%)、シングル・扶養者あり581人(7.3%)、双方とも非正規240人(3.0%)の計39.7%)。しかし、最低生計費試算調査(全労連2025年10月現在)で25歳単身者(女性)が必要とする年額318万円~344万円以下の年収(項目としては「350万円未満」)である女性労働者は、全体で43.6%で、「非正規」雇用の女性労働者では8割以上でした(「非正規・非常勤(無期)」88.2%、「非正規・非常勤(有期)82%」)。年収200万円以下は、「正規」2.4%【前回2.9%】で、「非正規・非常勤(無期)」51%、「非正規・非常勤(有期)」38.5%でした【前回「非正規」で49.2%】。ダブルワーク・トリプルワークで収入を増やそうとしている仲間もいますが、物価上昇、家賃高騰等に見合った収入を得られていません。

仕事の世界での差別は減っていない! 格差是正のとりくみは進んでいない!
差別について、仕事の内容や待遇面で、男性に比べ不当に差別されていると回答したのが、「正規」で1,313人(22.7%)【前回22.3%】、「非正規・非常勤(無期)」201人(24%)、「非正規・非常勤(有期)」255人(24.9%)で【前回「非正規」で24.2%】、仕事の世界での差別が減っていません。差別の内容上位3つは、前回調査とほぼ同じとは言え、看過できません。「正規」は、「昇進・昇格」、「能力を正当に評価しない」、「結婚したり子どもが生まれたりすると勤め続けにくい雰囲気がある」の順で、「非正規・非常勤(無期)」は、「賃金」、「能力を正当に評価しない」、「昇進・昇格」の順、「非正規・非常勤(有期)」は、「能力を正当に評価しない」、「賃金」、「昇進・昇格」の順でした。職場での女性の採用や昇進・昇格・登用についてのポジティブアクションについて、「ある」の回答が9.9%【前回10.9%】で、職場における意識的な男女格差是正のとりくみが進んでいないことがわかります。女性活躍推進法改正により、今年4月1日から、「男女間賃金差異及び女性管理職比率に加えて、1項目以上を公表」することが、101人以上の企業に義務付けられましたが、公表の義務化に伴い、ポジティブアクションの拡大と加速が求められています。

ハラスメント被害者の4人に1人が誰にも言わずに耐えている! 半数は解決しなかった!
ハラスメントについて、「ハラスメントはない」が4,645人(58.5%)【前回65.1%】で、2,768人(34.8%)(「不明・無回答」6.7%を除く)がハラスメントを「受けたことがある」と回答し、そのうち解決したのは、3人に1人です。ハラスメントの内容としては、「適切でない表現で指示、指導を受けた(人格否定、差別的発言、怒鳴るなど)」(907人)、「言葉でセクハラを受けた」(712人)、「客や利用者、取引先等からのハラスメント(カスタマーハラスメント)」(673人)が上位を占めています。以降、「適切でないタイミングや場所で指示、指導を受けた(部下や大勢の人の前など)」(530人)、「暴力や無視等の対応を受けた」(328人)、「体を触られる等があった」(241人)と続き、看過できません。ハラスメントを受けてしまった後の対処法として、「同僚・友人に相談した」が40.1%、「上司に相談した」が36.1%でした。「労働組合に相談した」は、残念ながら、198人(7.2%)に過ぎず、「誰にも言わずに耐えた」と回答した人が630人(22.8%)もいる中、「#労働組合ができること」を見える化し、労働組合の存在意義を職場や地域で広げていくことが求められています。全労連ジェンダー平等推進委員会と「あらゆるハラスメントと女性や性的マイノリティ差別の根絶をめざすキャンペーン」では、ハラスメントと暴力を職場からなくすためのとりくみの一つとして、「第三者介入ワークショップ」の開催を呼びかけています。2026年6月までに全国100か所での開催を目指しています。
「ハラスメントはない」と「不明・無回答」を除く(n=2768)

相談したり抗議した2156人

無理をしながら働く女性労働者、体調不良でも休めず、7割が「仕事をやめたい」と思うことがある
また、女性労働者は、職場の人員不足・多忙の中、無理をしながら働いています。70.2%の人が「仕事をやめたい」と思うことがあると回答しており、「やめたい理由」は、正規・非正規ともに「多忙で身体的・精神的にきつい」がトップです。長時間過密労働に苦しめられ、慢性的に疲労を抱えている姿が浮かび上がっています。全体で5割の仲間が、体調不良でも仕事を休めていないことも浮き彫りになりました。
生理不順は約4割を占め、鎮痛剤等を服用しながら勤務し、生理休暇は85.7%の仲間が取得して(できて)いません。国のデータでも、体調が悪い日に休まずに出勤する頻度は、女性の方が男性より高い(40代女性で年15.6日)ことが、示されています。生理(PMSや生理中、生理後の不調)や更年期症状、睡眠不足、休養不足等で、無理をして頑張って働いていないでしょうか。体調が悪い時には、休めるだけの人員にゆとりがある、もし休めなかったとしても業務の軽減が可能になる、相談体制が整っているなど、職場での対策・仕組みづくりに、「#労働組合ができること」がまだまだあるのではないでしょうか。
1日の睡眠時間について、6.5時間程度以下が74.6%で、死亡率が低いと言われる7~8時間の睡眠時間を確保できていない仲間がこれほど多いことは、いのちと健康を考える上で重大な課題です。睡眠時間の国際比較でも、日本の女性は7.61時間と最低レベルです。家事・育児・介護等の無償労働を男性の4~5倍の時間も担っている日本の女性は、睡眠時間と自由な時間が非常に短いことが、女性のワークライフバランスを充実させる上で、最大の課題です。家庭や職場でのジェンダー平等へのとりくみをより一層前進させていく必要があります。
不妊治療と仕事の両立に向けて
不妊治療について、「受けたことがある」「受けている」を合わせ、約1割が治療を受けたことがあります。不妊治療と仕事の両立で必要なことは、多い順に「仕事と治療時間の調整」57.5%、「上司の理解及び協力」52.9%、「治療のための休暇」37.5%となっています。不妊治療を受けるにあたり、経済的援助、休暇取得など制度整備はもちろんのこと、働き方、職場環境・人員配置を含め、総合的な改善が必要であることが、実態調査結果から読み取れます。
最も切実な要求は、正規・非正規ともに「賃金の引上げ」と「人員増」
「今、最も切実な要求」については、雇用形態に関わらず、「賃金の引上げ」68.6%【前回50.4%】と「人員増」51.9%【前回48.5%】が、前回同様、女性労働者の二大要求でした。「賃金の引上げ」が、「正規」では69.3%【前回49.3%】と20%も増えており、「非正規」では67.5%【前回54.6%】と12.9%増えており、物価高騰を上回る生活できる賃上げを求める声が大きくなっています。
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