【談話】解雇金銭解決制度の検討会の立ち上げに対する事務局長談話
2026年1月20日
全国労働組合総連合
事務局長 黒澤幸一
現在、大企業を中心に解雇・リストラが進められている。AIの活用や成績不良を理由にPIP(業務改善計画)を利用しての事例が増えている。それも経営黒字であるにも関わらず解雇するまさに企業の横暴が広がっている。一方、自民党政権は労働市場改革として、成長分野への労働移動の円滑化を進めている。
そのような中、厚生労働省所管の労働政策審議会労働条件分科会(以下、分科会)は11月18日の会合で「解雇の金銭解決制度(分科会では解雇の金銭救済制度)」について有識者による検討会を立ち上げる方針を確認した。
この制度はこれまでに何度も議論され、その度に我々は制度の不要を主張し、導入反対の声を上げ導入を阻止してきた。今回もその立場は変わらない。断固反対であり、検討会を立ち上げる結論を出した分科会・厚生労働省に強く抗議し、検討会を開催しないことを要求する。
解雇の金銭解決制度は、違法な解雇が無効と判断された際に、労働者に対して金銭を支払うことで労働契約を終了させる制度とされる。しかし、日本の法制度では、解雇が無効と判断されると、原則として労働契約は継続し、労働者は職場に復帰するのが当然である。係争経過などから職場復帰できないときはすでに裁判所の命令などによって金銭解決は取られており、あらたな制度は必要ない。むしろ復職を実現する制度が検討されるべきである。
この制度が導入されれば、「一定の金額を支払えば、解雇ができる」という間違った考えが広がる可能性が高い。上下限額が示されると解決金の目安が容易にわかり、この金額を用意すれば解雇ができると認識する使用者が現れることを懸念する。現在よりも解雇が頻繁に起きることは簡単に想像ができる。今でも、解雇・リストラをするとき金銭をちらつかせて退職を迫る使用者が多い。恣意的な評価制度の下で低評価を受けた労働者、会社の方針に意見する労働者など使用者が追い出したい労働者をどんな状況(黒字経営であり、労働者に問題が無くても)でも解雇でき、リストラの嵐が吹きあがってしまう。違法な解雇も金銭さえ支払えば正当化されてしまう社会になる。解雇の恐怖で物が言えなくなる社会になるだろう。労働組合にとっても使用者に要求できず、職場の改善も求めることができなくなってしまう。
分科会では金銭を受け取ることで契約を終了させたいという労働者のニーズがあるとの発言があったが、労働者全体から見れば、少数意見である。上記にも記載したとおり、この制度は労働者ではなく、使用者にメリットがある。現に分科会でも使用者委員が導入を主張している。 私たち全労連は、解雇自由社会ではなく、雇用が安定し、誰もが安心して暮らせる社会の実現を求めて奮闘する決意を表明する。
以上
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