マイナンバーカード（マイナカード）と健康保険証を一体化した｢マイナ保険証｣への移行に伴い、政府は昨年12月に健康保険証の新規発行を停止しました。
国民健康保険加入者と後期高齢者医療制度の加入者は有効期限が7月に切れ、健康保険（協会けんぽや健保組合）加入者も有効期限が12月1日に迫っています。厚生労働省は来年3月まで、期限切れの健康保険証でも保険医療を受けられると事務通達を出しています。私たちの受診権はどうなるのでしょうか。

Q1.資格確認書が届いたら？

マイナ保険証（マイナンバーカードに健康保険証の利用登録を行ったもの）を持たない健康保険加入者には｢資格確認書｣が届いています。形式は健康保険証とよく似ており、医療機関の窓口に提示して保険診療を受けられます。現在の健康保険証は12月1日で有効期限を迎えますが、厚生労働省は従来の期限切れの保険証は来年3月まで利用できると通達を出しています。
国保加入者、後期高齢者医療制度の加入者にも自治体から7月末までに｢資格確認書｣が届いており、健康保険証と同様に使うことができます。

Q2.マイナ保険証の人は？

マイナ保険証には有効期限があるので注意が必要です。

マイナカードの有効期限は、発効日から10回目の誕生日まで（未成年は5回目の誕生日）。さらにマイナカードを保険証として利用する際のオンライン上の本人確認手段である電子証明書の有効期限は、発効日から5回目の誕生日までです。
今年度は2780万枚が更新時期を迎えます。更新には自治体窓口での手続きが必要となります。更新手続きが出来なかった場合でも、有効期限後3カ月間はマイナ保険証で医療機関の受診が可能です。更新手続きを行わない場合は、｢資格確認書｣が交付され、保険診療が受けられます。
マイナ保険証の利用登録解除も可能で、解除後は｢資格確認書｣が交付されます。

混乱の原因はマイナンバー制度

マイナ保険証の一体化を強行した政府ですが、利用率は31・43％（2025年7月）にとどまる現状を前に、方針転換を余儀なくされた格好で、医療現場や利用者には大きな混乱をもたらしています。
全労連も参加するマイナンバー制度反対連絡会は8月29日に都内で総会を開き、保険証の復活とマイナンバー制度の廃止を求める運動をさらに広げることを確認しました。

（全労連新聞590号　2025年9月15日）