憲法共同センターニュース第523号
憲法共同センター「9の日」宣伝 税金は大軍拡ではなく、くらし、社会保障に使え!
憲法共同センターは5月9日昼、新宿駅東南口で「9の日」宣伝を行い、9団体18人が参加しました。くらしや社会保障予算が削減される一方で軍事費が増え続けていることや戦争する国づくりが進んでいる実態を話し、「反対の声をあげていこう。政治を変えよう」と訴えました。
「能動的サイバー防御」導入法案、学術会議解体法案は廃案に
憲法会議の高橋信一事務局長は、「能動的サイバー防御」導入法案について「憲法21条が保障する通信の秘密を侵害する。収集した情報は外国政府など第三者に提供することもできる。警察や自衛隊が自らの業務で使用することも可能。自衛隊と警察は収集した情報に基づき、疑わしいと判断すれば海外のコンピュータに侵入し無害化措置を行える。疑いだけで行えば、重大な主権侵害、先制攻撃とみなされる危険がある」と指摘しました。学術会議解体法案について、「衆院内閣委員会での採決が強行されようとしている。両法案は、日本がアメリカと一体で戦争する国づくりをすすめるための法案だ。反対の声をあげよう」と呼びかけました。
消費税を払わない輸出大企業
全商連の岩瀬晃司副会長は、「自動車の輸出大企業は、消費税が始まって以来36年間もの間、1円たりとも消費税を納税しておらず、消費税の還付金をもらっている。みなさんが払った消費税がまとめて大企業に流れていく。政府は消費税減税をするとは言わない。消費税を増税すると大企業にお金が流れるからだ。財務省は消費税減税に反対し、社会保障のためなどとうそを言っている。経済政策をしなくても財源が出てくるということだ」と指摘。「消費税は減税、税金は軍事費拡大ではなく、くらしの拡充のために使う。政治を変え、平和な日本にしていこう」と呼びかけました。
9条持つ日本が紛争の平和解決の先頭に

日本原水協の嶋田侑飛担当常任理事は、「今年は被爆・戦後80年の年。第二次世界大戦では、アジア・太平洋各国で2000万人以上が、日本では300万人以上が犠牲となった。二度と過ちを繰り返さないために、戦争を放棄し、武力を持たないことにした。この9条を掲げてから、海外で自衛隊員が人を殺めることもなく、一人も犠牲になっていない。本当に誇るべきことだ。ウクライナやガザなどを見れば、核兵器保有とその近代化、軍事強化が人々のいのち、くらしを守らないということは明らかだ。核兵器や武器ではなく紛争の平和解決と武力の行使及び威嚇の禁止を定めた国連憲章に基づく解決、国際法に基づく解決を国際社会が一致して求めていかなければならない。平和憲法を持つ日本こそがその先頭に立つべき」と訴えました。
戦争する国への道を許してはいけない
日本民主青年同盟の青山昴平中央常任委員は、「学費値上げ、物価高騰、消費税の負担などが大きく、学生は厳しい状況だ。そういう中で軍事費が増大し続けていることは許せない。敵基地攻撃能力の保有で射程2000~3000キロメートルのミサイルなどの恐ろしい兵器を準備している。これは日本を守るのではなく、東アジアでの戦争のリスクを高めるだけだ。戦争する国への道をすすむ暴挙を許してはいけない。大軍拡を止め、9条を守り・いかすため、声をあげよう」と呼びかけました。
市民の運動が憲法を守ってきた
全国革新懇の小田川義和代表世話人(憲法共同センター共同代表)は、「憲法を守りいかそうと主張する市民の運動と、改憲をめざす自民党などのせめぎあいがずっと続いているが、改憲攻撃が強まる都度、市民が力を寄せ合い、1500万を超える署名の集約や全国各地での大規模な集会を成功させ、改憲の動きを跳ね返し、市民の運動が憲法を守ってきた」と強調。「台湾有事を口実に、中国本土に届くミサイルなどを購入するために5年間43兆円もの税金を優先使用する、鹿児島から沖縄までの島々に自衛隊基地が増強される、在日米軍の指揮統制下に自衛隊を組み入れる態勢が作られ、大規模な日米の軍事訓練が繰り返される、それが今の自衛隊の現状だ。他国を攻撃する武器を爆買いし続け、アメリカ軍の先兵になって自衛隊が最前線に立つ大軍拡はやめろ、自衛隊を軍隊だと美化する政治はやめろ、と声を強めよう。大軍拡反対請願署名へのご協力を」と呼びかけました。
未来は変えられる! 戦争ではなく平和なくらし! 2025 憲法大集会に3万8000人

憲法施行から78年を迎えた5月3日、憲法を守り生かそうと全国各地で集会やデモが行われました。東京では「未来は変えられる!戦争ではなく平和なくらし!2025憲法大集会」が有明防災公園で行われ、3万8000人が参加しました。
総がかり行動実行委員会の菱山南帆子共同代表が開会あいさつ。「今日は共同で行う憲法集会が10年目を迎える大きな節目だ。いま、台湾有事を口実に、いつでも戦争できる体制づくりが進んでいる。世界では戦争の危機が進行している。今こそ、平和憲法に守られ、平和憲法をいかそうとたたかってきた私たちが打って出るとき。署名を手に対話運動で、戦争のない憲法がいかされる未来を切り開いていくためにがんばろう。7月には参議院選挙がある。改憲勢力を追い詰め、選択的夫婦別姓に反対する議員を逆転させよう」と呼びかけました。
植野妙実子中央大学名誉教授、日本被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員、元経済産業省官僚の古賀茂明さんの3氏がスピーチ。田中氏は「世界は核戦争の危険な状況にあり、なんとかして打ち破りたい。核兵器は絶対に使ってはいけないという規範を70年にわたってつくり上げ、80年間、核戦争を起こさなかった被爆者の運動を引き継いでほしい」と訴えました。市民連合から佐藤学東京大学名誉教授が連帯あいさつしました。
立憲民主党の辻元清美参議院議員、日本共産党の田村智子衆議院議員、れいわ新選組の櫛渕万里衆議院議員、社民党の大椿裕子参議院議員、沖縄の風の伊波洋一参議院議員があいさつしました。
大軍拡反対請願署名を広げ、参議院選挙の争点に押し上げよう
総がかり行動実行委員会・憲法共同センターの小田川義和共同代表が行動提起。「憲法施行から78年目、アジア太平洋戦争の敗戦から80年目。憲法をめぐり、憲法を守る運動、憲法をいかす運動、その両面で多くの課題があり、今のたたかいの大切さが語られた。2015年に戦争法、安保法制が強行されてからの10年、他国を攻めるためのミサイルの購入、配備といった軍事力だけではなく、市民を戦争に動員する仕組みや態勢づくりが一気に進んでいる。憲法9条が、踏みにじられ続けている。アメリカの圧力も利用した自公政権の戦争準備の暴走をもう止めなければならない。軍事費ばかりを突出させる軍拡予算ではなく、くらし中心の予算を、との声を形にし、可視化する大軍拡反対の国会請願署名をさらに広げていただき、7月の参議院選挙や来る総選挙の争点に押し上げてほしい。戦争のない平和な社会、一人ひとりの人格が尊重され、格差と貧困の是正めざす社会を次の世代に引き継ぐために、できる行動を繰り返し、積み上げていこう」と呼びかけました。
集会後、2コースに分かれてデモ行進を行いました。