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【談話】イスラエル、アメリカによるイラン攻撃に抗議する

2025/06/30
事務局長談話
憲法・平和

2025年6月30日
全国労働組合総連合
事務局長 黒澤 幸一

イスラエルが6月13日、アメリカが21日、イランの核関連施設とされる地域に大規模な攻撃を行った。戦争で平和はつくれない。国際法を何重にも踏みにじる暴挙である。多くの市民のいのちが奪われている。全労連は、イスラエルとアメリカに対して満身の怒りを込めて抗議する。日本政府に対しては、両国に毅然と抗議し、国際法を守るよう強く申し入れることを求める。

イランは核不拡散条約(NPT)加盟国である。同条約に参加せずに核兵器を保有するイスラエルが、同条約に基づいて国際原子力機関(IAEA)の査察を受けているイランに先制攻撃を行ったことは、とうてい正当化できるものではない。しかも、IAEAはイランの核兵器開発を「証拠はない」としている。

イスラエルとアメリカの空爆は世界の平和秩序を脅かす身勝手な蛮行である。今後もこのような事を許せばアメリカと軍事同盟を結ぶ国が参戦する可能性も高まり、日本政府もその姿勢が問われ大きな矛盾を抱えることになる。1991年の湾岸戦争から2003年のイラク戦争を思い出す。

国連安全保障理事会が22日に開いた緊急会合で、アメリカ代表は「国連憲章にのっとった集団的自衛権の行使だ」と正当化したが、各国代表からは「紛争の平和的解決や武力行使の禁止を定めた国連憲章違反だ」と批判が相次いだ。

石破政権はイスラエルの先制攻撃について「軍事的手段が用いられたことは到底許容できず、極めて遺憾であり、今回の行動を強く非難する」との談話を発表した。しかし16日のG7首脳声明がイスラエルの「自国を守る権利」を認め、「イスラエルの安全に対する支持」を表明して以降、態度を変えた。石破首相は「イランの核兵器開発は阻止されなければならない」と述べ、アメリカのイラン攻撃は批判しなかった。23日の談話は「(米国の攻撃は)イランの核兵器保有を阻止するという決意を示したもの」と、違法な攻撃を擁護した。

イスラエルとアメリカの攻撃は明確な国際法違反、国連憲章違反であり、平和的解決どころか中東地域の軍事的緊張をエスカレートさせるものだ。核関連施設への攻撃はジュネーブ条約に違反し、核問題での外交的・平和的解決を台無しにし、炉心溶融や広範な放射能汚染が強く危惧される最悪の蛮行である。停戦に至るとしても、まったく正当化できない。

しかもトランプ大統領が被爆80年の今年、広島・長崎への原爆投下を引き合いに出し「戦争を終わらせた点で本質的に同じ」と語り、原爆投下を正当化したことは、唯一の戦争被曝国の国民として到底許せるものではない。

全労連は、来る参議院選挙では、危険極まりないアメリカの核の傘依存から脱却し、世界のどの国とも対等・平等で平和的友好関係を築く政府への転換をめざして奮闘するものである。

以 上

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