【レポート】徳島県での最低賃金大幅引き上げの後、景気や賃金、失業率はどうなったのか?
「徳島ショック」はなぜ起こったのか、そして現状は?
昨年、徳島県の最低賃金は 84 円上げられ、「徳島ショック」と全国から注目を浴びました。その背景には、徳島県が後藤田正純知事を先頭に繰り返し審議会に大幅引き上げを要請するなどのとりくみがありました。全労連東海・北陸ブロックは7月4日、こうした徳島県のとりくみついて、県庁の担当者から話を聞こうと、オンラインによる学習会を開催。全国から 67 人が参加し、愛知県庁や福井県庁などの担当者も参加しました。
徳島県の担当者は、
①徳島県は淡路島・兵庫県と橋で直結しており、近隣府県(大阪・京都・兵庫)との賃金格差が顕著、
②23 年度は全国のワースト2位の最賃水準、都市部との賃金差(例:兵庫県と 105 円差)が人材流出の一因、
③地方創生・持続的地域経済の発展のためには、最賃引き上げが不可欠とこれまでの課題を上げました。
そのもとで、24 年1月に知事が地方版政労使会議を初開催し、
①経済団体・労働団体へ積極的な賃上げを要請、
②県議会有志・市長会と連携し、労働局長と審議会会長に2度にわたり引き上げ要請、
③最賃審議会の公益委員が、県の経済は中位以上と評価、
④結果として目安額 50 円増に加え、34 円を上乗せし 84 円の大幅引き上げとなった。これにより兵庫県との差は 105 円から 72 円に縮小したと話しました。合わせて、賃上げに伴う事業所向けの県独自の支援策を作りました。
大幅な最低賃金引き上げ後の影響は?→企業倒産は増えず、実質賃金が9ヵ月連続でプラスに!
大幅な最賃引き上げ後の影響はどうだったか。
①実質賃金は、24 年8月以降9カ月連続で前年同月比プラス。物価上昇を上回る形で推移、
②有効求人倍率は大きな変動なし、
③企業倒産件数は、例年並みで推移し、大幅引き上げによる倒産急増はみられなかったことも報告しました。
質問もあり、担当者が丁寧に答えました。この学習会で、
①地域経済と雇用の持続性を確保するために県と知事が主導し、
②国の施策と補完する形で独自支援策を用意し、
③改訂後のフォローアップを徹底するという、多面的なとりくみの必要性があきらかになりました。
※上記レポートは愛労連NEWS 2025.7.11 NO.601に掲載されたテキストを元にしたものです。

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