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大軍拡・大増税NO!連絡会ニュース第14号

2025/07/08
憲法・平和
社会保障
選挙

私たちの願い 「大軍拡より○○を!」シリーズ第1弾

いま、大幅な軍事増強政策が推し進められています。平和、いのち、くらしを壊す戦争準備の大軍拡・大増税NO!連絡会(大軍拡・大増税NO!連絡会)は、大軍拡や増税ではなく、誰もが安心してくらせる平和な社会、充実した教育、温かい福祉の実現こそ重要と呼びかけます。

今こそ「大軍拡反対!軍拡のための増税NO!」の声を大きく広げましょう!来たる参議院選挙では軍拡を推し進める政党を少数に追い込み、軍拡政治にストップをかけましょう!

私たちの願い「大軍拡より教育予算の増額を!」 
全日本教職員組合(全教)中央執行委員 村田信子さん

●5年で防衛予算は文科予算の2倍ちかくに

2025年度予算案のうち、防衛省予算案は8兆7005億円。一方、文部科学省予算案は5兆4029億円。そのうち文教関係予算はわずか4兆1218億円です。2020年度以前は防衛予算より文科予算が多かったのです。それが2020年に初めて防衛予算が上回り、わずか5年で防衛予算は文科予算の2倍に達しようとしています。さらに、防衛政策文書である「安保3文書」には「わが国と郷土を愛する心を養う」と愛国心育成に関わる記述までされています。

●被災地でも教員定数削減

東日本大震災 被災県の子どもたちをケアする教職員定数は年々減らされています。能登半島の中学生が「能登の復興のお金は全然足りない。能登を見てみぬふりしないで」と訴える言葉を新聞紙面でみましたが、能登半島への手厚い人的措置も見られません。小中学校の登校拒否・不登校児童生徒数は34万 人を超え、11年連続で、最多を更新しています。不登校の子どもたちの自殺率は、そうでない子より高く、一刻も早く、大人が手を差し伸べるべきなのです。

国も予算化して登校できるように支援する「校内支援員」を配置しており、こうした居場所が確保されていると登校につながる効果が見られていますが、まだ学校数の半分にも満たない状態で予算は全然足りていません。

●教員の「未配置」4700人超で「教育の穴」  教員不足で深刻化する長時間労働  新たな職の創設による階層化で分断も

学力テストに象徴される過度な競争と管理の教育が重圧のように学校に垂れこめ、増え続ける教育内容に子どもたちの心が悲鳴を上げ、発達のおくれやアンバランスを生んでいます。登校していても学校にいきたくないと思っている子どもたちも増えています。

生きづらさを抱えているのは教職員も同様です。教職員の精神疾患が 7000 人を超え、過去最多となりました。産休・育休者にも病休者にも代替者がみつからず、教員の未配置が全教の調査でも4700人を超えていることが報道されました。この「教育の穴」が子どもに及ぼしている影響は深刻です。「担任不在で対応する教員が日替わりで変わって子どもが落ちつかない」、「自習時間が増えた」、「美術や家庭科などの授業がまったく受けられない期間があり補習されない」など学習権が侵害されています。

教員が足りない中で長時間労働は解消するどころか、ますます深刻化しています。その処遇改善として、現在4%の「教職調整額」を5%へ増額される案がしめされました。しかし、給特法制定時の53年前の残業は、小学校の教員で週当たり1時間20分。それが2022年の文科省の調査では20時間34分。1日平均4時間の残業を無償でやっていることになります。「教職調整額」を数%増額させる対応だけで、抜本的改善になるわけがありません。

さらに、教諭と「主幹教諭」のあいだに「主任教諭」という「新たな職」を創設しようという案や、担任をもった人には担任外の人より手当をほんの数千円加算する案などが浮上しています。これは教職員を差別化、階層化し、給与に差をつけることによる「分断」につながる懸念があり、学校がもっているチームワークを破壊するものです。

●給食費無償化、大学無償化のため教育予算の増額を

よく知られていることですが、教育予算の国際比較をすると、対GDP比は2.90%でOECD加盟38か国中、下から2番目です。せめて平均まで増やせば、どれだけのことが可能になるでしょう。学校給食は、給食の質をさげず、アレルギー対応も含めた安全性を確保した上での無償化が求められていますが 約5000億円あればできます。

東京大学の授業料引き上げも、議論から学生を排除しながら強行されようとしていますが値上げの要因が国の運営費交付金の削減であれば、国に増額を求めることが最優先されるべきであり、学生に負担増を求めるのは誤りです。日本の際立って高い私費負担の割合の改善こそ政府はすべきです。大学無償化は 1兆8000億円あればできるといいます。

●「教え子を再び戦場に送るな!」憲法をいかす政治への転換を!

大軍拡という もっとも愚かな政策に私たちの税金を使ってほしくありません。

私たちが交渉するたびに「財源がない」といってきた政府が防衛費だけは青天井なのが、本当に許せません。今こそ子どもたちのSOSを受け止め、教育予算を増額するときです!

 これは皆さんご存知の「あたらしい憲法のはなし」です。戦後1947年に文部省が発行した、中学1年生用の「教材」です。部分部分を抜粋して読みたいと思います。

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いまやっと戦争はおわりました。

戦争をして、日本の国はどんな利益があったでしょうか。

おそろしい、かなしいことが、たくさんおこっただけではありませんか。

戦争は人間をほろぼすことです。

そこでこんどの憲法では、2つのことをきめました。

一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、戦争をするためのものは、いっさいもたないということです。これを戦力の放棄といいます。日本は正しいことを、他の国よりさきに行ったのです。

もう一つは、よその国と争いごとがおこったとき、おだやかに相談をして、きまりをつけようというのです。これを戦争の放棄というのです。よその国となかよくして、 世界中の国が、よい友だちになってくれるようにすれば、日本の国は、さかえてゆけるのです。

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全教は結成以来、「教え子を再び戦場に送るな」をスローガンに掲げてきました。

今こそ、日本国憲法のもつ恒久平和、国際平和の理念に立ち、この憲法を生かす政治へと転換させたいと切に思います。

教職員基礎定数の改善で先生をふやし、子どもたちにとって学校が安心して通える場になり、たのしく学び合いができ、自分を発揮できる場所にしたい。子どもたちが明るい未来をえがき 将来の夢をたくさん語れる社会にしたい。

この私たちの願いを皆さんと共有し、一緒に声を上げてくださいと呼びかけます。

(※2025年2月5日院内集会 大軍拡・大増税よりも、くらし・福祉・教育の充実を!~戦争の準備よりも平和の準備を!~ での発言より)

全国で旺盛に取り組みを展開し、大軍拡・大増税NO!の声を参議院選挙の大きな争点に押し上げよう!!

大軍拡・大増税NO!の署名を大きく広げよう!

ぜひ、各地の取り組み、ニュースなどお寄せください。

move@zenroren.gr.jpまで

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