全国労働組合総連合(全労連)

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職場でのあらゆる暴力とハラスメントをなくすためにILO第190号条約の批准を求める国会請願署名

2025/04/02

【請願趣旨】

「今年は妊娠しないでね」「つわりで休む気か」「黙れ」「不快」など職場でのハラスメントが絶えません。ハラスメントは人権侵害です。職場における暴力とハラスメントは、当たり前の権利行使を妨げ、被害者に取り返しのつかない深刻な精神的・身体的苦痛を与え、職場を去らざるを得ないなど、決して許されるものではありません。

2022年4月から労働施策総合推進法により、それまであったセクシュアルハラスメント(雇用機会均等法2007年改正)や、妊娠・出産、育児・介護休業に関するハラスメント(雇用機会均等法、育児・介護休業法2017年改正)に加えて、すべての事業所でパワーハラスメント防止措置が義務化されました。

しかしその後も、ハラスメント相談は減るどころか高止まり、「相談しても解決に結びつかない」との声が上がっています。現行の法律ではいずれも事業主の防止措置義務にとどまっており、ハラスメント禁止規定も罰則もなく、規制力が弱いためです。さらに複合的に起こることの多いハラスメントへの防止措置をそれぞれ別の法律で規定しているため使いにくくなっています。近年は、インターンや就活生へのハラスメントや、顧客、取引先等からの著しい迷惑行為のカスタマ―ハラスメントも問題になっています。今の法律では、裁判でも民法上の不法行為で争うほかなく、被害者の救済やハラスメントの防止にはつながりません。

2021年6月ILOは第190号条約「暴力とハラスメントの撤廃に関する条約」が発効しましたが、日本政府は条約審議の中で賛成したもののいまだに批准していません。

2024年10月17日に国連女性差別撤廃委員会で行われた日本報告審議の総括所見では、労働施策総合推進法のパワーハラスメントに関する規制が、ジェンダー関係および力関係に十分に対応していないことが指摘され、勧告では、「職場における差別、ジェンダーバイアスおよびハラスメントにつながる有害なジェンダー規範および社会規範に取り組むこと」とされたほか、独立した国内人権機関の設立も求められています。

ハラスメントをなくすために、日本の法規制を国際水準に引き上げること、職場における暴力とハラスメントの定義を定め、人権侵害として罰則付きで禁止すること、ILO第190号条約批准、独立した人権機関の設置を求めます。

【請願事項】
1.日本政府はILO第190号条約「仕事の世界における暴力およびハラスメントの撤廃に関する条約」を批准すること。
2.上記条例の原則に基づき、すべてのハラスメントと暴力を禁止する「包括的ハラスメント及び暴力禁止法」を制定し、罰則規定を設けること。

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