第96回 メーデー宣言
私たちは「働くものの団結で生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう」のスローガンを掲げ、96 回目の中央メーデーを成功させた。
2025 年は、「戦後・被爆」80 年、「男女雇用機会均等法」制定 40 年、「阪神・淡路大震災」から 30 年など、平和、人権、いのちと暮らしを見つめ直す大きな節目にある。しかし、政府は過去最大 8 兆円もの軍事費を計上、新たに統合作戦本部を設置し日米の軍事一体化、事実上、自衛隊が米軍の指揮下に置かれ、米国の戦争に動員される重大な危険が高まっている。男女の賃金格差は依然 70%水準にあり、フジテレビの性加害事件は、女性に対する前近代的な人権意識が残存する企業体質を露呈させた。能登半島地震から 1 年が経過したが、生活者支援は遅々として進まず、人口減少も相まって地域経済は困難を極めている。
いま、政府・財界は労働基準法を骨抜きにする労働時間のデロゲーション拡大を企んでいる。メーデーの起源である「8 時間労働制」を根幹から崩すものであり断固阻止する。トランプ大統領の暴走、相互関税により世界経済の不透明感は極度に高まっており、その動向を注視しなければならない。私たちは労働者の直面する困難をすべての働く仲間との連帯の力で、打開していく。平和の実現に向けて世界のたたかう仲間と固く団結し、連帯強化をすすめる。
すべての働く仲間のみなさん
24 国民春闘では、27 年ぶりとなる組合員一人あたり 1 万 163 円(3.49%)の賃上げを勝ち取った。人事院勧告も 30 年ぶりの高水準となり、2024 年の最低賃金改定は全国加重平均51円・5.0%の引き上げとなった。「デフレ脱却には個人消費、それには賃上げが必要」「内部留保を賃上げにまわせ」と私たちが発信し続けてきたことが、世論となり政府・財界、マスコミを動かしている。「全国一律最低賃金 1500 円」を、政府目標にさせる変化を作り出した。たたかう労働組合、労働者の団結の力である。25 国民春闘は佳境に入っている。仲間の力に確信を持ち、最後まで粘り強く奮闘しよう。
すべての働く仲間のみなさん
政府と財界の賃金抑制策、中小企業置き去りの大企業優先の政策、さらには市場原理主義の農政が暮らしと日本経済を破壊している。3 年連続の実質賃金マイナス、中小事業経営悪化と従事者の低賃金、さらには米価の高騰、コメ不足を招き、国民の暮らしを悪化させている。
私たちはこのメーデーを契機に、物価高騰を上回る大幅賃上げ・底上げで生活改善をはかり、あらゆるハラスメントをなくし、ジェンダー平等の視点で均等待遇と格差是正をめざす。金権腐敗政治に終止符を打ち、石破政権がすすめる増税と大軍拡、武器輸出をやめさせ、徹底した平和外交をめざす。大企業の優遇税制是正と内部留保課税、中小企業への価格転嫁を図る適正取引規制と消費税減税で個人消費を拡大させ、インボイス制度廃止、年金・医療・介護制度の拡充、紙の保険証廃止撤回とマイナンバー利用拡大の中止、防災予算の拡充、中小企業と営農の支援、食料自給率の向上、地域活性化による日本経済回復をめざす。
すべての働く仲間のみなさん
気候変動が激しさを増し、少雨による山林火災が相次いでいる。日本政府は「化石燃料の段階的削減」を表明しつつも石炭火力の廃止期限を明確にしていない。エネルギー政策の転換、原発再稼働・新増設の阻止、地球環境を守るため世界の仲間とともに運動を進める。政府・自治体に防災と減災対策を強化させ、被災地支援に全力をあげよう。私たちは平和と憲法を守る闘いに全力をつくす。唯一の被爆国として政府に核兵器禁止条約の早期批准を求めていく。ガザの即時停戦を求め、ロシアのウクライナ侵略戦争に断固反対する。
働くものの団結万歳!世界の労働者万歳!メーデー万歳!
2025 年 5 月1日 第 96 回中央メーデー集会
