2009国民春闘共闘情報
全労連HP

第38号・回答第6号  2009年06月01日

産業別・単産別総括表  個別回答状況一覧  パート等の賃上げ状況

 

全農協など回答。単純平均5283円

加重は5864円、引上げ率1.92%に

 5月下旬の回答の特徴について 

2009年6月01日 国民春闘回答集計センター

 1.春闘回答集計センターは5月28日、国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産と地方共闘より5月下旬段階の回答を中心とする第6回目の報告を受けた。この間に回答報告があったのは31単産・部会中の24単産と8地方共闘である。

 2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1) 登録組合数 805組合 31単産・部会中 24単産と8地方に回答  
(2) 回答組合数 484組合 引出し率 60.1%  
  うち金額・率回答 358組合 ほか126組合は 「定昇のみ」などで未計算  
  うち2次回答以上 86組合 上積み率 24.0%  
  うち前年実績以上 112組合 回答数の 31.3%  
  妥結組合数 202+40組合 解決率 30.1%  
(3) 単純平均 358組合 5,283円 同率 1.75%
  前年同期 367組合 5,806円 同率 1.93%
  前年同期比   − 523円   − 0.18P
  加重平均 8.1万人 5,864円 同率 1.92%
  前年同期 9.0万人 6,715円 同率 2.06%
  前年同期比   − 851円   −0.14P


 4) 5月中旬の動向について
 5月段階は例年、産業・地域相場や国・地方自治体の予算編成で賃上げ額が左右される単産が回答引き出しに奮闘するとともに、先行単産の未解決組合が解決をめざしてたたかっている。こうしたなかで今回は、全農協労連より初報告が寄せられ、建交労・建設、建設関連労連、金融労連、映演労連、日本医労連と地方登録組合などから新規回答とともに上積み回答が報告された。新規回答の特徴は、定昇制度のあるところで「定昇のみ(ベアゼロ)」が多く、定昇制度がないところでは「定昇なみ」の4000〜6000円台の低額が目立っている。また、これまでに86組合が第2次〜第5次の上積みをかちとり、112組合が前年実績以上(同額を含む)をかちとった。1万円以上を獲得した組合は22組合である。これらの組合を中心に妥結する組合も増えてきたが、今なお全体の30%(202組合+「定昇のみ」などの40組合)の水準である。


 3.時給19.6円アップ。パート等の賃上げ、企業内最賃の回答・協定状況について
 同日集計のパート等の賃上げは、10単産の203組合がかちとった。うち時間額アップは162組合になり、全体平均は19.6円で前年同期(215組合平均25.6円)に比べて6円の減額になっている。今回は全労連全国一般、日本医労連、建交労、化学一般労連などの13組合から新規回答の報告が寄せられたが、個別には相変わらず10円、15円、20円の報告が多いなか、医療などに100円アップが見られた。このため、新時間額の1159円、引上げ額の19.6円とも前回集計時の平均(1102円、引上げ額17.9円)よりも増額傾向を示した。なお、日額引上げは7組合の平均で75.6円、月額引き上げは34組合の平均で1916円となり、こちらは若干の減額傾向を示している。
 企業内最賃の回答・協定は7単産の月額、時間額を中心に171組合で、前年同期(175組合)とほぼ同水準で推移している。月額回答105組合の水準は、建交労・18歳最賃が29組合平均で17万4864円(前年比+498円)、化学一般労連が17組合平均で15万1088円(同+2200円)、全印総連が4組合平均で15万9500円(同+−0円)、日本医労連・誰でも最賃が19組合平均で16万3035円(同+388円)である。職種別のトラック最賃と看護師最賃を加えた全体平均は17万6420円となり、723円の引き上げになった。なお、時間額の回答・協定は137組合で平均が1000円を突破して1010円に、日額の回答・協定は57組合で平均7793円にと各々上昇してきた。

 4.他団体の賃上げ集計結果について(前回4/27付と変わらず)
1) 4月20日現在、連合の第4回回答+妥結集計は以下のとおり。(再録)

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 2139 156.1 5,112 1.73 5,687 1.93 4,140 1.58 4,579 1.79
35歳P 68 6.8         5,870 2.21 5,996 2.20
30歳P 39 2.3         6,695 2.65 6,739 2.78

2) 5月20日現在、日本経団連調べの第2回回答+妥結集計は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 66 - 5,798 1.76 6,165 1.89 5,283 1.69 5,516 1.79
中小企業 232 - 3,651 1.42 4,336 1.68 3,319 1.31 4,117 1.64



未解決支援と一時金、最賃・人勧闘争の強化を

 5.今後のたたかいについて
 国民春闘共闘委員会は5月13日、第6回常任幹事会を開催し、09春闘の賃上げ・雇用確保の到達点のうえに、未解決のたたかい支援、抑制・引き下げ攻撃が強まる夏季一時金闘争と法定最賃、09年人勧闘争の一体的な強化を確認し、各単産、地方共闘に要請した。
 春闘未解決の組合は本集計でも約7割近くもあり、5月〜6月段階で農協、建設、金融、映演、福保、私学などの組合が回答引き出しに奮闘中である。こうしたことから、「流れ解散」を回避し、早期決着を迫る取り組み強化と支援体制の確立が必要になっている。
  この時期は一時金闘争もはじまり、5月10日に生協労連、13日に建交労が回答指定日を迎え、6月上旬〜中旬には各単産が順次回答指定日を迎えて夏季闘争が本格化する。これまでのところ、民間調査機関による大企業の回答・妥結状況が「7年ぶりに大幅な減額」と報じられ、公務員の夏季一時金も人事院の不当な勧告によって0.2カ月分の減額が予定されている。なお、労務行政研究所調べの東証1部上場企業140社では平均64万8149円で、対前年伸び率は▲14.4%、また、日本経済新聞社調べの主要企業201社では平均71万7051円で、▲15.2%となっている。(注:いずれも製造業中心の調査でマイナス幅が大きく出る)

 09年度の最賃・人勧闘争も本格化し、5月15日の「第2次最賃・人勧デー」(早朝宣伝、経済団体・厚労省要請、省庁交渉、国会議員請願など)につづき、来る
6月17−19日(地方の最賃・人勧デー)、
6月30日(中央で703分のハンスト座り込み)

などが計画されている。延長国会における海賊対処新法、労働者派遣法の抜本改正などとも結合した、夏季闘争の前進をめざしているところである。

(以 上)




   

 「働くルールの確立を求める請願署名」集約数   205,950筆

  5月29日現在(労働法制中央連絡会・到着分)

 



 
 貧困・生活危機突破の大運動で、変えるぞ大企業中心社会




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