TOP BACK
ニュース
 
 
7月23日(水)

1日目の様子

写真
副議長
田中千恵子

写真
全労連議長
坂内 三夫

写真
農民運動全国連合会
白石淳一会長

写真
新日本婦人の会
高田公子会長

写真
労働運動総合研究所
牧野富夫代表理事

写真
反貧困ネットワーク
宇都宮健児代表



写真 労働運動総合研究所

牧野富夫代表理事

 もう十数年になりますが、自分の講義の学生に同じ質問をぶつけてまいりました。ひとつは「労働組合を必要と思うか」。この質問には大体、十数年、ほとんど同じぐらいの割合で、大体8割ぐらいは「必要だと思う」と、こういうことできました。

 もうひとつの質問は「君は、あなた方は卒業して労働組合に入るつもりか」と。こっちのほうは、大体2割(笑)ぐらいでずーっときていました。昨年あたりから変化があって、今年の「入るつもりか」という質問に対して、なんと半分、半分強が「入るつもりだ」と。

 これは、聞いているわたしがびっくりするぐらいの変化であります。いろいろな理由があるのだろうと思います。みなさん方の闘いがあちこちで勝利して、それがマスコミを通じて、彼らの耳にも留まると、そういったこともあるでしょう。あるいはまた、大学を出れば、ちょっと前までは正社員になるのは当たり前だったのが、今やそうでない派遣とかそういう形で就職する先輩たちを彼らはよく知っていますから、あるいはまた、首尾よく正社員になったって、ちょっと前までは会社の金を使い込んだりしない限り、大体定年までいられるのではないかと思っていたと思うのですけれど、そうでないことを、彼らも、よく、周りのおそらく自分の父親や兄弟や友人を通じて知っているのですかね。

 とにかく、就職問題というのは学生にとって前から大変な関心事でありましたけれど、今や、一番の悩み、不安材料になっていると思います。そういうこともあって、さっきのような「卒業して自分も労働組合に入る」と半分ぐらいの学生がそういう答えをするようになったのではないかと思います。中には、責任者ですけれども、アルバイトをずーっとしていて、そのアルバイト先で労働組合を作りたいけれども「先生、どうやって作るんだ」なんていう、そういうびっくりするようなのも出てくるような状況であります。

 全労連のみなさん方の闘いが、そういう状況をもたらしているひとつの大きな理由だと思うのですけれども。全労連は間もなく結成20年を迎えるということですけれども、さっき坂内さんもおっしゃっていましたけれど、その前に、わたしは全労連ができると、いろいろなことがどんどんどんどん実現していくんじゃないかと。全国一律最低賃金制なんていうのは、全労連ができると、もう間もなく実現するのではないかと(笑)。

 全労連ができて、確かに運動方針には真ん中にどかんと座っていますけれど、運動方針に立っている様子もないし(笑)、座ったままではこれは具合が悪いなと、そういうことでずーっと90年代の、正直言ってあまりいけないこと言えませんけれど、できても大したことないと思っていたのですよ(笑)。

 「階級的ナショナルセンター」なんて、自分で、あなた、言うことではないと思うので(笑)。だから労働組合なんてのは、周りがそう思ってそう言うのだったらいいのですけれど、自分でそういうことを言ってはおかしいのではないかと思っていたのですけれど(笑)。

 本領を発揮し出したとわたしが思うのは、政府・財界の構造改革路線が本格化していく90年代半ばあたりから、もし全労連がなければ、構造改革にイエスの労働団体しかなければ、これはどんなふうだと。その辺から全労連も意味があるのだということを、だんだんだんだん実感していくようになりました。もっとも最初の頃は、構造改革に反対なんか言っている全労連に対して、周りは「理想論だ、そんなことできるか」なんていうことであったと思いますけれど、今や、基本的に賛成の立場にある労働組合もいろいろな全労連運動の影響があって、世論がそういうふうに言って、構造改革というのは構造改悪だということを――本当に「改革」というのが曲者ですよ、名前が――あれは「改悪」だと読み替えて対応する、見るようになってきたのではないですか。この功績はすごく大きいと思います。

 それと、あまりしゃべっているといろいろと迷惑を掛けますから(笑)。ひとつ、非正規センター、これには本当に期待いたします。非正規労働者がいっぱい、どんどん増えていることについては、みなさんご存知のとおりですけれど、そういう人たちの労働条件・賃金を正規に近づけたい。正規に近づけるだけでいいんですかね。

 ふつうの商品は、例えばあめ玉をわれわれが買うと、バラのほうが高いのですよ(笑)。まとめて、正社員まとめてでしょ。バラのほうが高いぐらいでいいですよね。どうです(笑)? そういうことも含めて、非正規センターができて、バラ売りのほうが高いと。バラ売りのほうが高ければ、買うほうも「やめた」ということになりますよね。まとめて買ったほうがいいではないかと、正社員で。

 実はわたしは労働総研の代表として、今ご挨拶申し上げているわけですけれども、労働総研も同じときに発足して、来年20周年を迎えるわけでありますけれども、みなさん方の運動の闘いの少しは役に立つように。最近、なんか扶養家族みたいに思われていますね(笑)、金ばかり使いやがって。最近は、扶養家族、まだ持っています(笑)? これからは、やはりこういう時代、今世紀は「知の世紀」なんて言われているではないですか。やはりわれわれの闘いでも「知」というのが大きな役割を果たすと思います。労働総研、いろいろな、200名近い会員、全国の大学の研究者を結集しています。いろいろな性向の人間がいます。いろいろな形で、どうぞご利用になっていただきたいと思います。

 最後になってしまいましたけれど、第23回の定期大会、これが成功裏に終わることを祈念いたしまして、挨拶といたします(拍手)。

開会あいさつ
全労連議長あいさつ
来賓あいさつ
農民運動全国連合会
白石淳一会長


新日本婦人の会
高田公子会長


労働運動総合研究所
牧野富夫代表理事


反貧困ネットワーク
宇都宮健児代表


メッセージ・祝電紹介
議案提案
質疑・議案討論
大会スナップ