4・15日年金ストの経過と到達
全国の仲間が4.15年金ストライキに決起
100万人以上が行動に参加
デモ・宣伝・署名・集会など多彩な行動を展開

 全労連、国民春闘共闘委員会は15日、04春闘最大規模の行動として「春闘第4次全国統一行動/年金ストライキ」を実施しました。
単産では、自交総連の2時間ストライキをはじめ日本医労連、JMIU、建交労など11単産がストライキや指名ストを決行、また公務単産ではスト職場激励や職場集会・デモ、年金シール投票、宣伝・署名行動、学習会はもちろんのこと、地域行動など多彩な行動に全組合員規模で決起しました。
 地方においても、北海道が「年金行進」や全道1000ヵ所での地域宣伝など1万5000人以上が決起したのをはじめ京都(5万人)、埼玉(2万人)、大阪・神奈川(1万人)など全県で「2・25地域総行動」を大きく上回る規模での共同のとりくみを展開。日本列島全体に「年金改悪反対」の声と行動が響き渡り、多くの国民から賛同や共感がよせられています。
15日午後3時現在、事務局の調べでは、32単産47全都道府県で国民的共同もふくめ100万人以上が行動に参加し、「年金スト・春闘第4次全国統一行動」は、全労連・春闘共闘として過去最大規模の全国統一行動となりました。
 全労連・春闘共闘は今日の「年金スト」の成功を機に、引き続き賃金闘争での要求前進をめざすとともに、年金改悪法案の廃案、有事関連7法案など悪法阻止にむけて、国会前座り込み行動(4/21、22、23)、4.21緊急集会や闘争集中ゾーン(4/26―30)、第75回メーデー成功にむけて奮闘します。
年金改悪反対! 自衛隊はイラクから撤退せよ!
4・15年金ストに呼応した国会前座り込みに1200人

 全国で取り組まれた年金ストライキに呼応して、晴天の国会前に1200人が座り込みました。埼玉からはむしろ旗をもった埼玉土建の組合員が、神奈川からは3月から取り組んでいる年金行進の終着点として、新橋駅から国会まで行進してきた組合員が、ストライキを行った交運共闘の組合員などが参議院から衆議院の議員会館前をうめました。
 医療・社会保障制度の根幹にかかわる贈収賄事件の徹底究明を
 昼集会の主催者あいさつで、全労連の熊谷議長は春闘最大の山場と位置づけた4・15の行動に、春闘共闘参加単産を含め32単産、47の全ての都道府県で100万人以上がストや座り込み、早朝宣伝などさまざまな行動に決起していると報告。14日夜に明らかになった診療報酬の引き上げをめぐる日本歯科医師会会長、元社会保険庁長官、連合副会長らを含む贈収賄事件について、医療・社会保障制度の根幹にかかわるしがらみの解明がないままの年金審議は認められないと批判しました。
 国会情勢報告にたった山口富男衆院議員(日本共産党)は、政府の年金改悪案の正体が明らかになればなるほど怒りが広がっていると報告。国会審議で明らかになった政府案の問題点を告発しました。日本共産党からは塩川鉄也衆院議員、畑野君枝、小池晃、八田ひろ子の各参院議員が座り込み参加者を激励しました。
 参加者からの決意表明として、自身の年金額も示して怒りを語った国民春闘共闘代表幹事の老田全農協労連委員長。3月から県内で取り組んだ年金行進を報告した神奈川県社保協の虻川事務局長。新婦人東京都本部の上伸子会長は地元国会議員に要求を届ける活動を報告。100万枚のビラを地域で配布している埼玉土建の中村社会保障対策部長。年金改悪の一点共闘で運動を広げる神奈川労連の片野副議長が、交運共闘からは杉山議長が生コンやトラック産業で労使一致で年金反対行動を行っていることも紹介し決意表明を行いました。
 21日に昼デモ・座り込み・日比谷野音集会で決起 
 最後に発言した全労連坂内事務局長は、国民の8割、労働組合が反対し、財界までも反対している年金改悪法案を廃案に追い込むため、連合が国会前座り込みを行う21日には昼デモ、座り込み、夕方からの日比谷野音での集会で決起しようと呼びかけました。また、イラク人質問題で、日本人の生命を危険にさらしても「しかたがない」という政府の姿勢を糾弾しました。
 横浜市従の時間外集会から参加した保育士の参加者は、議員会館から議員を乗せて出てくる車に、「年金改悪反対」と書いた横断幕を見せてアピール。「長く働いているけれど、ますます年金額が下がります。絶対に許せない」と話しました。2時過ぎには財務・金融総行動実行委員会による850人のデモ行進も。座り込み参加者とエール交換。「年金改悪反対」とシールを貼ったタクシーも座り込みの参加者の前を次々と通り、参加者を激励しました

「国民年金のみなさんは定年がないから大丈夫!!??」
坂口厚生労働大臣  14日衆議院厚生労働委員会での答弁

  4月14日、衆議院厚生労働委員会が開催され、政府提案の「国民年金法等の一部を改正する法律案」民主党提案の「公的年金制度の抜本改革を推進する法律案」「年金積立金管理運用独立行政法人法案」など4法案が審議されました。自民・公明両党は、民主党案に対して最低保障年金の金額・保険料などについて、法案上、数字が明確になっていないと追求。民主党は年金積立金の支出、使い道の不透明さ、厚生労働省官僚の天下り問題など厚生労働省の不正を糾す質問をおこないました。
 平均生計費の4割にも満たない国民年金受給者(山口富男)
 共産党の山口富男議員は、国民年金の給付額の平均が4万6千円となっており、家計調査における高齢者の平均生計費24万952円に対し、国民年金受給者は夫婦合算してもその4割にも満たない。国民年金法は憲法25条にもとづく、生存権保障の観点から見ても異常に低い国民年金の現状をどう見るのか。今回の法案は年金額が低い人も、一律に15%削減になると厳しく大臣を追及しました。これに対し坂口厚生労働大臣は、国民年金の自営業者の人はサラリーマンのように定年制があるわけではなく、健康であれば、働きつづけられると答弁。前日朝日新聞に「自分で保険料を支払う国民年金の加入者(第1号被保険者)約2200万人のうち自営業者の割合が初めて2割を切る一方で、パートや臨時雇用労働者が2割を超えたことが10日、社会保険庁が集計中の01年度の被保険者実態調査でわかった。国民年金の「空洞化」の大きな要因とされる自営業者の未納付増加に加え、失業者やフリーターが増えるなど若年層を中心に就業構造が大きく変化しているためとみられる」という報道がなされているのもかかわらず国民の実態を把握していない大臣が提案する政府案は廃案にする以外ないことが、あらためて明らかになった委員会審議でした。
 国民年金保険料の未納者は失業・不安定雇用労働者(阿部知子)
 また、社民党の阿部知子議員は厚生年金被保険者が減り、国民年金被保険者が増えている実態がある中、国民年金保険料の就業状況別納付状況を示しました。その結果自営業者は、70%以上の納付率に対し、常用雇用者46.5%、無職43.%、臨時・パート40.5%の納付率となっており、国民年金被保険者が自営業者ばかりではなく、不況による失業者や不安定雇用労働者などの層の増大とその部分での保険料の支払いが困難となっている深刻な実態が浮き彫りとなりました。阿部議員は「いくら免除制度などの周知徹底を図っても、国民年金の半分が保険料を払えないとなると制度は崩壊する。基礎年金部分を保障する大改革が必要だ」と指摘しました。
  阿部知子議員がしめした国民年金被保険者の実態資料2点を以下に紹介します。国民年金の問題は自営業者の問題というだけでなく、失業者、零細企業の労働者、臨時・パートなど、困難な立場に立たされている広範な労働者の問題であることがよくわかるグラフです。

今日、4・15年金ストライキ

全労連・春闘共闘が「日刊ゲンダイ」(4月14日号)に意見広告
4・15年金ストライキ・連帯集会のための「行動決議案」

 「4・15年金ストライキ」は、日本医労連「1時間以上のストライキ」を中心に7万5000人、自交総連「84組合による2時間以上のストライキや全国5箇所=当日は3箇所でのタクシーデモ」などに1万3530人、JMIU「夕方のストライキや宣伝行動」に200支部5000人、生協労連「店内放送やハンドマイクでの店頭署名・宣伝活動」に全国350店舗・パートを含む1万人、公務単産を中心とする「早朝・昼休み・退庁時など時間内外の職場集会や休暇闘争での宣伝・座り込み行動」など、多彩に取りくまれます。
 全47都道府県で住民各層と共同する実行委員会などを中心に、京都5万人、埼玉2万人、大阪は集会だけで1万人などの大きな規模の行動がとりくまれます。
 これに全国津々浦々の職場・地域での多様な共同、ひきつづき国会での年金審議を包囲するたたかいも含めると、年金闘争は100万人規模にせまる大闘争に発展してきています。


  全労連は年金審議山場の4月21日(水)に以下の行動をよびかけています
    1) 昼デモ(霞門〜。連合は国会前座り込み中
    2) 議員要請
    3) 夜の決起集会(午後6時半〜日比谷野音)

           集会は「許すな有事法制、年金改悪反対4・21集会」(仮称)とし、安
           保実行委・中央社保協・有事法制連絡センター・国民大運動実行
           委・東京地評などとの共催で行ないます。

 全労連第34回評議員会(1月23日)は、年金改悪・大増税阻止への国民的共同をよびかけ、4月15日年金ストの配置を確認しました。年金など国民的要求でのストライキは1994年以来です。
詳細は
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