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中南米

 中南米はいま、経済、社会、政治のすべての面で新しい変革のうねりに覆われている。1998年のベネズエラでチャベス政権が誕生したのをはじめ、2002年にはブラジルで労働党のルーラ政権の成立、つづいてエクアドル、ボリビア、アルゼンチンで政権交代があり、そして2004年にはウルグアイで拡大戦線を基礎とする革新勢力の勝利があった。全体として中道左派の台頭などと描かれることもある。変化の背景、勢力、課題はもちろんさまざまであるが、これらのなかから浮かびあがってくるのは、自由市場経済の名のもとに多国籍企業による収奪強化の道を開こうとする米国の支配と干渉に反対して、独立と経済、社会の自主的発展を追求する運動のあらたな高まりである。これらの多くの国では、労働組合、政党、人権・環境・経済発展などのさまざまな分野の社会運動が、政府とともにこの同じ方向で発展しつつある。また、地域的な共同行動の動きが、政府レベル、社会運動レベルのどちらにおいてもあらわれている。

<南米の経済統合への動きが加速>
 12月、ブラジルで南米南部共同市場(MERCOSUR)の第27回首脳会議が開かれた。同共同市場の議会を発足させること、2007年1 月より経済圏内の不均衡の縮小に役立たせるための「構造統合基金」を設置する構想を打ち出した。もともとブラジル、パラグアイ、アルゼンチン、ウルグアイによって10年前にスタートした通商ブロックだったが、これにべネズエラ、コロンビア、エクアドルが準加盟し、ボリビア、チリ、ペルーも加わった。地理的には中米に位置するパナマ、メキシコも閣僚を派遣して準加盟の準備を始めた。

<進展しない FTAA交渉>
  米州自由貿易地域協定(FTAA)交渉は1994年に始まり、2005年 1月までに完了するという目標だったが、これにたいする中南米諸国の抵抗が年々つよまるなかで行き詰まっている。FTAAは、現在の米国、カナダ、メキシコ三国の北米自由貿易協定(NAFTA) を、いわば南北アメリカ全体に拡大しようというものである。しかし、1993年に発足していらい、「自由貿易協定」のもとで、メキシコの貧困が増大し労働者の権利が奪われるなかで、米国の多国籍企業が「自由貿易」の名のもとにメキシコを食い物にするのを、他の中南米諸国は目の当たりにしてきているわけで、抵抗がつよまるのも当然といえる。

メキシコ メキシコ Mexico

2005年2004年2003年


ブラジル ブラジル Brazil

2004年2003年


ボリビア ボリビア Bolivia

2005年2004年


ベネズエラ ベネズエラ Venezuela

2005年2004年2003年


コロンビア コロンビア Colombia

2005年2004年2003年


 
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