2014国民春闘共闘情報
全労連HP

第32号 2014年6月2日

2014春闘・第7回賃上げ集計

引き上げ率 単純2.01%・加重2.09%!

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は5月29日、2014年春闘における第7回目の賃金改定集計を行いました。

<回答状況>
  2014年 2013年
登録組合数 855 871
回答組合数 499(58.4%) 473(54.3%)
うち金額・率回答 374 386
うち「定昇のみ」など
言葉による回答
125 87
うち上積み獲得 114(22.9%) 92(19.5%)
うち妥結組合数 329(65.9%) 269(56.9%)

<回答内容>

集計方法&対象 2014年 2013年 (前年比)
単純平均 額(円) 5,780 5,412 +368
率(%)  2.01 1.93 +0.08
加重平均 額(円) 6,215 5,973 +242
率(%) 2.09 2.03 +0.06
組合員数(人) 97,814 106,765  

<前年実績との比較が可能な組合における回答状況(単純平均額での比較)>

前年比較可能な組合数 うち前年実績以上 (前年超) (同 額)
332 221(66.6%) 190 31

<前年実績との比較が可能な組合における単純平均額・率の比較>

組合数 組合数 金額・率 前年実績 (前年比)
単純平均 額(円) 332 5,809 5,393 +416
率(%) 220 2.05 1.90 +0.15
※額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。
※「定昇のみ」など言葉による回答は計算から除いています。

<集計結果の概要>
回答引出し・妥結状況

 第7回集計には、あらたに合同繊維労組、全証労協から報告が寄せられ、26単産・部会(うち、通信労組、福祉保育労は、数字でなく言葉による回答のため総括表には表記せず)での集計となりました。
 登録855組合のうち、これまでに回答を引き出したのは、499組合・58.4%で、前回調査(第6回集計・5月14日時点)から58組合、7.1ポイント上昇しています。この2週間で、全農協労連、建設関連労連、全労連・全国一般、金融労連、日本医労連を中心に回答引出し数を伸ばしています。
 前年同期(2013年5月30日時点:473組合・54.3%)との比較では、26組合・4.1ポイント上回っています。
 回答を引き出した組合のうち妥結したのは、前回調査(189組合・42.9%)から大幅に増え、329組合(妥結率65.9%)となりました(「定昇のみ」などの言葉による回答組合も含む)。
 各組合で粘り強い交渉が繰り広げられたことなどもあり、前年同期と比べ若干解決が遅れる傾向にありましたが、5月後半に入り未決着組合での妥結も進み、前年同期(269組合・56.9%)を60組合・9ポイント上回りました。
 しかしながら、まだ多くの組合がたたかいを継続しており、夏季一時金闘争とも併せ、奮闘しています。

全体の回答内容
 有額回答を引き出した24単産・部会での単純平均(一組合あたりの平均)は、5,780円・2.01%、加重平均(組合員一人あたりの平均)は、6,215円・2.09%となっています。
 前回調査から単純平均で44円減・±0ポイント、加重平均では46円減・プラス0.02ポイントとなり、前年同期との比較では、単純平均で368円・0.08ポイント、加重平均で242円・0.06ポイント上回っています。
JMIUの組合で6次回答を引き出したのをはじめ、JMIU(2組合)、化学一般労連、地方マスコミ(各1組合)の 計4組合で5次回答、JMIU(4組合)、化学一般労連、日本医労連(各3組合)、全印総連、映演労連(各1組合)の計12組合が4次回答を引き出すなど、回答を引出した499組合のうち、114組合(22.9%)が数次にわたる回答を引き出しています。
 前年同期(92組合・19.5%)を22組合・3.4ポイント増と大きく上回っており、ストライキや産別団交なども実施しながら粘り強く交渉を重ね、前進回答を引き出したことが伺える状況となっています。
 また、月額1万円以上の賃金引き上げを獲得した組合は、対前年同期比9組合増の29組合となり、2.5%以上の賃金引き上げ率となった組合も前年同期から4組合増え、55組合となっています。
 単産・部会別に見ると、単純平均額で前年同期と比較可能な23単産・部会のうち、18単産部会が対前年同期比プラス、5単産・部会がマイナスとなっています。
 水準に着目すると、建設関連労連、JMIU、全労連・全国一般製造、検数労連、郵政産業ユニオン、民放労連、出版労連、映演労連、地方マスコミが、額で単純・加重平均ともに全体平均以上となっています。率では、全農協労連、建交労・建設、建設関連労連、JMIU、検数労連、郵政産業ユニオン、民放労連、出版労連、が全体平均以上となっています。
 規模別でみると、「1000人以上」が単純平均6,221円・2.09%、加重平均6,739円・2.28%と規模の大きなところが高水準の回答で全体を牽引し、「29人以下」が対前年同期比853円・0.21ポイント増など、中小規模組合が前年同期を上回る回答を引き出していることが一つの特徴です。

前年実績比較可能組合での回答状況
 前年実績との対比が可能な332組合での単純平均額は5,809円で、前年実績比416円増となっています。このうち66.6%あたる221組合が前年実績額以上の回答を引き出しています。前年同期(195組合)を26組合上回っています。また、前年同期(152組合)を38組合上回る190組合で前年実績額を超える回答を引き出しています。
 単産・部会別にみると、比較可能な23単産・部会のうち、建設関連労連(3,153円増)、検数労連(1,678円増)、全労連・全国一般製造(1,583円増)、合同繊維(1,475円増)、建交労・建設(1,400円増)など18単産・部会が対前年実績比プラス、5単産・部会がマイナスとなっています。
 引き上げ率で前年実績と比較可能な220組合での単純平均率は2.05%で、前年実績(1.90%)比0.15ポイント増となっています。率で比較可能な22単産・部会のうち、対前年実績比プラスは18単産・部会、マイナスが4単産・部会となっています。
 規模別では、「29人以下」が778円円増・+0.27ポイント、「30〜99人」が457円増・+0.28ポイント、「100〜229人」が387 円増・+0.12ポイント、「300〜999人」が170円増・+0.03ポイント、「1000人以上」が207円減・+0.02ポイントと、依然として中小規模組合での健闘が目立ちます。

パート・アルバイトなど非正規雇用で働く仲間の賃上げ
 パート、アルバイトなど非正規雇用で働く仲間の賃上げは、別表の13単産・1地方の175組合から282件での成果獲得となっています。前回調査(5月14日時点:11単産・143組合・240件)から32組合・42件増えました。前年同期(2013年5月30日時点:255件)を27件上回っています。
 時間額での引き上げ獲得は213件で、前回調査(180件)から33件増え、前年同期(196件)を17件上回っています。日額は16件(前回比1件増、前年比7件増)、月額は53件(前回比8件増、前年比3件増)となっています。
 時間額の引き上げ額回答の報告があった163件の単純平均額は26円で、前回調査(28.2円)から2.2円下がりましたが、前年同期(24.9円)を1.1円上回りました。
 民放労連の組合で常勤アルバイトの時間額400円引き上げ、出版労連の組合でも時間額280円引き上るなどの成果を勝ち取っています。
 日額での引き上げ額は、16組合平均155.2円(前回調査比3.7円減・前年同期比80.7円増)、月額では39件平均2,804円(前回調査比8円増、前年同期比855円減)となっています。
 JMIU、生協労連、全労連・全国一般、全印総連、出版労連、日本医労連、自治労連からは、再雇用・継続雇用者の賃金引き上げの獲得の報告も寄せられています。

企業内最低賃金協定改定状況
 企業内最低賃金協約の締結・改定は、別表の7単産・1地方の128組合から報告が寄せられています。前回調査(5月14日時点)からは2組合増え、前年同期(2013年5月30日時点:10単産・72組合)を56組合上回っています。
 月額では、改定後の金額表示のあった93組合の平均は17万9,357円、日額で38組合平均8,254円、時間額で100組合平均980円です。前年同期(月額15万9,809円・日額7,196円・時間額843円)を上回る状況で推移しています。
 引き上げ額・率は、月額で70組合平均3,247円、率で69組合平均1.98%、日額では37組合平均236円・3.40%、時間額は82組合平均19.4円・81組合平均2.06%の上げ幅となっています。

<参考> 他団体の賃上げ集計結果
●連合の第6回回答集計(平均賃上げ方式・5月9日公表)は以下のとおりです。
集計対象 集計組合 加重平均 単純平均
組合数 人数(万) 金額 昨年 金額 昨年
全組合 3,898 243.5 6,103 2.11 5,000 1.74 4,433 1.84 3,925 1.61
中小共闘 2,786 26.5 4,422 1.84 4,118 1.60 4,074 1.77 3,640 1.57
※中小共闘は、規模300人未満

●連合・第6回回答集計(非正規雇用労働者の賃金引き上げ・5月9日公表)は以下のとおりです。
集計対象 時間額 月額
組合数 金額 組合数 金額
全組合 208 12.75 127 3,010

●日本経団連の大手企業 第1回回答集計(4月16日現在)は以下のとおりです。
集計対象 集計企業 加重平均 単純平均
社数 人数 金額 昨年 金額 昨年
加盟企業 41 7,697 2.39 6,051 1.88 5,930 1.98 5,194 1.74
※調査対象は、原則として東証一部上場、従業員数500人以上の企業

●日本経団連の中小企業 第1回回答集計(5月29日現在)は以下のとおりです。
集計対象 集計企業 加重平均 単純平均
社数 人数 金額 昨年 金額 昨年
加盟企業 223 4,438 1.80 4,141 1.64 4,196 1.71 4,005 1.63
※調査対象は、原則として従業員数500人未満、17業種741社

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