2013国民春闘共闘情報
全労連HP

第42号 2013年7月9日

2013年春闘・第8回賃上げ集計(最終)

単純平均5,312円 1.88%

加重平均5,927円 1.99%

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は5日、2013年春闘における最終集計となる第8回賃金改定集計を行いました。登録866組合中、有額回答を引き出した425組合の賃上げ状況は、単純平均で5,312円・1.88%、加重平均で5,927円・1.99%となりました。非正規雇用労働者の賃上げは261組合からの報告で平均24.4円・3.31%を勝ち取っています。

<回答状況>
2013年 2012年
登録組合数 866 795
回答組合数 520(60.1%) 480(60.4%)
うち金額・率回答 425 378
うち「定昇のみ」など
言葉による回答
95 102
うち上積み獲得 100(19.2%) 93(19.4%)
うち前年実績以上 207(39.8%) 191(39.8%)
うち妥結組合数 356(68.5%) 351(73.1%)

<回答内容>
集計方法&対象 2013年 2012年 (前年比)
単純平均 額(円) 5,312 5,235 +77
率(%)  1.88  1.81 +0.07
加重平均 額(円) 5,927 5,448 +479
率(%)  1.99  1.86 +0.13
組合員数(人) 113,681 89,958
※額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。
※「定昇のみ」など言葉による回答は計算から除いています。
※前年同期比は前年第7回集計(2012年7月6日集計)との比較となります。

<集計結果の概要>
回答引き出し前年並み
 最終集計には24単産・部会から報告が寄せられました(うち通信労組は、言葉による回答のみのため総括表には含まない)。登録866組合のうち回答を引き出したのは、520組合・60.1%で、前年同期(480組合・60.4%)とほぼ同水準です。なお、定昇凍結2組合、「ゼロ回答・回答延期」などが57組合、賃下げ回答が2組合報告されています。

賃金引き上げ 額・率ともに前年超え
 賃上げ回答の水準は、単純平均(一組合あたりの平均)で5,312円・1.88%、加重平均(組合員一人あたりの平均)で5,927円・1.99%です。
 回答状況の推移をみると、前回調査(5月30日時点)から単純平均でマイナス100円・0.05ポイント減、加重平均でマイナス46円・0.04ポイント減と微減しています。対前年同期比では、単純平均でプラス77円・0.07ポイント増、加重平均でもプラス479円・0.13ポイント増で、依然として前年同期を上回っています。第1回調査(3月14日時点)では、前年同期を単純平均567円・加重平均995円上回る状況でしたが、集計次数を重ねるごとに前年並みになってきました。

粘り強い奮闘で要求前進
 回答引き出しのあった520組合のうち、前年実績を上回る回答を引き出したのは、163組合・31.4%です。これは前年同期(144組合・30.0%)より19組合・プラス1.4ポイント上回っています。前年と同額だったところは、44組合・8.5%(前年同期:47組合・9.8%)です。
 数次にわたる交渉を行い上積み回答を引き出した組合は、100組合(19.2%)となりました。前年同期の93組合(19.4%)とほぼ同水準です。前年は5次回答が最高次数でしたが、13春闘ではJMIU、日本医労連の2組合が6次回答を引き出し、5次回答がJMIU、全印総連、民放労連、地方マスコミでの4組合、4次回答がJMIU(2組合)、化学一般労連、全労連・全国一般、映演労連、地方マスコミ(各1組合)の6組合などとなっています。
 粘り強い交渉の末、出版労連(8)、民放労連(3)、JMIU(3)、建設関連(1)、生協労連(1)、映演労連(1)、日本医労連(1)、地方マスコミ(1)の計19組合(前年同期23組合)が月額1万円以上の賃金引き上げを獲得し、映演労連の東映やJMIUの大東工業など54組合(前年同期41組合)が2.5%以上の賃金引き上げ率を引き出しています。

単産・部会、規模別での傾向
 単産・部会別でみると、建設関連労連、民放労連、出版労連、映演労連、地方マスコミが単純・加重ともに全体平均額以上となっています。単純平均額で対前年同期比較可能な22単産部会のうち、プラスとなったのは12、マイナスは10となりました。
 鉱業・建設、運輸・通信、卸売・小売、医療サービス、地方組合で対前年比プラス傾向にあり、農林水産関係、製造、金融でマイナス傾向となっています。また、マスコミ関係では印刷関係が厳しい回答状況となっています。

 規模別でみると「1000人以上」が単純・加重平均額ともに6千円以上、「100人〜299人」「300〜999人」「1000人以上」が単純平均額・率で対前年同期比プラスとなっています。規模の比較的大きなところが高水準の回答を引き出し、中小規模のところでは前年並みの水準となっています。

妥結率 前年比4.6ポイント減
 これまでに妥結した組合は、回答引き出し520組合のうち356組合(妥結率68.5%)で、前年同期(351組合・73.1%)を若干下回っています。妥結組合での回答結果は、単純平均で5,433円・1.88%(前年同期比プラス84円・0.06ポイント増)、加重平均で5,969円・1.95%(同プラス627円・0.17ポイント増)となっています。

パート・アルバイトなどの賃上げ平均24.4円 3.31%
 パート・アルバイトなどの非正規雇用で働く仲間の賃上げは、13単産261組合となりました。前年同期11単産・242組合から2単産・19組合増えています。
 時間額引き上げの報告があった146組合の単純平均は24.4円で、前年同期(14.5円)を9.9円上回っています。率でも60組合の単純平均で3.31%と、前年同期(1.16%)から2.15ポイント増となっています。
 日本医労連(50.8円)、民放労連(40円)、福祉保育労(30円)、自治労連(30円)、JMIU(28.4円)などで高い回答状況となっており、日本医労連(25円増)、JMIU(16.9円増)、福祉保育労(10円増)生協労連(0.8円増)で前年同期を上回る回答を引き出すなど、今春闘において非正規雇用労働者の賃上げを重視し取り組んだ各組織の奮闘が伺える状況となっています。

企業内最低賃金協約 時間額平均1,000円を超す
 企業内最低賃金協約の締結・改定を獲得した組合は、10単産261組合となりました。前回調査(5月30日)以降に、建交労、日本医労連から多数の報告が寄せられ191組合増えています。
 時間額は221組合平均1,028円、日額は108組合平均7,762円、月額は147組合平均で171,367円となりました。前年同期(時間額:960円、日額:7,367円、月額:175,761円)とほぼ同水準となっています。
 引き上げ額・率は、時間額で131組合平均33.6円・3.33%、日額で60組合平均178円・2.22%、月額で94組合平均2,249円・1.33%と前年同期(時間額:21.7円・1.96%、日額:105円・1.5%、月額:1,113円・0.68%)から大きく前進しています。
 中央最低賃金審議会で目安の議論が開始されました。これらの成果を活用して、法定最賃「全国一律1,000円以上」をめざし、中央・地方で旺盛なたたかいを展開して行きましょう。

<参考> 他団体の賃上げ集計結果

●連合の第7回回答集計(平均賃上げ方式・7月3日公表)は以下のとおりです。

集計対象 集計組合 加重平均 単純平均
組合数 人数(万) 金額 昨年 金額 昨年
全組合 4,598 199.0 4,866 1.71 4,902 1.72 3,619 1.51 3,740 1.50
中小共闘 3,481 30.8 3,642 1.53 3,710 1.52 3,323 1.45 3,440 1.44
※中小共闘は、規模300人未満

●日本経団連の中小企業 第1回回答集計(5月10日現在)は以下のとおりです。

集計対象 集計企業 加重平均 単純平均
社数 人数 金額 昨年 金額 昨年
加盟企業 172 4,141 1.64 3,855 1.52 4,005 1.63 3,763 1.48
※調査対象は、原則として従業員数500人未満、17業種741社

●日本経団連の中小企業 第1回回答集計(5月10日現在)は以下のとおりです。

集計対象 集計企業 加重平均 単純平均
社数 人数 金額 昨年 金額 昨年
加盟企業 35 6,203 1.91 6,240 1.94 5,358 1.82 5,330 1.76
※調査対象は、原則として東証一部上場、従業員数500人以上の企業

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