2013国民春闘共闘情報
全労連HP

第30号 2013年4月26日

2013年春闘・第5回賃上げ集計

単純平均5,445円 1.92%
加重平均5,951円 2.02%

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は25日、2013年春闘における第5回目となる賃金改定集計を行いました。

<回答状況>
2013年 2012年
登録組合数 870 795
回答組合数 399(45.9%) 350(44.0%)
うち金額・率回答 325 282
うち「定昇のみ」など
言葉による回答
74 68
うち上積み獲得 73(18.3%) 64(18.3%)
うち前年実績以上 163(40.9%) 142(40.6%)
うち妥結組合数 161(40.4%) 143(40.9%)

<回答内容>
集計方法&対象 2013年 2012年 (前年比)
単純平均 額(円) 5,445  5,316  +129 
率(%)  1.92   1.78  +0.14 
加重平均 額(円) 5,951  5,419  +532 
率(%)  2.02   1.82  +0.20 
組合員数(人) 94,194  72,896 
※額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。
※「定昇のみ」など言葉による回答は計算から除いています。
※前年同期比は前年第4回集計(2012年4月25日集計)との比較となります。

<集計結果の概要>
 第5回集計には、21単産・部会から報告が寄せられました。
 登録870組合のうち、これまでに回答を引き出したのは、第4回集計(4月11日時点:355組合・40.8%)から44組合・5.1%増え、399組合・45.9%となりました。前年同期(350組合・44.0%)と比べると1.9ポイント上回っています。4月10日に設定した回答引き出し・追い上げ集中日を結節点に、各単産での取り組み強化が図られたことが伺える状況となっています。
 回答を引き出した組合のうち妥結したのは、161組合・40.4%で、前年同期(143組合・40.9%)とほぼ同水準となっています。

前年比プラスを維持!163組合で前年実績以上の回答引き出す

 賃上げの単純平均(一組合あたりの平均)は、5,445円・1.92%、加重平均(組合員一人あたりの平均)は、5,951円・2.02%となっています。前年同期と比較すると、単純平均で129円増・プラス0.14ポイント、加重平均で532円増・プラス0.20ポイントと、第1回調査時点から前年同期を上回る状況で推移しています。
 回答引き出しのあった399組合のうち、前年実績を上回る回答を引き出したのは127組合・31.8%で前年同期(106組合・30.3%)を1.5ポイント上回っています。前年同額は36組合・9.0%(前年同期:36組合・10.2%)となりました。
 単産・部会別にみると、単純平均額で前年との比較が可能な19単産・部会のうち、9単産・部会は対前年プラスとなっているのに対し、マイナスが10単産・部会となっています。農林水産業関連、製造業関連、マスコミ関連で前年同期比マイナス傾向にあり、運輸・通信関連、卸売・小売関連、医療サービス、地方組合でプラス傾向となっています。
 また、規模別でみると、「1000人以上」が単純平均で6,033 円・1.97%(前年比202円増・マイナス0.06ポイント)、「300〜999人」が5,892円・2.02%(前年比792円増・0.35ポイントプラス)と前回調査同様に規模が大きな組合が比較的好調であるのに対し、中小規模の組合では対前年マイナス傾向となっていますが、「30人未満」が(前年比63円増・0.21ポイントプラス)小幅ながらプラスに転じました。

73組合で上積み獲得!

 第4回集計(4月11日時点、単純平均:5,474円・1.92%、加重平均:6,034円・2.06%)との比較では単純平均で29円減・±0ポイント、加重平均で83円減・04ポイントマイナスとなっています。
 4月に入り、燃料や光熱水費、原材料費の上昇の影響を受けやすい中小零細企業での回答が多くなり、回答水準は若干減少傾向となっています。
 そした中でも、建交労・運輸、全倉運、生協労連、民放労連、出版労連、映演労連、地方登録組合で、第4回集計時から単純平均の回答水準を前進させています。
 また、JMIU(25)、地方マスコミ(13)、日本医労連(11)などを中心に15単産・部会の73組合(18.3%)が数次にわたる交渉の末に上積みを勝ち取っています。前回調査(59組合・16.6%)から14組合・1.7ポイント増え、前年同期(64組合・18.3%)との比較では同率の到達点となっています。回答次数の内訳をみるとJMIU、日本医労連で6次回答を引き出した組合を筆頭に、5次回答が2組合、4次回答が3組合、3次回答が19組合、2次回答が47組合となっています。
 月額1万円以上の賃金引き上げを獲得した組合は、19組合・4.7%(前年同期19組合・5.4%)となり、率で2.0%以上の回答を引き出した組合は、前回調査から13組合増え、116組合・29.1%(前年同期81組合・23.1%)となっています。

パート・アルバイトなどの賃上げ大きく前進 平均25.3円 3.39%!

 パート・アルバイトなどの非正規雇用で働く仲間の賃上げは、今回新たに全農協労連、建交労から報告が寄せられ10単産170組合となりました。前回集計から53組合増え、前年同期(7単産120組合)を50組合上回っています。
 時間額引上げの報告があった91組合の単純平均は25.3円となり、前回集計(20.1円)から5.2円増加し、率でも41組合の単純平均で3.39%となり、前回調査(2.61%)から1.30ポイント上昇しています。
 前年同期(9.1円・0.52%)と比較しても額・率いずれも大幅に前進しており、今春闘における非正規労働者重視の取り組み強化の成果が表れています。

企業内最賃協定で月額平均16万円突破!

 賃金底上げの土台となる企業内最低賃金協約の締結・改定を獲得組合は、前回集計から建交労、生協労連、全印総連で獲得数を伸ばし、6単産60組合となりました。時間額は42組合平均828円、日額は8組合平均7,196円、月額は28組合平均で161,193円となり、月額平均で最低賃金要求16万円以上を突破しました。
 夏の改定に向け審議が開始される、法定最低賃金の引き上げを加速させるためにも、時間額1,000円を超える最賃協定の普及が重要となります。

<参考> 他団体の賃上げ集計結果

●連合の第4回回答集計(平均賃上げ方式・4月16日公表)は以下のとおりです。

集計対象 集計組合 加重平均 単純平均
組合数 人数(万) 金額 昨年 金額 昨年
全組合 2,314 159.1 5,142 1.77 5,187 1.78 4,225 1.67 4,368 1.68
中小共闘 1,494 14.9 4,118 1.66 4,213 1.66 3,911 1.63 4,083 1.64
※中小共闘は、規模300人未満

●日本経団連の第1回回答集計(4月5日現在)は以下のとおりです。

集計対象 集計企業 加重平均 単純平均
社数 人数 金額 昨年 金額 昨年
加盟企業 35 6,203 1.91 6,240 1.94 5,358 1.82 5,330 1.76
※調査対象は、原則として東証一部上場、従業員数500人以上の企業

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