2012国民春闘共闘情報
全労連HP

第52号 2012年8月9日

給与改善勧告せず!

50歳代の給与を抑制

 人事院は8日、国会及び内閣に対し2012年度の国家公務員一般職の給与に関する勧告を行いました。今年度の給与勧告は、給与臨時特例法の成立が強行され、4月1日から国家公務員給与が平均7.8%引き下げられる中で初めての勧告となりました。
 人事院は、臨時特例法により月例給で民間給与よりも「平均28,610円・7.67%」下回っているとしながら、(1)減額前の較差は「平均273円・0.07%」民間給与を上回っているが、較差が小さいこと(2)東日本大震災という未曽有の国難に対処するため、という理由で改定勧告を見送りました。一時金に関しても、臨時特例法により本来の支給額より9.77%減額され、平均3.56月分(減額前:平均3.95月分、民間:平均3.94月分)となっているとしながらも、同様に改善勧告を行いませんでした。
 また、「給与構造改革の経過措置の配置後も50歳代後半層における官民較差は相当程度残ることが想定される」として、来年1月から55歳以上の職員について、原則として昇給停止し、昇格時の俸給月額の増額を縮減する制度改正を求める勧告を行いました。
 公務労組連絡会は同日、今回の勧告が臨時特例法を容認し改善勧告をせず、50歳代の昇給・昇格抑制を求たことに対し、厳しく抗議する幹事会声明を発表し、「公務労働者の労働基本権を幾重にも踏みにじって民自公三党による議員立法で強行した憲法違反の賃下げ法を、人事院が是認したという点で極めて重大である」と第三者機関であるべき人事院が、公務員総人件費削減政策を押し付ける政府に迎合・加担する姿勢を強めていることを厳しく批判しました。また、「60年以上におよぶ人事院勧告制度が労働基本権制約の『代償措置』たりえないという事実を繰り返し明らかにするものになった」と断じ、2010年の55歳超職員の一律1.5%賃下げにつづき、50歳代後半層にしぼった給与抑制は、「年齢による賃金差別にほかならず、民間との賃金格差を口実に繰り返される高齢者層の賃金抑制は断じて認められない」とその不当性を指摘しました。
 国公労連、全教なども抗議声明を発表し、最低賃金や公契約適正化、国民のいのちと暮らしをまもるたたかいと結び付けて、「公務員賃下げ違憲訴訟」、7日に閣議決定された400万円以上の退職手当の削減阻止、均等待遇の実現など、全力をあげてたたかう決意を表明しました。
  公務・公共サービスを壊し、賃下げスパイラルを促進し、内需拡大による景気回復を阻害するこの勧告に厳しく抗議し、公務労働者の労働基本権回復、臨時特例法の撤回、生計費原則に基づいた賃金改善を強く求め、官民地域一体でたたかいを進めて行きましょう。

国民春闘共闘情報