2012国民春闘共闘情報
全労連HP

第33号 2012年6月5日

単純平均5,281円 1.80%

パート等賃上げ平均14.5円に

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は5月31日、2012春闘における第6回目の賃金改定集計を行いました。回答引出し、妥結とも例年並みの水準となっています。非正規労働者の賃上げ平均金額は大幅に引き上がり14.5円に達しています。

第6回集計のおもな数値は以下のとおりです。

<回答状況>
2012年 2011年 2010年
登録組合数 793 810 789
回答組合数 342(43.1%) 324(40.0%) 338(42.8%)
 うち上積み獲得 86(25.2%) 77(23.8%) 93(27.5%)
 うち前年実績以上 178(52.1%) 176(54.3%) 175(51.8%)
 うち妥結組合数 192(56.1%) 184(56.8%) 178(52.7%)

<回答内容>
集計方法&対象 2012年 2011年 (前年比) 2010年
単純平均 額(円)
5,281
5,458
−177
5,321
率(%)
 1.80
 1.83
−0.03
1.75
加重平均 額(円)
5,416
5,680
−264
5,820
率(%)
1.83
1.86
−0.03
1.89
組合員数(人)
82,752
78,804
86,920
*額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。

<集計結果の概要>

春闘後半戦奮闘中

 第6回集計には、別表の23単産部会から報告が寄せられました。登録793組合のうち、これまでに有額回答を引き出したのは342組合(43.1%)となり、第5回集計(5月16日時点:315組合39.6%)から27組合3.5?増えました。
 新たに全証労協から報告が寄せられ、農林水産関係・22.4%、(前回調査17.2%)、鉱業・建設関係・26.5%(同18.3%)、卸売・小売業関係・42.9%(同36.3%)、金融・保険関係・11.1%(同6.3%)と後半に力点をおく組合での、回答引出しが増えていますが、なお、未決着組合も多く、闘争は継続している状況です。

単純平均5,281円・加重平均5,416円

 賃上げ回答の水準は、単純平均(一組合あたりの平均)で5,281円・1.80%(5,347円・1.80%(前回調査比マイナス66円・±0?)、加重平均(組合員一人あたりの平均)で5,416円・1.83%(同マイナス5円・±0?)となっています。昨年同期比では単純平均マイナス117円・0.03?減、加重平均マイナス264円・0.03?減、一昨年同期比では単純平均マイナス40円・0.05?増、加重平均マイナス440円・0.06?減で、厳しい回答状況になっています。
 回答引出し組合は、映演労連、全農協労連、建設関連、全国一般などから新たに報告が寄せられ、15単産部会86組合・25.2%となりました。前年妥結額以上は前回調査から9組合増え136組合(2011年同期131組合、2010年同期139組合)、前年同額が4組合増の42組合(同45組合・同36組合)、1万円以上の回答引出しが2組合増の23組合(同21組合・同13組合)となりました。賃金抑制をはね返す奮闘が反映されています。
 なお、定昇凍結4組合、ゼロ回答29組合、賃下げ回答が1組合も報告されています。

例年並みの妥結状況に

 妥結組合は前回集計165組合(妥結率52.3%)から192組合(同56.1%)に増えました。昨年同期(184組合・56.8%)、一昨年同期(178組合・52.7%)となっており、例年並みの妥結率となっています。

単産部会別・規模別の傾向

 単産部会別では、2011年との同期比較が可能な23組織のうち、単純平均金額で前年同期比プラスとなった単産部会は10、マイナスは13です。プラスとなった単産部会は、建交労・製造(2011年同期比2,920 円増)民放労連(同1,400円増)、合同繊維労組(同654円増)、全印総連(同410円増)などで、2010年同期と比べると(比較対象は22組織)、プラスとなった単産部会は11、マイナスは11です。プラス組合は、検数労連、民放労連、合同繊維労組、建交労・製造、JMIUなどです。
 単純平均金額で、前回調査から増加・改善があった単産部会は、建交労・製造(2,100円増)、建設関連労連(1,216円増)、全国一般(425円増)、映演労連(129円増)、生協労連(74円増)、建交労・運輸(31円増)、化学一般(5円増)となっています。
 規模別では、100人以上の組合では、昨年、一昨年と比べ厳しい回答状況となっていますが、「29人以下」の組合が2010年同期比116円増、「30〜99人」の組合が、2011年同期比251円増(前回集計時240円増)、10年同期比467円増(同422円増)と昨年同様、中小規模の組合での奮闘が伺える状況となっています。

パート賃上げ平均14.5円…大幅増!!

 パート・アルバイト等の賃上げは、前回集計から44組合増え、10単産220 組合が引上げを獲得しています。前回集計から獲得数を増加させたのは、建交労(9組合増)、生協労連(21組合増)、全国一般(5組合増)、日本医労連(9組合増)で、建交労・55.7円、日本医労連・26.6円、福祉保育労・20.0円など、時間額の引上げは単純平均で14.5円(1.14%)と前回調査の10.2円(0.55%)から4.3円(0.59?)と大幅に引き上げられました。
 企業内最低賃金の改定は8単産99組合から報告が寄せられ、単純平均で月額178,775円、時間額1,153円(月155時間換算)となり、これから本格化する法定最賃闘争を後押しする結果を引き出しています。

<参考> 他団体の賃上げ集計結果

●連合の第6回回答集計(平均賃上げ方式・6月1日公表)は以下のとおりです。
集計対象 集計組合 加重平均 単純平均
組合数 人数(万) 金額 昨年 金額 昨年
全組合
3,695
187.2
4,949
1.73
4,999
1.74
3,828
1.52
4,022
1.57
中小共闘
2,639
25.0
3,782
1.54
4,019
1.60
3,517
1.46
3,721
1.51
※中小共闘は、規模300人未満

●日本経団連の第1回回答集計(4月6日現在)は以下のとおりです。
集計対象 集計企業 加重平均 単純平均
社数 人数 金額 昨年 金額 昨年
大手企業 71 5,858 1.84 5,814 1.82 5,229 1.71 5,238 1.82
中小企業 263 3,869 1.54 4,422 1.67 3,682 1.49 4,422 1.67
※調査対象は、大手企業は原則として東証一部上場、従業員数500人以上の企業。中小企業は原則として従業員数500人未満、17業種741社

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