2012国民春闘共闘情報
全労連HP

第10号 2012年1月19日

内部留保を国民に還元しろ

2012春闘闘争宣言行動 のべ1000人が集結


 全労連・国民春闘共闘委員会は17日、東京春闘共闘と共同で「2012春闘闘争宣言行動」にとりくみ、単産・首都圏からのべ1000人が参加しました。午前中の厚生労働省前行動、丸の内の昼デモにつづき、午後には色とりどりの横断幕やのぼり、プラカードなどを掲げて日本経団連会館を包囲。「賃上げで景気の回復を」「大企業は内部留保を還元せよ」「消費税増税反対」など、寒空に労働者の声が力強く響きました。

厚労省前に400人

内需拡大こそ日本再生の“みち”

 東京春闘共闘の伊藤潤一代表委員は主催者あいさつで、賃金が下がり、非正規労働者が増大し、貧困と格差は拡大し続けていると指摘。「いま労働組合は正念場を迎えている」とのべ、内需拡大にむけ、賃上げ・最低賃金引上げとあわせて、「社会保障と税の一体改革」による消費税増税を許さないたたかいをすすめようとよびかけました。

 国民春闘共闘の小田川義和事務局長(全労連事務局長)が行動を提起。「内需拡大こそ再生へのみち」という世論をつくるために、中小企業訪問、自治体要請など地域で行動を展開し、3月13日から15日に設定した「99%のための安心社会をめざす」統一行動ゾーンをヤマ場として全国で立ち上がろうと訴えました。

 各労組の代表4人が決意を表明。国公労連・全厚生闘争団の國枝孝幸事務局次長は、2年前に強行された社会保険庁解体に伴う分限免職(解雇)について「首を切って人を雇う。こんなことは許せない」と発言。新たに発足した日本年金機構の窓口で混乱が発生している事実も紹介し、「必ず職場に戻るんだという思いで、仲間とともにたたかいぬく」と決意を語りました。新宿区労連の保科博一常任幹事は、数多くの労働相談を受けてきた経験から、いま多くの労働者が将来に希望がもてず、「会社の経営が悪くなれば、たちまち噛み終わったガムのように使い捨てられている」と告発。「労働組合は、組合員のためだけでなく、日本のすべての労働者のためにある」「未組織の人たちに共感してもらえるような壮大な運動をつくっていこう」と熱烈に訴えました。「最賃引上げと時給1000円の実現、パート法改正、消費税増税阻止にむけてたたかう」(生協労連・桑田富夫委員長)、「震災復興、地域経済活性化のために必要なのは内需の拡大。賃上げと雇用確保、中小企業支援に全力をあげる」(全国一般・林博義書記長)との決意が語られました。集会後、参加者は丸の内に移動し、お昼どきで“歩行者天国”となった丸の内仲通りを元気にデモ行進。高く掲げた要求横断幕、首からさげたプラカードのほか、急きょ編成した“ブブゼラ隊”が発する野太い音が道行く人の注意をひき、アピール効果を上げていました。

経団連前に600人

“賃上げ拒否”なんてふざけるな 大企業は内部留保をはきだせ

 丸の内デモの後、日本経団連会館を約600人が完全に包囲しました。

 主催者を代表して、大黒作治・国民春闘共闘代表幹事(全労連議長)があいさつ。経団連が異常円高や震災復興などを口実にベースアップ要求を拒否しようとしていると批判し、賃上げ、最賃引き上げ、公契約の適正化で、くらしを守る春闘を発展させようと訴えました。大企業の内部留保は266兆円にも達し、手持ち資金も60兆円にのぼると指摘。内部留保を労働者と中小企業、震災復興にまわさせるたたかいとともに、日本の産業を根底から破壊するTPP(環太平洋連携協定)参加、消費税増税、衆院比例定数削減など、野田政権の暴走を全力で阻止しようとよびかけました。

 経団連前では、5人が決意表明しました。JMIUの三木陵一書記長は、今春闘は「経団連のめざす『脱春闘』とわれわれが掲げる『本気春闘』の“ガチンコ勝負”だ」と指摘。労働者の賃金は1997年をピークに10%以上も低下しており、生活の悪化は深刻だとのべ、「組合員の思いを受けとめ、どんなに困難であっても、決してあきらめないで賃上げを勝ち取ろう」と訴えました。福島県労連の斎藤富春議長は、12月に野田首相が出した原発事故の「収束宣言」について、「炉心の状態もわからず、放射能の放出も止まらず、避難した人が帰る展望もない」「賠償逃れ、原発輸出のための“幕引き宣言”だ」と厳しく批判。「原発利益共同体」を解体し、国と電力会社は全面賠償、除染、廃炉に責任を負えと強く要求しました。宮城県から仲間と車を飛ばして参加したソニー労組仙台支部の奥山大輝執行委員は、政府の復興構想会議に役員を送りこんでいるソニーが、震災を口実に非正規社員の大量首切りを強行しようとしていることを批判。3万人を超える年間自殺者のうち、働き盛りの30〜40代の割合が増加している事実をあげ、「(大企業の)内部留保は労働者のいのちそのものです」「国民に還元させ、生活改善のためにたたかおう」と力強くよびかけました。「雇用の確保と賃上げ、内需拡大を求める世論を広げるため全力をあげる」(自治労連・猿橋書記長)、「50歳退職再雇用、大規模非正規化などNTTによる大リストラを許さず、生活できる賃金を求めて力をあわせよう」(通信労組・菅原副委員長)との発言が続きました。「春闘闘争宣言(案)」を全員の拍手で確認した後、会館の建物に向かってシュプレヒコール。「内部留保を賃上げと雇用にまわせ」「消費税増税は許さないぞ」と、力いっぱい大きな声を響かせました。

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