2011国民春闘共闘情報
全労連HP

第26号 2011年5月28日

2011年春闘・第6回賃上げ集計

加重平均5680円 1.86%


 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は26日、今春闘における第6回目の賃金改定集計をおこないました。回答引出し、妥結とも前年とほぼ同じペースまで押し上げ、中小組合などの健闘で単純平均は前年比プラスを維持。回答引出し組合の54%が前年妥結額以上を獲得しています。

第6回集計のおもな数値は以下のとおりです。

<回答状況>

2011年
2010年
登録組合数 810 789
回答組合数 324(40.0%) 338(42.8%)
 うち上積み獲得 77(23.8%) 93(27.5%)
 うち前年実績以上 176(54.3%) 175(51.8%)
 うち妥結組合 184(56.8%) 178(52.7%)

<回答内容>
集計方法&対象
2011年 2010年 (前年比)
単純平均
額(円)
5,458 
5,321 
+137 
率(%)
 1.83 
1.75 
+0.08 
加重平均
額(円)
5,680 
5,820 
▲140 
率(%)
 1.86 
1.89 
▲0.03 
組合員数(人)
78,804 
86,920 
※額または率のみの報告があるため、双方は必ずしも連動しません。

<集計結果の概要>

 第6回集計には、別表の23単産部会から報告が寄せられました。今回新たに報告があったのは金融労連で、ほぼすべての産業から回答が出揃いました。
これまでに有額回答を引き出したのは324組合(40%)で、前年同期(43%)とほぼ肩を並べるところまで押し上げてきました。特徴的なのは、妥結組合が184組合(57%)と、前年同期(178組合・53%)を数・率ともに上回っていることです。大震災発生で序盤戦に遅れが出たものの、各単組が柔軟かつねばり強いたたかいで回答を引き出し、早期決着のとりくみを強化したことが表れています。

単純平均、前年比プラスを維持 54%が前年妥結額以上

 賃上げの単純平均額(一組合あたりの平均)は5458円(1.83%)で、前年同期比137円増。加重平均(組合員一人あたりの平均)は5680円(1.86%)で、前年同期比140円減。加重平均が減となっているのは、規模別集計「300〜999人」の49円減が影響していますが、第5回集計時(5/12)の274円減から大幅に改善しています。「300人未満」の組合は、回答引出しの増加とともに平均額が増加する傾向もみられ、今春闘における中小組合の健闘ぶりは顕著です。
 産業別では、製造、運輸・流通関係がおおむね前年同期比でプラスを維持し、連休後に交渉が本格化した金融・証券も増額傾向を示しています。小売・サービス業関係はやや苦戦しています。単産別では、前年と比較可能な22単産部会のうち、プラスが12、マイナス10となっています。印刷・出版、マスコミ関係では、出版労連と映演労連が回答数の増加とともに平均額を引き上げています。全印総連と地方登録組合は、前年同期比減となっていますが、同じくマイナス幅を縮小させて前進しています。
 前年妥結額以上の回答を引き出しているのは、前回調査時より16組合増加し、176組合となりました。有額回答324組合の54%に達し、前年同期の52%を上回っています。このうち1000円以上の増をかちとっているのは36組合で、JMIUに出版労連、民放労連が次いで多くなっています。
 初回回答からの上積みは77組合が獲得。前年同期の93組合、一昨年同期の86組合と比較して減少しており、大震災発生による先行き不透明などを理由に経営側が態度を硬化させていることがうかがえます。1万円以上の回答を引き出したのは21組合で、最高額は建交労(運輸)の組合の1万7300円となっています(前年同期の1万円以上回答は13組合、一昨年同期は22組合)。

パート等時給引上げ 平均9.2円

 パート・アルバイト等の賃上げは、生協労連、日本医労連など7単産120組合から報告がありました。時間額の引上げは、98組合の単純平均で9.2円(前年同期は180組合=平均14.9円)。全労連全国一般が前年同期比で約5円のプラスとなっています。
 企業内最賃の改定は、生協労連など4単産から報告がありました。時間額では、53組合の単純平均で820円となっています(前年同期は106組合=平均1005円)。

<参考> 他団体の賃上げ集計結果

●連合の第5回回答集計(平均賃上げ方式・5/12公表)は以下のとおりです。
集計対象
集計組合
加重平均
単純平均
組合数
人数(万)
金額
昨年
金額
昨年
全組合
2,501
151.6
5,070
1.75
4,973
1.71
4,307
1.66
3,937
1.53
中小共闘
1,616
16.9
4,198
1.66
4,010
1.59
4,050
1.62
3,841
1.55
※中小共闘は、規模300人未満

●日本経団連の第2回回答集計(大手=4/20、中小=5/27現在)は以下のとおりです。
集計対象 集計企業 加重平均 単純平均
社数 人数 金額 昨年 金額 昨年
大手企業
66
5,814
1.82
5,838
1.81
5,238
1.75
5,237
1.73
中小企業
218
4,422
1.67
3,808
1.50
3,678
1.47
3,534
1.42
※大手企業は原則として東証一部上場、従業員数500人以上。中小は従業員数500人未満

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