2010国民春闘共闘情報
全労連HP

第 38 号  2010年05月20日

 

全国青年大集会に5200人

―声あげ、つながり広げよう―


 まともに生活できる仕事と人間らしい労働を求めて、青年たちが5月16日、東京・明治公園で「全国青年大集会2010」を開き、5200人が参加しました。抜け穴のない労働者派遣法抜本改正を求める声をあげ、非正規雇用などで苦しむ若者同士のつながりを広げて、職場や社会を変えようとアピールしました。



 集会の主催は、全労連青年部、首都圏青年ユニオン、全学連などでつくる実行委員会です。晴れ渡る青空のもと、「スタート」のかけ声で始まった青年大集会は今年で6回目。2年ぶりの開催で過去最高の参加者数となりました。


 写真 みんなで手を結ぼう

 「派遣切り」の当事者らが理不尽な働き方や裁判闘争の経験について発言。三菱ふそうで2008年末に派遣切りされ、直接雇用を求めてたたかっている鈴木重光さん(37)は「早朝の工場宣伝のとき、自分のために20人も集まってくれたことが一番うれしかった」と打ち明けました。参加者に対しては「みんなの『がんばれ』の一言でまたがんばることできる。自分一人で前に進もうと思わず、(私たちには)だれかの言葉と力が必要です」と語りました。
 「カズオ」コールとともに登壇した日本共産党の志位和夫委員長は、派遣などの非正規切りをめぐるたたかいで社会的連帯が広がったと指摘。「抜け穴なしの派遣法の抜本改正を迫り、雇用は正社員が当たり前の社会をつくろう」と訴えました。

 写真  労働組合や法律家などでつくる反貧困ネットワーク代表の宇都宮健児弁護士(日弁連会長)は「貧困問題を解決するには、一人ひとりのネットワークを広げて声を大きくすることが大事。みなさんと一緒になってとりくみたい」と呼びかけました。
 同ネットワーク事務局長の湯浅誠さんは「みんなで手を結んでみる。仲間がいるからやってみる。それだけでもいい。『100年に一度の危機』が10年後、20年後に『良かったこともあったな』と言われるようにしたい」とエールを送りました。
 集会後、参加者らは、「格差と貧困なくしタイ」「雇用ふやせ」「学ぶ権利はお金で買うの?」などのプラカードを掲げ、若者でにぎわう原宿などをデモ行進しました。初めて参加した元派遣社員の男性(都内在住・30歳)は「派遣事業はピンハネ、中間搾取の仕事。鳩山首相は『労働なき富は社会的大罪』と言うなら、しっかり禁止してほしい」と話していました。


これが派遣なんやな

 会場内では、20の分科会が行われ、「派遣・非正規」のテーマでは、大企業を相手に裁判闘争を続ける若者らが違法な労働実態を報告しました。
 みえ青年ユニオンの永井宏行さん(29)は、2009年3月に解雇されるまで、パナソニック電工の四日市工場に5年7カ月勤務していました。作業はテスト用の樹脂成型でしたが、契約は受け入れ期間制限のない専門26業務の「調査」。当時は製造業務派遣が解禁される前で、業務偽装が行われていたのです。

 派遣会社から聞かされた解雇理由は「電工から言われたので」。辞める際には、入社時に仕事を教えてもらった電工社員に、逆に仕事を教え直しました。永井さんは「ぼくって派遣なんやな。切られるのは空しくてたまらんかった」と語りました。

 現在、永井さんは解雇撤回を求めて派遣会社を津地裁に提訴しています。訴訟については「お金もないし、本当は裁判なんてやりたくなかった。会社が団交に応じないから」といいます。交際中の彼女と結婚も考えていますが、当初は裁判に反対されるなど辛い時期もあったといいます。永井さんは「裁判はなるべく早く終わらせて、彼女に時間をかけたい」と話していました。


労組通じて産休確保 …食品スーパーの女性

 分科会「知って得する労働法、入ってよかった労働組合&ユニオン」のテントでは、首都圏青年ユニオンの山田真吾書記次長が、未払い残業や社会保険未加入など違法がまん延する現状について報告。泣き寝入りせずに立ち上がった仲間のとりくみを紹介しました。

 写真  京都から参加した地域労組「ユニオン南の風」の男性は、食品スーパーで働く女性が、妊娠したため仕事の軽減を会社側に求めたところ、「辞めるか、産むのをあきらめるか」と迫られ、労組を通じて産休を確保させたと報告しました。
 この職場では2008年に、残業代支払いを求めて同労組を結成していました。「生理休暇や妊娠時の対応について、さまざまな要求が出てきた。組合があるからこそ働きやすい職場ができる」と述べ、参加者らは盛んな拍手を送っていました。  (写真・集会の最後、いっせいに風船を飛ばす)

 翌17日、青年大集会の実行委員会は、厚生労働省と文部科学省を訪れ、要請行動を実施。厚労省には労働者派遣法の抜本改正、最賃時給1000円以上の実現、サービス残業などの違法・無法の根絶、失業給付期間の延長などを求めました。文科省に対しては、大学生・高校生の教育費負担軽減、新卒者の就職難解決と、学業と両立できる就職活動のルールづくりなどについて要請しました。このほか、政府与党、衆参両院の文部科学・文教・厚労委員の議員に対しても要請行動を行い、あわせて130人が参加しました。







 
 変化をチャンスに、貧困・格差の解消、内需の拡大を 




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