2010国民春闘共闘情報
全労連HP

第 26 号  2010年03月26日

個別回答状況一覧  産業別・単産別総括表  パート等の賃上げ状況

 

10春闘・ 賃上げ第2回集計 

単純・加重平均とも上昇

―44%が前年妥結額以上を引き出す―


 全労連・国民春闘共闘委員会は25日、今春闘における第2回目の賃上げ集計を行い、新規報告の6単産を含む17単産部会から報告が寄せられました。単純平均・加重平均とも前年同期をやや下回る厳しい水準ながら、前年妥結額以上を引き出す組合が全体の44%に達するなど、各組織でねばり強いとりくみが続いています。


 1.回答状況について
   第2回の回答集計には、別表の17単産部会から報告が寄せられました。
   表中のおもな数値は以下のとおりです。

 
(1) 登録組合数 791組合    
(2) 回答組合数 202組合 回答引出し率 25.5%
  うち2次回答以上 25組合    
  うち前年妥結額以上 88組合 回答組合数の 43.6%
  単純平均 202組合 5,252円 1.66%
  前年同期 189組合 5,480円 1.69%
  前年同期比   − 228円 − 0.03P
  加重平均 5.8万人 5,699円 1.83%
  前年同期 5.2万人 5,891円 1.92%
  前年同期比   −  192円 −0.09P


 2.回答状況の特徴について
 @第1回集計(3月18日)以降に回答指定日を迎えた単産もあり、約1週間のとりくみで、回答引出し数は前回から92組合増加しました。今回新たに報告が寄せられたのは、建設関連労連、化学一般労連、全労連全国一般(製造)、建交労(鉄道)、全倉運、金融労連の6単産部会です。24日に回答指定日を迎えた日本医労連をはじめ、JMIU、民放労連などで引出し組合数が増加しています。

 A今回は、初回回答を引き出した組合に加え、先行組合の上積み回答が報告され、賃上げ回答の単純平均は5252円(1.66%)と、第1回集計時(18日)の4995円(1.53%)から257円増加しました。組合員一人あたりの加重平均も5699円(1.83%)と、第1回の5311円(1.39%)から388円上昇しています。4月からの診療報酬改定も受けて押し上げが期待される日本医労連をはじめ、先行した組合におけるねばり強いとりくみが反映しています。

 B各単産で奮闘が続いていますが、今回集計では単純平均・加重平均とも前年同期を若干下回りました。全体では、回答のあった17単産部会中10組織でマイナスとなっています。こうしたなか、化学一般労連(+547円)、全印総連(+459円)など、平均でプラスとなる単産も出てきています。

 C今回集計の最大の特徴は、前年妥結額以上の回答(同額含む)を獲得した組合が88組合と、回答引出し数の44%を占めていることです。これは前年同期の52組合(28%)から大幅に増加しています。また、前回からの上積み回答を引き出した組合も25組合と、前年同期の21組合を上回っています。単産では3次回答を引き出しているJMIU、化学一般労連、地方マスコミの組合をはじめ、建交労(運輸)などが全体をけん引しています。

 D規模別では、前回時プラスだった「1000人以上」の組合が今回はマイナス(−26円)となりました。「100〜299人」は前回のマイナス166円からプラス125円に転じ、「30〜99人」は前回のマイナス885円から今回はマイナス67円と、マイナス幅を大幅に縮小しました。中小組合が多数を占めるもと、各組合での奮闘がここにも表れています。なお、1万円以上の回答は10組合報告されています(前年同期は14組合)。



時間給引上げ「一ケタ台」が多数に

 3.パート等の賃上げ回答状況

 パート・アルバイト等の回答状況は、3月25日現在、生協労連の47組合をはじめ3単産50組合から賃上げ獲得の報告が寄せられました。個別では時給20円アップの組合も出ている一方で、「2〜8円」という一ケタ台の回答が多数を占めており、前年同期の平均引上げ額・プラス13円を大きく下回る状況となっています。

 4.企業内最賃の改定状況

 企業内最賃の改定については、生協労連の15組合をはじめ3単産25組合から獲得状況が報告されました。出版労連が月額で750円アップの21万0280円となっています。

 国民春闘共闘委員会に結集する各単産はこの間、格差是正を含む積極的な賃金引上げ要求を掲げて奮闘し、春闘前段の諸行動を1つひとつ成功させてきました。

 国民春闘共闘委員会常任幹事会は19日、集中回答日の状況と「3・18全国統一行動」を受けて、アピール「『貧困・格差の解消、内需拡大』のたたかいをねばり強く」を発表しました。

 大手労組がたたかわずしてベア要求を取り下げ、「たたかえない労組」などという報道がはびこるなか、全労連・国民春闘共闘委員会に結集する労働組合に新たな注目と期待が集まっています。4月14日から20日の回答追い上げ・行動強化ゾーン、「4・21中央行動・国会集中行動日」など、4月段階の行動強化へ向けて、新たなとりくみが始まっています。


 

 

お し ら せ

 各労組の女性組織・女性部によるゆるやかな交流の場として、例年春闘期に開催されてきた学習・懇談会が今年も開催されます。女性労働者のみなさん、奮ってご参加ください。

  女性の春闘懇談会

 日時:4月27日(火)18:30〜20:45

 場所:全労連会館・2Fホール

 講演: 『労働者派遣法改正法案で どうなるハケン労働』

    講師= 弁護士・岸松江さん(東京法律事務所)

    〜講演後、各職場の実態と運動の交流〜

  *連絡先=全労連女性部(tel03-5842-5611)

  




 
 変化をチャンスに、貧困・格差の解消、内需の拡大を




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