2009国民春闘共闘情報
全労連HP

第47号・夏季第3号  2009年7月17日

 

回答出揃い、平均61.8万円に

10万円近い減額。パートにも波及

 夏季一時金第3回集計 支給の山場越える

2009年7月17日 国民春闘回答集計センター

産業別・単産別総括表   個別回答一覧   パート等の一時金獲得状況  

 1.国民春闘回答集計センターは7月11日、各単産・地方共闘より7月上旬までに引出した夏季一時金回答報告を受けて第3回集計をおこなった。登録組合の74%にあたる527組合が回答を引出し、うち395組合が妥結。また、パート等の一時金は206組合が引出している。

2.回答+妥結状況は別表のとおり、集計結果は以下のとおりである。

 
(1) 登録組合数 709組合      
(2) 回答組合数 527組合 回答引出し率 登録数の74.3%  
  2次回答以上 134組合 上積み回答率 回答数の25.4%  
  前年実績額以上 69組合 金額回答数の 20.4%  
  妥結組合数 395組合 妥 結 率 登録数の55.7%  
(3) [回答+妥結]        
  単純平均 527組合 1.88カ月+α 617,526円  
  前年同期比 (08.07.14)   700,143円 −11.80%
  前年実績比 (同一組合)   716,493円 −13.81%
  加重平均 13.7万人   645,071円  
  前年同期比 (08.07.14)   787,996円 −18.14%

3.回答・闘争状況の特徴はつぎのような諸点である。
 1) 6月末の集中支給日を前後して、多くの労組が増額を要求しつつ交渉を重ねて回答を引き出してきた。製造業大手を中心とした「大幅減額」のなか、前回集計時(6月15日)以降、新たに回答を引き出してきたのは化学一般労連・紙パ、検数労連、全証労協で、新規回答や上積みを引き出してきたのは、全農協労連、建設関連労連、化学一般労連、建交労・運輸、全労連全国一般、金融労連と日本医労連、地方登録の各組合などである。こうして、登録28単産・部会すべての回答が出揃ってきた。また、支給日が6月30日や7月上・中旬に集中していることから妥結する組合も5割を超えた。

 2) これまでのところ、527組合の単純平均は1.88カ月+アルファの61万7526円で、前年実績比(08.7.14)で9万8967円、率にして13.81%の大幅減になっている。他の調査機関の集計が単純平均で−14.67%(連合調べ。中小を含む)、−14.15%(日本経団連調べ。大手)と、ほぼ同水準のマイナスを押し付けられている。支給月数でみれば、前年の2.08カ月から0.2カ月分の減となり、国家公務員と同水準の減額を押し付けられる結果となった。対比可能な26組織中、引上げ額がプラスになっているのは、化学一般労連・紙パ(+1948円)、建交労・製造(+5万0420円)と地方登録組合(+1万0179円)の計3組織のみで、前年同額がNTTの通信労組であった。
 こうしたなかで、第2次、3次の上積み回答を前年以上の134組合(回答数の25%)が勝ちとり、春闘共闘らしさを発揮した。それでもなお、前年実績を超えたのは69組合(金額回答数の20%)にすぎず、今季一時金闘争の厳しさをあらわしている。

 3) 規模別集計では、1000人以上の大企業で19.3%減(金額にして15万9893円減)、300〜999人の中堅企業で15.2%減(同10万7752円減)など大企業ほど大幅に減額されているのが特徴である。

 4) これまでの最高回答次数は全倉運と民放労連の各1組合が第5次回答を引出し、JMIUと日本医労連の各2組合が第4次回答を引き出している。最高月数は民放労連の組合が夏だけで5.4カ月分、出版労連の3組合が5.0カ月分の満額。高額回答も出版労連の組合が275万円を獲得しているのをはじめマスコミ関係を中心に150万円以上が8組合報告されている。


4.0.815カ月ながら減額。パート等の夏季一時金について
 パート・アルバイト等の夏季一時金回答・妥結状況については、日本医労連、生協パート、全労連全国一般、建交労、全印総連、出版労連など9単産からのべ206組合(前年は197組合)の獲得状況が報告された。うち、時間給のパートは122組合平均で0.815カ月分(前年同期は0.794カ月分)になり、若干の支給増になっているが、医労連の影響を受けたもので、他の単産では支給金額とも減額傾向である。

 日給の臨時・嘱託・非常勤は76組合平均で0.877カ月分(同0.89カ月分)、月給の契約・有期などでは平均0.80カ月(同2.00カ月分)の回答・妥結状況である。

 傾向としては、各々支給額の計算が遅れているものの、正規労働者の集計結果が金額で大幅な減額になっているのに連動して、パート・アルバイトなどの集計結果は、前年比の支給月数、支給額とも大幅な減額になっている。この春闘期には支給基礎の時間額・日額が各々引き上げられているので、一時金の減額幅が圧縮されることを期待したい。


5.他団体の集計結果について

連 合 7月01日現在 月 数 金 額 (引上げ率)
単純平均 2756組合 1.76カ月 439,549円 −14.67%
加重平均 152.9万人 2.03カ月 619,031円 −11.89%


日本経団連 6月25日現在 月 数 金 額 (引上げ率)
単純平均 大手131社   672,967円 −14.15%
加重平均     753,348円 −18.28%




 


 6.最賃・人勧と連動した今後の闘争強化について
 09夏季一時金は、経済危機の進行で賃金引上げが不十分だったことに加え、残業代の削減や賃金カットなどの収入減が続いているなかで、労働者の生活維持のために前年並みの支給が切実な要求になっている。また、消費購買力を高め景気を底支えするためにも重要である。

 いま、ほとんどの単産・単組が決着期(「6月下旬」又は「7月上旬」)のたたかいを経て、74%の組合が回答を引き出し、支給日を迎えた。未解決の組合の多くは支給日が7月中旬〜下旬で、もう一段の交渉強化などで上積みをめざし決着をはかろうとしている。

 また、今週の14日(火)には中央最低賃金審議会が開かれ、09年度地域別最低賃金の審議が本格化してきた。「生活保護施策との整合性」を謳った改正法のもとで2回目の審議となり、比較方法の不当性は相変わらずだが、それでもなお生活保護よりも最低賃金のほうが低くなった県が新たに青森、秋田、千葉に見られた。また、30人未満事業所の賃金改定(類似の労働者の賃金)が前年比0.2%減で、5年ぶりにマイナスに転じたことから、改定目安に否定的な影響が懸念される。

 これに対して、「時間額1000円以上」をめざす全労連、春闘共闘と公務労組連絡会は7月21日の審議日行動(午後1時〜赤坂・茜荘前)につづき、23日には「7・23中央行動」を展開し、官民一体の共同行動で、公務員賃金の改善を含めた要求の実現をめざす大きなうねりをつくりだそうとしている。

(以 上)





 
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