2009国民春闘共闘情報
全労連HP

第 35 号  2009年05月18日

 

今国会に野党の共同案提出を

派遣法抜本改正求める集会/登録型は禁止せよ

 「登録型派遣は禁止せよ」──野党間で労働者派遣法改正案(議員立法)の協議が進むなか、労働組合や法律家などが5月14日夜、東京の日比谷野外音楽堂で派遣法の抜本改正を求める集会を開き、1000人が参加しました。集会後、参加者らは「見せかけの改正反対」「労働者の使い捨てを許さないぞ」などとシュプレヒコールをあげて国会まで請願デモを行いました。



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 「労働者派遣法の抜本改正を求める共同行動」が主催し、全労連、全労協と、連合加盟の組合など幅広い労組や市民らが結集。呼びかけ人の一人、派遣村村長の湯浅誠氏は「年末年始の派遣村は、労働組合と市民団体が初めて一緒に現場を共有できた」と成果を報告。その一方で、「人間が潰される社会を変え、追い詰められた人たちと一緒に闘える空間を作らないといけない。次の展望を開く連携を深めよう」と呼びかけました。
 派遣切りなどと闘う組合員を代表して、大分キヤノン、三菱ふそう、マツダ、HTS、トルコ航空の仲間があいさつ。「大分キヤノンが(和解で)責任をとったのは大勝利。解決できたのは皆さんのおかげ」「みんなから闘う勇気と力をもらった」「誰もが安心して働ける環境と賃金の保障を」との声が相次ぎました。
 野党議員が多数参加し、「派遣法改正は次の代表の下でも必ず実行する。総選挙の争点にし、法案提出を頑張りたい」(民主・高山智司衆院議員)、「非正規切りを許さない闘いと一体となって派遣法の抜本改正を」(共産・志位和夫委員長)、「改正案を四野党で結束して必ず今国会で提出・成立させる」(社民・福島瑞穂党首)と決意を述べました。国民新党、新党大地からはメッセージが寄せられました。
 日本労働弁護団の棗一郎弁護士は、政府の改正案は派遣切りにはまったくの無力で、日雇い派遣の規制も穴だらけだと指摘し、「こんな政府案はいらない。野党の共同案を提出させ、今国会で派遣法抜本改正の突破口を開こう」と訴えました。



 
実現しよう今国会で!

労働者派遣法の抜本改正を求める5・14日比谷集会アピール

 昨年の秋以降顕著に始まった「派遣切り」「期間工切り1などの非正規労働者に対する雇用破壊の嵐は未だ止むことはなく、現在では製造業にとどまらず一般事務、物流などの非製造業にもその被害は広がっている。厚生労働省の発表だけでも、今年6月までに職を失う非正規労働者が20万人を超え、この背後には、もっと多くの労働者が雇用危機にさらされている状況がある。その中でも派遣労働者が最も多く雇用を切られている。

 この年末年始に、我々「共同行動」運動に集う労働組合や市民団体が中心となって、派遣切りにあった労働者を支援するために「年越し派遣村」を実施した。派遣村に}ま職と住まいを失った500人を超える労饅者、路上生活者が集まった。遠く浜松から歩いて派遣村にたどり着き病院に運ばれた人、何日もまともな食事を取れないで派遣村に来て倒れた人、富士の樹海で自殺を思いとどまり最後の救いを求めて派遣村に来た人など、派遣村は、飢えと寒さで夜も眠れずに街中をさまよっていた人たちで溢れていた。

 この派遣村の惨状は決して忘れることができない光景として、これを作り出した者たちへの満腔の怒りとともに、我々の心に深く深く焼き付いている。そして、現在も多くの労働者が職を失い、生活を破壊され続けており、この人たちを支援しようとする「派遣村」の括動が全国に広がっている。
 現在の労働者派遣法は、「労働を使い捨て、人間を使い捨てる法律」である。労働は、使用者が市揚で自由に調達し切り捨てることのできる商品ではない。昨年からの世界的な不況の中で、真っ先に「派遣切り」に遭い、雇用の調整弁として最も多く解雇・雇止めになっているのが派遣労働者である。被害が派遣労働者に集中しているということは、正規労働者をはじめその他の労働者の雇用が派遣労働者の犠牲の上に成り立っているということに他ならない。労働者派遣法の抜本改正力埠急に必要である。

 私たちは、今国会において、派遣法抜本改正の第一弾として以下のような改正を求める。
 1 登録型派遣は政令指定業務を除き原則として禁止すること
 2 常用型派置は原則として期間の定めのない雇用とすること
 3 職安法・派遣法に違反する働かせ方をした場合に派置先との直接雇用が成立する「みなし雇用規定」を創設ずること


 労働は本来人間が人たるに値する生存を保障するものでなければならない。最も重要で効果のある失業と貧困の対策は、セーフティネットを張ることではなく、失業を予防することである。現在横行している違法な解雇・雇止めと安易な雇用の切捨てをさせないための労働法制を一刻も早く整備することである。
 今、私たちは戦後労働運動と市民運動の大きな岐路に立っている。この惨状のまま何もできずに規制緩和と非正規雇用化の奔流に飲み込まれてしまうのか、それとも、この雇用破壊の流れを食い止め、押し返し、我ぶ国の労働政策を変えていくことができるのか。

 私たちは、日本の職腸で働く全ての労働者、市民と強く連帯して、この不況に立ち向かい違法な雇用の切捨てに断固としてたたかうとともに、この国会から衆議院の解徴総選挙、それに続く臨時国会の場において、労働者派置法の抜本的な改正を成し遂げる決意である。とめどもなく非正規雇用を拡大し、ワーキング・プアを生み出してきた規制緩歌政策の流れを変えて、真に労働者・市民のためになる労働法制の立法化を実現していくことを改めてここに宣言する。

    2009年5月14日

労働者派遣法の抜本改正を求める共同行動   




 
 貧困・生活危機突破の大運動で、変えるぞ大企業中心社会




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