2009国民春闘共闘情報
全労連HP

第 13 号  2009年02月16日

 

「2・13中央総行動」にのべ1万人

なくせ貧困!仕事よこせ!と唱和

 国民要求実現へ、労働者・業者・農民などが共同

 春一番が吹き荒れた2月13日、労働組合と、業者・農民・女性団体・建設職人などが共同して、「なくせ貧困!仕事よこせ!守ろう雇用と暮らし!国民要求実現2・13中央総行動」(同実行委員会主催)が終日とりくまれました。日比谷野外音楽堂で開催された「中央総決起集会」には7500人が参加、早朝の宣伝行動、霞が関での各省庁交渉・行動、日本経団連包囲行動などをあわせて、「総行動」には、全国からのべ1万人の仲間が結集しました。



日比谷集会で、各分野代表がリレートーク

 写真


 経済危機を理由とした「派遣切り」などの雇用問題が深刻化するなか、「なくせ貧困!仕事よこせ、守ろう雇用とくらし!2・13中央集会」が、日比谷野外音楽堂で開催されました。
 12時から始まった第1波の集会(写真)には、労働組合・民主団体を中心に3000人の参加者がつどい、主催者を代表して全労連の大黒議長があいさつ。派遣法を活用したとりくみや非正規労働者みずからが労働組合に加入してたたかっている状況を報告、「09春闘を粘り強くたたかい、要求実現に向けお互いに奮闘しよう」と呼びかけました。
 日本共産党の穀田衆議院議員が国会から駆けつけ、麻生政権が体をなしていないことに触れつつ、「ブッシュは靴を投げられたが、麻生首相はさじを投げられている」と話すと、会場から拍手と笑いが起きました。穀田議員は、政治の転換に向けて、今年必ずおこなわれる総選挙に全力を上げる決意をのべました。
 引き続き、様々な分野でたたかいを進めている各団体の代表8名によるリレートークが行われました。JMIUいすゞ自動車支部の三浦副委員長は、解雇撤回にむけたたたかいの報告と非正規の雇い止めにストップをかけるために奮闘する決意を表明しました。
 集会では、アピールの提案と確認が行われた後、「貧困なくせ!仕事よこせ!」のシュプレヒコールが会場いっぱいに響き渡りました。
 閉会のあいさつに立った新婦人の高田会長は、「誰もが豊かに暮らせる社会、人間らしく働くことのできる社会をめざし、力を合わせ奮闘しよう」と呼びかけ、団結ガンバローで締めくくりました。



<会場の声> 雇用を守ってケロ!

 おそろいのカエルのかぶり物でひときわ目を引いたのは、全労連女性部のメンバー。「雇用を守ってケロ」「最賃あゲロゲロ」などのプラカードで要求を訴えました。都教組の女性組合員は「一番の要求は『政治を変えてケロ』。不況の影響が子どもたちにも、もろにきている」と語っていました。
 コープしずおかでパートとして働く40代の女性は「仕事も全く同じパートなのに、登録パートやバイトパートなどと細かく分けられ、時間外手当がつかないなどの格差がある。均等待遇を実現したい」と話します。現在、時給850円で働いているが「せめて1000円にしてほしい」。
 JMIUアイ・エス・ビー支部の男性(49)は、「大企業から請け負っていた(ソフトウェア開発の)プロジェクトが昨年末から10件ほど中止になり、派遣や請負社員が100人以上雇い止めされている。大企業は今まで史上最高の利益を出していたはず。内部留保をもっと出して欲しい」と話しました。
 都内で畳屋を営む自営業の男性(61)は、「以前から厳しかったが、今年はさらに不況。賃金も仕事も減ってダブルパンチ。国は融資と仕事を作れる施策をして」。埼玉土建比企西部支部の50代の男性も「不況の影響で日当が3000円も減った」と述べ、「消費税増税には反対」と力を込めました。
 横浜建築組合に所属する建具職の 男性は、「資金を借りて家を建てる人が少なくなった。大変なのはみんな同じ。会社員のお客さんが多いので、そういう人の生活が安定できるように、会社は雇用を守って欲しい」と訴えました。
 岡山市職労の組合員の女性は、「岡山県でも3000人以上が派遣切りされる。これから派遣村を開設する。困っている人の手助けを、国も地方と連携して主体的にやってほしい」。

(この項『連合通信』2/17付)

 集会終了後、参加者は、厚労省、財務省、経産省、内閣府、農水省、総務省など各省前での要求行動へ出発しました。また、14時からは、首都圏の建設労働者を中心に集まった第2波の集会(4500人)が同会場で開催され、第1波とあわせて7500人の参加者で日比谷野外音楽堂があふれました。



 銀座パレード〜日本経団連前行動

大企業は社会的責任を果たせ!内部留保をはき出せ!

 写真
 各省前行動を終えた参加者は、ふたたび日比谷公園に集合し、銀座パレードに出発しました。パレードは日比谷〜銀座〜東京駅前〜常盤橋公園までの約1時間。参加者は団体ごとに工夫を凝らした横断幕やプラカート、要求のぼり、かぶりものでの扮装などで熱烈アピール。
 パレード終了後は、大手町の経団連ビル前に移動し、歩道両脇を埋め尽くす人々の熱気があふれる中で日本経団連包囲行動(写真)が開始されました。

 主催あいさつした東京地評の伊藤議長は、「トヨタなど大企業は非正規切り、下請けいじめの一方で利益を確保し、配当金を維持している。雇用を守り、賃金を引き上げる体力は十分にある」とし、大銀行に対しても中小企業への貸しはがし、貸し渋りをやめて中小企業の経営を守ることを訴えました。

 決意表明で非正規センターの生協労連・薫田さんは、「トラックの配送パートの仕事をしている。同じ仕事を同じ時間しても正規職員との賃金格差がある。パートも生活できる賃金を」と訴えました。新日本婦人の会の笠井副会長は、「家族や未来ある若者の人生設計を壊してきたのが非正規切りだ。派遣労働者の首切りをやめて正職員にすべき」とのべ、神奈川労連の水谷議長は、「大企業の違法・無法な解雇に泣き寝入りせずにたたかう。神奈川県内の114社の内部留保1%を使えば月1万円の賃上げが可能だ」と主張しました。

 国公労連・全労働の海野中央執行委員は、「労働者を部品のように扱い、企業責任を放棄して首切りを回避しないのは、御手洗会長自身が主張する高いコンプライアンスやモラルに反している。大企業としての社会的責任を果たす努力をせよ」と力強く訴えました。
 最後に経団連に対して、参加者のシュプレヒコールが大手町のビルの谷間に響きわたりました。

 銀座パレードの最中に繰り広げられた「パフォーマンス・コンテスト」には12団体がエントリーし、審査の結果つぎのようになり、各々賞金が授与されました。
 第1位  生協労連東海地連(「最賃クン」30人でアピール)
 第2位  全労連女性部  (おそろいの「かえる」姿で行進)
 第3位  生協労連九州地連(世の中をカエル、暮らしをカエル)
 特別賞  新日本婦人の会 (しろくまクンと「熱いハート」)
 その他  全参加団体に「参加賞」を贈呈




 
 貧困・生活危機突破の大運動で、変えるぞ大企業中心社会




国民春闘共闘情報