2005国民春闘共闘情報
全労連HP

第 28 号  2005年5月30日

 

6割の組合に回答、加重平均6340円

金融・私学などが回答引出し中

 5月中〜下旬の回答の特徴について 

2005年5月30日 国民春闘回答集計センター

産業別・単産別総括表   個別回答一覧へ

 1.春闘回答集計センターは5月27日、国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産と地方共闘より5月中〜下旬段階の回答を中心とする第6回目の報告を受けた。この間に回答報告があったのは33単産・部会中の32単産と10地方共闘である。

 2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1) 登録組合数 888組合      
(2) 回答組合数 548組合 引出し率 61.7%  
  うち金額・率回答 453組合 ほか95組合は 「定昇のみ」などで 未計算
  うち2次回答以上 135組合 上積み率 29.8%  
  うち前年実績額以上 247組合 回答数の 54.5%  
  妥結組合数 269組合 解 決 率 30.3%  
(3) 単純平均額 453組合 5,473円 同率 1.90%
  前年同期 421組合 5,466円 同率 1.811
  前年同期比   +    7円   +0.09P
  加重平均額 10.5万人 6,340円 同率 1.99%
  前年同期 9.1万人 5,996円 同率 1.87%
  前年同期比   +  344円   +0.12P


 4) 5月中、下旬の動向について
 5月段階は、産業・地域相場や、国・地方自治体の予算がらみで賃上げ額が左右されるなど後続の単産が回答を引き出すとともに、先行してきた単産の未解決組合が解決をめざし奮闘してきた。こうしたなかで今回は、今春闘で初参加の「合同繊維労組」が初登場したのをはじめ、地銀連と銀行労連、全国私教連より初報告が寄せられ、全農協労連、郵産労では「定昇」の金額又は率が判明し、建設関連労連、生協労連、全労連全国一般、全信労、地方登録組合などから新規回答が報告された。これら新規回答の特徴は、これまで同様に、定昇制度のあるところで「定昇のみ(ベアゼロ)」が多く、定昇制度がないところでは「定昇なみ」の4000〜6000円台の低額が目立っている(NTTの通信労組、全損保、私教連では金額未計算)。また、これまでに135組合が第2次〜第5次の上積みをかちとり、247組合が前年実績以上(同額を含む)をかちとった。妥結する組合も増えてきたが、調査点検のズレもあり全体の30%(269組合)に留まっている。
 こうしたことから、単純平均は2週間前の前回集計時(5/13)に比べ69円減の5473円(1.90%)で、前年同期比7円(0.09P)増まで縮小してきた。一人当たりの加重平均は6340円(1.99%)、前年同期比344円(同0.12P)増で、引き続き6000円台をキープしているが引上げ率は2%を割り込んできた。
 こうしたなか、産別として解決の方向にむかっているのはJMIU、化学一般労連、自交総連(自教)、建交労の運輸と鉄道、検数労連、全倉運、出版労連、地方マスコミ(新聞)、郵産労の10単産・部会で、民放労連、広告労協、地方登録組合などでも妥結する組合が増えてきた。

 5) これまでの最高額は全証労協の組合の2万4922円(大幅賃下げを取り戻し中)。回答次数では日信工業支部と北村バルブ支部(いずれもJMIU)、小松病院分会(全労連全国一般)が第5次の上積み回答を引出している。「1万円以上」の回答は計31組合となった。

 3.他団体の賃上げ集計結果について
1) 4月27日現在、連合の回答+妥結集計は以下のとおり。

  妥結組合数 加重平均 単純平均
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 3257 168.2 5,123 1.71 4,802 1.66 3,979 1.56 3,708 1.49
35歳P 46 5.0         4,512 1.65 4,464 1.65
30歳P 54 6.2         5,855 2.17 4,789 1.62

 2) 5月25日現在、日本経団連調べの回答+妥結状況は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 96 - 5,208 1.59 5,118 1.56 4,817 1.56 4,688 1.51
中小企業 217 - 3,968 1.53 3,881 1.48 3,719 1.45 3,564 1.39



夏季一時金の回答迫る。賃上げ早期決着へ

介護保険改案・郵政民営化反対など国会闘争も

 4.今後のたたかいについて
 国民春闘共闘に結集する各単産はこの間、毎週水曜日に「介護保険法の改悪を許すな!」「郵政民営化阻止」「憲法改悪反対」などの課題で国会前座り込み行動を続け、労安法・時短促進法改悪反対の議員要請行動などを取りくんできた。20日の国会包囲国民大行動・第1次最賃デーや、26日の「労働法制中央連絡会05年総会」(全労連会館)を成功させ、翌27日夜には陸海空港湾20労組などが呼びかけた「有事法制を発動させない!憲法9条改悪に反対する 5・27集会」(日比谷野音〜銀座デモ。2400人)に結集した。
 あわせて、夏季一時金の要求提出をすすめ、建交労、生協労連、全証労協では回答指定日を迎えるなど、夏季闘争が本格化しつつある。
 6月段階のたたかいは、現時点でなお6割以上の組合が春闘の決着を持ち越しており、金融・保険や私学の春闘も本格化してきた。次週の7日から15日にかけて、夏季一時金の回答指定日が集中する。「史上最高益」のもと過去最高額で妥結した大手組合がある一方、中小企業では引き続き厳しい経営環境のもと、先行する組合では賃上げを抑えられた分、一時金に上乗せしたという報告も見られる。
 最賃・人勧期のたたかいも開始され、6月24日には「第2次最賃デー」(厚生労働省前座込み行動、人事院・厚労省要求行動、国会請願デモなど)に2000人規模の参加と終日の取りくみが準備されているところである。

(以 上)



 


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