2002年国民春闘共闘情報
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第53号  2002年7月18日

宮路「口利き」問題にフタして委員会強行

与党、25日に医療改悪法案の採決ねらう

第15次国会前座り込み行動にのべ580名が参加

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 18日、参議院厚生労働委員会で野党3党が医療改悪法案の審議を中止し、帝京大学口利き問題解明のための審議を要求したにもかかわらず、与党が医療改悪法案審議を強行するなか、衆議院第二議員会館前で座り込み行動を行いました。この日は、医労連が全国動員で集会、議員要請をとりくみ、全視協が郵政公社化法案反対をかかげて参議院前で座り込み行動を展開。全労連・春闘共闘が最低賃金の改善・引き上げをめざして衆議院第二議員会館内で集会をひらきました。
 座り込み行動には、埼玉土建、千葉労連、国公労連、自治労連、年金者組合、東京社保協、京建労、民医連、保団連、東京労連などのべ580人が参加。傍聴には午前・午後で述べ101人が審議を見守りました。国会最終版にむけて悪法4法案を今国会では絶対に採決させない、廃案にする決意で、猛暑のなか汗(^^;)をぬぐって座り込みました。



会期末まで実質あと10日

国民世論で国会を包囲。「医療改悪法」は廃案に

 本日の厚生労働委員会は、宮路前副大臣の「入試口利き」問題にフタをしたまま、委員会審議を与党と民主党の参加で開催しました。日本共産党と社民党、自由党、無所属は「口利き」問題がなんら解決してないことに抗議し、委員会審議には欠席しました。
 委員会終了後の理事懇談会では、23日(火)の厚生労働委員会に帝京大学の関係者(事務長など)を呼んで参考人質疑を行い、午後一般質疑を4時間行うことになりました。
 また、与党は郵政関連法案を23日に委員会採決、24日に参議院本会議採決で成立させようとしており、日本共産党を除く会派で動きを強めています。
 このように、与党は、実質10日と迫った今国会の会期末にあたり、有事法制の今国会継続、個人情報保護・メディア規制法案の同じく継続を図りながら、郵政関連法案を成立させるレールを敷いた上で、医療改悪法案の成立強行を画策しています。
 このようななか、愛知医師会、栃木医師会などが改めて地域で「医療改悪法案の成立許すな」の宣伝行動に立ち上がっています。いま、何よりも重要なことは、「医療改悪反対、有事法制許すな」の過半数を超える国民の声です。職場から、地域からの宣伝を一気に増やして、地元選出議員への要請を繰り返し行い、「廃案」めざして、全力で頑張りましょう。



*** 国会前座り込み集会から ***



「いのち」奪う法案、何が何でも廃案に!

全労連有事法制反対憲法9条守る闘争本部副本部長

日本医療労働組合中央執行委員長  田中千恵子

 こともあろうに「医療大改悪法案」を提案している本人の宮路副大臣が帝京大学医学部の「不正入試」に関与していたということが明らかになった。医療費が払えないで病状が悪化する人、健康保険料が払えず「病気になったらどうしよう」と不安に陥っている人、人手不足のために「医療事故の不安」をかかえながら走り回っている医療労働者。今度の医療改悪でもっと拍車がかかる。「3割負担でも影響ない」と無責任な発言をする小泉首相と、入試不正をしながら「往々にしてあること、別段とやかく言う必要はない」といなおる副大臣、こんな政府のもとで医療大改悪を許すことは絶対にできません。7月19日の集会を成功させ、廃案に追い込みます。



 千葉  県労連推薦の阿部百合子さんが労働委員に

 17日に「生協労組ちば」の副執行委員長であり「定時(パート)労組」出身の阿部百合子さんが千葉県の地方労働委員に選任されました。長野県に続いてまたまた女性です。座り込み行動に参加した千葉労連の広瀬常任幹事は「地方労働委員会労働者委員の任命を勝ちとった。この成果は、人権侵害に立ち上がった人とともに、足で歩いて共同を広げてきた成果だ。自・公・保与党は孤立していると千葉で実感している」と運動の前進を報告しました。





全労連・春闘共闘・生公連が初の共同行動

 第4次最賃デー  農水・国交・厚労省と交渉

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 全労連・国民春闘共闘と生公連(生活関連公共事業推進連絡会)は18日、第4回最賃デー・中央行動として厚生労働省と農林水産省、国土交通省との交渉を実施しました。厚労省交渉では、当局の回答が前回(6月20日)交渉時と変わらず、審議会での意見陳述など検討事項にも進展がなかったことから交渉団の怒りが集中しました。今回の政府交渉は、中央最低賃金審議会での地域別最賃改定「目安」の答申が26日に迫り、現行最賃額の大幅引き上げを求めるとともに、建設労働者の賃金・労働条件改善などを要請したものです。



両省とも「公共工事適正化の先進例を全国に紹介」

建設労働者の賃金は生計費も検討…農林水産省

下請代金支払の適正化に努力…国土交通省

 農林水産省交渉には中山益則春闘共闘常任幹事(全労連)ら12名でのぞみました。
 対応した中嶋昭治会計指導総括係長らは、

1)公共工事における労務単価の実態把握はきわめて重要。ヒアリングを含め毎年二省で検討しており適正化に努めている。今後は標準生計費も含めて検討したい。
2)入札契約適正化法にもとづいて、施行の点検マニュアルを作成し、建設労働者の賃金・労働条件の適正化について、自治体を指導していきたい。地方自治体での先進例は承知していない。(ここで、交渉団が函館方式、帯広方式の資料を提供)こうした典型例があれば全国に紹介する。
3)建退共制度の普及については、入札業者等への説明、標識の表示などを行っており、10月の月間でいっそうの徹底を図りたい。
4)公契約条例の批准は厚労省の所管になる。当方に話があれば積極的に協力したい
などと回答し、各要請事項に理解ある態度を示しました。

 国土交通省交渉は農水省と同じ要請事項であることからひきつづき同メンバーでのぞみました。
 対応した課長補佐らが回答しましたが、農水省に比べるとやや積極性に欠けるものでした。
回答要旨
1)公共工事の設計労務単価は労働者の賃金をきめるものではなく、設計労務単価である。
2)入札契約適正化法は国会で採択された問題なので、業者に対していくつかの通達を出して改善を要請している。函館方式などの先進例は全国に紹介する。応援しても妨害などはしない。
3)同法のフォローアップは8月中に集約する。下請代金支払等について、2001年に全国300社の立ち入り検査を実施した。その実態調査結果の資料はお渡しする。



厚労省は最賃改善を拒否――交渉団の怒り集中

 厚生労働省交渉には井筒百子全労連幹事ら11名でのぞみました。対応した篠山賃金労働時間係長らは、地域別最賃の引き上げ、地域間格差の是正、最賃額表示方式を「時間額」単独へ移行する問題などについて、いずれも「中賃・地賃の答申を尊重」などの言い回しで要請内容を拒否するという態度に終始しました。これには交渉団の怒りが集中。審議会での意見陳述や生活できない現行最賃額の大幅引き上げをめぐって、事務方としての努力を強く要請しました。
 最終的に、
1)厚労省で検討している標準住宅費に関するモデルケース資料は渡す、
2)審議会での意見陳述は運営手続きとして会長の許可があれば可能だが、その前に事務方で相談し早急に返事をする、
3)審議会の傍聴手続き方法は19日中にホームページに掲載する。ハガキ、メール、ファクスも可能だが定数は一桁になる

と回答しました。なお、前回渡した各地方の「最賃体験レポート」は全審議委員に配布し、担当者として読んで、「たいへんな生活だと理解した」などと感想を述べました。



吉川春子参院議員が国会報告と激励

 交渉終了後、参加者は衆議院第二議員会館に移り交渉団報告集会をひらき、相互理解を深めるとともに、今後の対応について意見交換しました。
 その結果、当面する中央での行動として、
1)26日の中賃審議会を傍聴すること、
2)国土交通省が行っている入札契約適正化法のフォローアップについて、9月段階でレクチャーを求める

ことなどを確認しました。
 報告集会には、日本共産党の吉川春子参議院議員が駆けつけ、医療・郵政をめぐって緊迫する国会情勢を報告するとともに、パート議連(58名)の活動を紹介しながら、パートの賃金と最低賃金引き上げのためにひきつづき院内外で奮闘しあいましょうと呼びかけました。