2002年国民春闘共闘情報
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第1号 (確定版) 2001年11月07日

リストラ、医療、賃金底上げ

すべての労働者・国民との共同ひろげよう

02年国民春闘共闘が発足

 国民春闘共闘は10月31日、東京・ラパスホールで2002年国民春闘共闘委員会の発足総会をひらき、「2002年春闘構想」、新年度の予算などを採択し役員体制を確立しました。総会には23単産7地方から61名の代表が出席し、ひきつづき開催した「国民春闘討論集会」で春闘構想を練り上げました。
 主催者あいさつした小林洋二代表幹事は、5・3%に達した雇用問題で「連合から共同の申入れがあった。全国キャラバンのなかで地方連合との共同もすすみはじめた。要求の一致点で大同団結することが必要。流れをかえる春闘をいっしょにつくっていきたい」と述べ、賃上げ要求ではパートなどの「時間給の引き上げ」を強調しました。
 坂内三夫事務局長が「2002年春闘構想案」を提案。雇用破壊、賃金抑制など政府・財界の悪行阻止に挑む「国民総ぐるみ」の春闘を呼びかけ、三つの緊急課題をかかげてたたかう構想を説明しました。
 緊急課題は、
1)大企業のリストラ「合理化」競争の流れをくい止め、実効ある雇用創出・失業者の生活保障を実現するたたかい、
2)健康保険本人の3割負担への引き上げ、高齢者医療の大幅な負担増、長期入院患者の保健はずしなど、医療改悪を阻止するたたかい、
3)パートを含むすべての労働者の賃金底上げと最低賃金の改善、自治体の公契約労働における公正賃金の確立など。

 質疑では、化学一般労連の代表が「リストラ全盛のなかで中堅・中小企業の実態と中小春闘の構築」について要望したのをはじめ、運営要綱の目的に「賃金底上げ」の補強、「国民一揆」型の表現再考、闘争日程の早期提示などの要望や意見があり、常任幹事会で具体化することを含めて採択されました。
 新年度の役員体制は、以下のとおりです。
代表幹事=小林洋二(全労連)、中沢善治(純中立労組懇)、佐原忠連(東京春闘共闘)
事務局長=坂内三夫(全労連)
事務局次長=国分武(全労連)、吉田有秀(純中立労組懇)、中井川斉至(東京春闘共闘)
常任幹事=18名、特別常任幹事=3名、会計監査=2名(氏名略)


いのち、雇用、最低生活など解明。討論集会に71名

 午後からの「2002年国民春闘討論集会」には、各単産・地方の代表ら71名が参加しました。
 春闘の緊急課題に関連するテーマ別発言では、
@いのち「健保・医療制度の改悪内容と反対闘争」(日本医労連・田中委員長)、
A雇用「雇用・失業問題と雇用拡大・失業保障のたたかい」(建交労・赤羽書記次長)、
B最低生活「労働者・国民の状態悪化と最賃闘争の重要性」(全労連全国一般・福本書記次長)、
C公契約「公契約・リビングウェッジの条例制定闘争」(埼玉春闘共闘・原冨事務局長)
について、各々補強され、たたかう決意が表明されました。
 フリー討論では、年金者組合の代表が「最低保障年金の創設と生活保護制度の活用」について発言したのを皮切りに、自治労連、銀行労連、大阪春闘共闘など14名の代表が発言して「構想」を深めました。



全体の底上げなくして、賃上げも雇用もない

発足総会 ● 小林洋二代表幹事が主催者あいさつ(要旨)

 最悪を更新する5.3%の失業率のもとでの発足総会となった。最大の要因は大企業の横暴もさることながら、小泉内閣の「市場原理」「競争万能」論である。私たちの生活や権利を破壊するだけでなく、日本経済を深刻な事態に陥れていることは間違いない。そういう意味で、2002年春闘は企業内のたたかいや産業別のたたかいにとどまらず、トータルな力関係を変えるたたかいに職場・地域からしっかり結集してたたかわない限り、深刻な労働者の実態を打開することはできない。
 2002年春闘に大きく結集して、日本の政治・経済の流れを変えるたたかいにしていこうと思う。したがって、課題を絞り、争点を明確にしてたたかうことだ。それは、雇用と権利、賃金の底上げ、そしていのちを守る課題である。
 なかでも高失業の生活実態のもとでは、働くもの全体の底上げがたたかいの幹であると思う。底上げなくして賃上げなし、完全雇用へのたたかいなくして生活と権利は守れない。失業者が増えて、パートなどの潜在的な失業者も増え続けている。パート・臨時など2000万近い方々が失業・半失業状態にあり、時給600〜800円くらいで働いている。800円で1日働いても5〜6000円、月に22日働いても13万円にしかならず、税金その他を差し引くと10万円を割る。一人前の労働者が生活できる賃金ではない。半失業状態、「難民」に近い状態におかれている。
 これを引上げないと、賃上げも雇用もない。生活も権利もない。政治や経済を動かすこともできない。ここに、日本の労働運動の流れを変える唯一の道がある。正規労働者が、これをたたかえるかどうかで、圧倒的国民の支持、社会的な支持を得られることは間違いない。このたたかいの中から、大企業の横暴や小泉内閣の悪政を社会的に包囲できると思う。
 この間、連合から「雇用問題」で共同の申入れがあった。私たちは「一致点で共同しよう」と表明した。中央での共同には、職場・地域からの共同が大切だ。全労連はいま、全国キャラバンにとりくんでいるが、その中で地方連合との共同が進みはじめた。例えば鳥取県では、教育問題と雇用問題で共同のシンポ開催が約束されている。
 労働者が一致点で大同団結するよう努力していくことが、いま必要である。流れを変え、力関係を変える2002年春闘をいっしょにつくっていきたい。