2000年〜2001年度運動方針(案)

【第5章】国民的諸要求の実現をめざす運動

1.社会保障の拡充、消費税引き上げ反対

 (1)政府・財界による社会保障総改悪攻撃に立ち向かい、社会保障制度の拡充をめざして全国の職場・地域から共同の運動を発展させる。当面する課題として、^緡点度の改悪阻止、医療分野への営利企業の参入や契約制度の導入に反対する運動、年金制度や介護保険制度の見直しにむけた抜本改善の運動、少子化克服をめざす要求・政策運動を重視する。「最低保障年金制度」の確立を求める国民の切実な要求を逆手にとって、消費税を「福祉目的税化」して税率を大幅に引き上げる動きが表面化しているなかで、全労連は全額国庫負担の「最低保障年金制度」の確立をめざす運動を強化する。
 (2)社会保障・社会福祉分野で働く労働者は、21世紀にはさらに増大する。これらの労働者の要求を実現させるため、この間のとりくみを教訓に産別共闘と地域からの共同を積極的に推進する。また、全労連の日常的な社会保障闘争として、ー匆駟歉稙争本部の体制と機能の強化、⇒弋瓠政策確立の強化、ニュースや情報収集・伝達の充実と迅速化、っ瓜此γ亙・地域の学習と交流の重視、ッ羆・地方社保協をはじめとする広範な団体との共同の拡大、γ楼茲砲ける網の目の懇談会・ネットワークづくりなどをすすめる。
 (3)政府税制調査会が消費税増税にむけた「中間答申」のまとめ作業に入るなど、消費税大増税へのレールづくりがはじまっている。経団連は、「社会保障支出の増加等は直間比率の是正によって賄うのが基本方向」「基礎年金部分については消費税により賄うのが望ましい」とのべ、企業負担を減らすため社会保障費は消費税でまかなえと要求、「政治の決断によって強力に推進すべき」とその実現を迫っている。こうした財界の要求は、自民、公明、保守の与党3党が合意している「消費税の福祉目的税化」構想と軌を一にするものである。与党3党は総選挙後、来年の参院選などを視野に「消費税増税隠し」の動きをみせているが、いずれ消費税増税に手をつける考えであることは明白である。全労連は、社会的弱者はもとより国民のくらしを破壊する消費税造成に反対し、広範な労働組合、国民団体と共同した運動を展開する。

2.子どもと民主的な教育を守る運動

 (1)長引く不況、雇用破壊などが家庭生活や地域社会にも深刻な影を落とし、政治の腐敗、社会道義の荒廃などともあいまって少年凶悪犯罪の多発などを招いている。社会が汚職や腐敗にまみれたままで、子どもの世界だけ健全ということが困難であることは明らかであり、子どもと教育の危機克服のためにも政治と社会のゆがみをただしていくことが重要である。ところが森首相は、「神の国発言」「「教育勅語評価発言」などをくりかえし、反動的な教育「改革」や教育現場への日の丸・君が代押しつけなどをつよめている。
 (2)全労連は、「いじめ」や不登校など、子どもと教育をめぐる深刻な事態を打開する国民的共同のとりくみをすすめる。受験中心のつめこみ教育、子どもをふるいわける競争教育から、子どもの成長と発達を中心においた学校教育、自然と社会のしくみを理解し、人間のいのちの大切さ、暴力や嘘・ごまかしを許さない勇気などの市民道徳を身につける教育への転換、相手の人格や権利を尊重する社会の実現をめざす。憲法・教育基本法、子どもの権利条約にもとづく教育改革運動をすすめ、30人学級の実現、私学助成の拡充、教職員の権利の保障と労働条件の確立を要求してたたかう。

3.中小企業と日本農業を守るたたかい

 (1)日本の経済は中小企業によって支えられているが、そこで働く労働者は不安定な雇用や低賃金・長時間労働のもとにおかれている。全労連は、大企業の横暴を民主的に規制し、中小企業にたいする支援の強化、中小・零細企業の育成・発展をはかる政策への転換を求めてたたかう。そのため、〃弍頂て颪梁燃に向け、政府・自治体・大企業に向けた共同の運動を中小企業経営者と共同して推進する。⊂Χ函Ε機璽咼后印刷関連、金融などの大産別共闘を強化し、政府・自治体への要求行動を発展させる。C亙・地域経済振興や「まちづくり」などを追求する。ぁ崔羮企業基本法」など関係法制の見直し・廃止に反対し、国会闘争を推進することなどを重点に運動を具体化する。
 (2)99年に成立した「新農業基本法」は、国が食料自給率を向上させる責任を放棄し、農畜産物の自由化、価格保障の廃止、大企業の生産現場への進出など、家族農業経営が成り立たないように戦後農政を大転換するものである。自給率の著しい低下など日本の農業の荒廃を防ぐため、ひきつづき食糧と農業、健康を守る運動の前進をめざし、関連組織と共同したとりくみをすすめる。また学校給食に国産新米を使用させる運動やコメの関税化撤回をめざし、全国食健連、農民連など広範な団体・個人とともに、実効ある輸入規制がおこなえるようWTO協定の抜本改定を要求して全国で運動する。食料の安全を守るための安全行政・検査基準の強化を要求してたたかう。

4.環境保全と災害対策のとりくみ

 (1)阪神・淡路大震災被害者への公的支援制度を求める運動によって、「被災者生活再建支援法」が実現したが、その内容はきわめて不十分である。いまだ深刻な状況にある阪神・淡路大震災被災者や有珠山噴火被災者の生活再建のためにも、「被災者生活再建支援法」の抜本改善を求める運動をつよめる。災害対策基本法、災害救助法を住民の生命・財産を守る実効あるものにするために、防災体制の点検・確立などの大衆的な運動を展開する。また、防災・災害救助を「危機管理」を口実にする自衛隊等の大規模出動など、「戦争法発動体制」づくりに悪用する策動に反対する。「災対連」に結集して、全国の防災・災害対策運動の交流をおこない、国と自治体の災害対策の抜本強化をはかる。
 (2)地球規模の温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、森林減少、砂漠化、海洋汚染などが深刻化し、大量生産・大量消費・大量廃棄の発想の見直しが迫られている。地域からダイオキシンや環境ホルモン災害の根絶、資源リサイクル運動などに積極的にとりくむ。自動車や高速道路の利便性、経済性、公共性よりも住民の生命、健康こそが優先することを明確にし、有害物質であるディーゼル大型車の排ガス差し止めという公害裁判上歴史的な判断を示した尼崎公害裁判判決や東京大気裁判など、きれいな空気をとり戻す裁判闘争を支援し共同のとりくみに連帯する。国の道路行政や運輸行政を抜本的に転換させる運動とともに、大気汚染測定運動をひきつづき実施する。

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